分子標的薬とはで分子標的薬をごく簡単に説明しました。
先日は、分類について説明しました。
今回はその続きです。
おおざっぱな分子標的薬の概念がわかってないと難しいのでわからない方は、さきに分子標的薬とは?をお読みください。
がんが増殖や浸潤、転移するのにいろいろなシグナル(信号)を介していることがわかってきました。
そうした、チロシンキナーゼなどを阻害して抗腫瘍効果を発揮しますので、副作用も今までの、殺細胞性の抗がん剤と比較するとプロフィールの異なる副作用が多く見受けられます。
例えば、ゲフィチニブ(イレッサ)やエルロチニブ(タルセバ)は、皮疹、肝障害、下痢、そして薬剤性の肺炎が有名ですよね。
ちなみにタルセバの皮疹はほぼ全員に出ると言われています。
中には、膵炎や気胸(肺に穴が開いて空気が肺の外に漏れて肺がしぼむ)などもイレッサとの関係が疑われています。
トラスツズマブ(ハーセプチン)は、アレルギー反応(抗体薬品にはよくある)や心毒性。
ベバシヅマブ(アバスチン)は、高血圧や尿タンパク、そして出血関連事象(下血、喀血など)が有名です。
今後活躍の期待できるスニチニブは、心不全や全身倦怠感が有名です。全身倦怠感は甲状腺機能が低下して起こるとも言われています。
予想通り、殺細胞性の抗がん剤とは全く違う副作用が問題になってます。
吐き気もほとんどないし、白血球や血小板、貧血というような副作用もほどんどありません。
まだ、新しい分子標的薬(今までの分子標的薬の作用する場所とは異なる部位に作用するもの)がどんどん出てきますので効果も楽しみですが、未知なる副作用にも目をひからせておかないといけません。
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イレッサとタルセバの効果の差が話題になっていますけど。
イレッサの効果の低い方(イレッサであまり大きさの変わらない方)にタルセバが効果を発揮することがあるようです。
イレッサが今まで効いていて、だんだん効かなくなった方は、タルセバの効果は薄いようです。
あくまで、この話は象なだけです。
今後どういう使い方になるかはまだわかっていません。
詳細については、主治医とご相談ください。