~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
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感度と特異度 
2008/10/31 Fri 12:26
CATEGORY【診療】
感度と特異度ってあんまり聞いたことないですよね。

感度と特異度は医療を行う上では非常に重要なものです。

医療を行うならば常に感度と特異度を考えなければなりません。

簡単いうと

感度とは、病気であるときに検査が陽性と出る確率

特異度とは、病気でないときに検査が陰性と出る確率

まだ、難しいですか。

つまり、感度が100%ならば病気であるときに検査は100%陽性(+)です。

また、特異度が100%ならば病気でないとき検査は100%陰性(ー)です。

ですので、感度と特異度が療法100%の検査があれば非常に役に立ちます。

なぜか、わかりますよね。

その検査をすれば、病気か病気でないかがすぐわかるんです。

他を考えなくてもその病気であるかどうかがはっきりわかるんです。

感覚的にいえば感度、特異度ともに90%を超えていたら『すごく役立つ検査だ。』という感覚があります。

でも、ここまで感度と特異度ともに良好な検査は少なくてどっちかは、90%だけど、反対は70%程度とかが多いのです。

だから、ひとつの検査結果が陽性に出ても確実にその病気だとは決めにくいし、陰性に出てもその病気でないとは決められないのです。

医者は、診察所見、画像所見、検査結果、今までの病気の状況などを総合的に判断してどんな病気かを推測して治療を行います。

もちろん、99%間違いないと自信を持って治療をしているときもあれば、あんまり自信がなくて治療をしていくこともあります。
(診断的治療とも言います。)

ちなみに、感度がよいといわれているPSAという前立腺がんの腫瘍マーカをみてみましょう。

だいたい、1.1ng/mL以上を陽性とすると感度は83%、特異度は40% 弱です。

この値を4.1ng/mLとすると感度は21%、特異度は94%となります。

感度、特異度ともに高い検査なんてそうそうないことわかりますよね。

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テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

2008/10/30 Thu 12:25
昨年の5月21日m3にエントリーした記事です。





もう、ずいぶん前のことです。

Kさんは、50代の男性でした。胸部異常陰影(無症状)で紹介され、検査の結果は、肺癌(腺癌)3B期でした。
標準治療である。抗癌剤と放射線の同時併用療法を行いました。
幸いなことに、2コース終了時点で非常に小さくなりました。(good PRの状態です。)

ただし、副作用はきつく1週間以上嘔気、嘔吐があり、点滴を要する状態でした。

医師側からすれば、非常に効果があり、若年者であり、3コース、4コースの抗癌剤治療を勧めるわけです。

しかし、Kさんは、『もうこれ以上抗癌剤はしたくない。』とはっきりおっしゃいました。

そこで、2コース終了時に奥さんに来てもらい、今までの経過で副作用はきつかったが、治療効果が予想以上によく、もう少しがんばりましょう。
ただし、副作用はきつかった(シスプラチンのためと考えてます。)ので副作用の弱い事が予想されるメニュー(カルボプラチンを含む)に変更してやりませんか?という内容の話をしました。

Kさんは、涙を流し出しました。
今までのKさんは、非常に気丈な方で決して弱音を吐くことのない人でした。
もちろん、今までKさんの涙を見たことは、ありません。そして、話し始めました。

『死ぬのはな、こわくないねん。入院していろいろ考えて、他の患者さんと話して覚悟はできてん。でもな、あの吐き気は、もう我慢でけへんねん。今日は、もう治療やめるって絶対先生に言おう思てたんや。でもな、家族のためには、もう少しがんばろうかな。わし、おらんかったら困るしな。でも、ほんまにつらいねん。いややねん。』

そして、何日かたった日。Kさんは、僕に言いました。
家族とよく相談したようです。

『先生、やっぱり、2回でやめるわ。先生が勧めてくれることは十分理解してる。完治をめざすんやったらがんばった方がええのもわかってる。でも、もう帰るわ。』

結局、Kさんは、再発しましたが、抗癌剤治療は拒否され、永眠されました。
医師としては、もう少しがんばって欲しかった。しかし、医師でない立場でKさんをみたら、よく頑張ったと思います。
それは、Kさんの生き方です。よく考えた上の結論です。総合的に考えるとこれでよかったのではないかと思います。

Kさんは感謝してくれました。

『後悔してないねん。今まで、ありがとう。』





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今では、『人生いろいろ』10回以上のシリーズとなっています。
その中で最初のエントリーです。

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タグ : 人生いろいろ

だんなさんの言葉 
2008/10/29 Wed 12:04
CATEGORY【診療】
まず、先日墨東病院でお亡くなりになった妊婦さんに追悼の意を表します。

その脳出血で亡くなられた妊婦さんのだんなさんが会見されました。

内容をみると本当に心を打たれ、涙が出てきます。

おそらく、つらい気持ちの中、今の医療情勢、などをこの方なりに理解して以下のようなコメントを発したのだと考えられます。

「妻が浮き彫りにしてくれた問題を、力を合わせて改善してほしい。安心して赤ちゃんを産める社会になることを願っている。」

「伝わらないはずがないと思うが、誰も責める気はない。」

「傷ついて辞めるようなことになったら意味がない。絶対辞めないでほしい。」

「墨東病院の医師も看護師も本当に良くしてくれた。彼らが傷つかないようにしてほしい。」

「のど元過ぎれば忘れるのではなく、具体的な目標を持って改善に向かってほしい。何かが変われば『これを変えたのはおまえのお母さんだよ』と子供に言ってあげたい。」

この発言をみて、非常に無念な気持ちが伝わってきます。

無念な気持ちを目の前の誰かに責任を求めるのではなく、原因を分析されて、原因は、こわれつつある医療全体にある事を理解されたのだと思います。

病院の医師を責めても問題は解決しない。

強いて言うなら、今の医療情勢をほったらかしにしていたのが悪い。

これは、理解していてもなかなか出来ることではないと思います。

頭の下がる思いです。

この、1ヵ月にも満たない時間すごく考え、すごく悩み、医療の現場の状況を理解したと思います。

このだんなさんのこのような発言を聞くと、現場の人間としてはもう少し頑張れるような気がします。

ただ、悲しいことは、ことり先生のブログ『夫の会見ー『毎日』の悪意』にもあるように伝え方で全然違う印象になると言うこと。

それと、病院同士の、言った、言わないの件がどうでもよくなったというか、その様なことを伝えるために会見までひらいたこと。

また、行政同士で責任のなすりつけあいをしたこと。

これらの行為、全部、かすんで見えます。

だんなさんの発言は、偉大な力を秘めています。

望まれたように、今の医療情勢をかえるだけのパワーを持っているような気がします。

この言葉の前に、お前が悪いんだと責任の所在を求めたり、責任のなすりつけあいをすることがどれほどむなしいものかよく伝わったと思います。

今回の件をきっかけに少しでも医療がよくなりますように。

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今日発売の週刊文春に、この件に関する記事がありました。

しかも、続くそうです。

もしかして、文春が売り上げを伸ばしたいから先週のあのタイミングでたきつけたのか?

そうだとしたら、文春、ゆるせません。

あかがま先生も『争いの序曲』なんて、先読みしてますし。

なんだかなぁ。

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センモンヨウゴ 
2008/10/28 Tue 12:18
がんセンターのホームページに面白いコンテンツがありました。

『センモンヨウゴは、難しい』

です。

実際の専門用語を患者さんや家族がどれだけ理解しているか。などについて調べています。

正解率が思ったよりも低かったので驚いたものを挙げます。
CT検査 37%

リンパ節廓清 40%

縮小手術 48%

標準治療 54.5%

再建手術 63.5%

原発巣 68.5%

浸潤 70.5%

適応外 70.5%

化学療法 78%


うーん、これからもわかるように注意しないと。

また、笑い話みたいな例も載っていました。


トウツウはありますか?「頭痛はありますか?」

このクスリはキンキです。「この薬は近畿です。」

コウケツがありますね。「高血(圧)がありますね。」

チケンをやりますか?「ためしに検査するってこと?」

シジリョウホウをしましょう。「指示される治療をするの?」

ビョウキブンルイでは、・・・。「病気の症状による分類のこと?」「病名の分類?」


笑い話ではないんですよね。


疼痛と頭痛が、、、こっちが予想すら出来ません。
医師アタマなのでしょうか。

禁忌を近畿は、ないやろとか思うのですがどうでしょう。


できるだけ、このような言葉を使わないように、別のわかるであろう言葉に言い換えて説明しているつもりです。

ただ、ここに載ってる事を見るとそれでも不足してるのではないかと不安になってしまいます。

また、こちらは、患者さんや家族の方向けのページです。

『医療者とのコミュニケーション』

お互いに賢い医者、賢い患者になってよい関係を築くようにしましょうね。

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がんセンターのホームページ、いい情報載ってますよね。

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モンスター対策 
2008/10/27 Mon 12:14
CATEGORY【診療】
日経メディカルに『困った患者2008』なる特集がありました。

その中でモンスターのタイプを分類している記事がありました。

・性格的問題型
独善的な価値観でクレームや不当要求を繰り返すタイプで交渉拒絶を通知したり窓口を弁護士にするのがいいらしいです。

・精神的問題型
私を排除しようとしているなどと思っているタイプでクレームとも愚痴ともつかないことを述べるそうです。
真の目的は担当者との心理的密着により『心の欠損』を埋めることらしいです。

・反社会的悪質型
巨額の金銭を得るのが目的で病院をターゲットにすることはまれ。

・常習的悪質型
比較的少額の金銭を得るためのクレームを繰り返す。
相手の矛盾をついたり、毅然とした態度が大切のようです。

この4つに関しては弁護士の方の記事でした。

また、別の病院事務の方の記事で
背景や真の要求を読み解くことが大切とありました。

真の目的は院長と話すきっかけが欲しかっただけであったりしたこともあるようです。

また、見放されたと思いこませない配慮も必要とのこと。

うーん、なんだか、医者の仕事がじわじわと増えているような印象を持ってしまいました。

考え過ぎかな。


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口腔ケアの重要性 
2008/10/26 Sun 12:10
以前、aruga先生が口腔ケアの大切さをブログで紹介されていました。

口腔ケア、大切な理由
口腔ケアにパインや紅茶
口腔ケア、化学療法口内炎のアイスボールの作り方

以前、私も静岡がんセンターが口腔ケアを積極的に行っているとの記事がありました。(日経メディカルオンライン内、確か医師限定だと思います。)

静岡がんセンターでは、静岡県歯科医師会と共同で口腔ケアを行っているようです。

静岡がんセンターで本格的な治療に入る前に歯科医を受診して入院中は歯科口腔外科と連携して退院後はもとの歯科医に診てもらうという流れが確立されているようです。

歯科を開業されている先生もがんセンターからの詳細な診療情報を得られるとのことで、高度な医療の一端を担っているとモチベーションもあがっているようです。

また、静岡がんセンターと静岡県歯科医師会は、サンスターと提携して『がんで入院する患者さんのための口腔ケアセット』を昨年の夏から発売しているようです。(静岡県だけのようです。)

検索してみるといままで、知らなかったのですが、『日本口腔ケア学会』なるものがありました。
のぞいてみると、いろいろ役立つ情報満載です。
一度、見てください。

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口腔ケアを行うことにより術後合併症が減少した。誤嚥性肺炎の発症率が低下したなどの報告もあります。

現在、口腔ケアの重要性について、あまり強くいわれていませんが、どの分野でも非常に重要でありそうです。

もっと、声を大にして口腔ケアの重要性を伝えていく必要があると思います。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

タグ : 口腔ケア

保険で出来ないの? 
2008/10/25 Sat 12:14
以前、『悪性腫瘍遺伝子検査』でゲフィチニブ(イレッサ)やエルロチニブ(タルセバ)などの効果予測ができるという話しをしました。

今回は、9月に保険で大腸がんに使えるようになったばかりの薬セツキシマブ(アービタックス)のお話しです。

セツキシマブ(アービタックス)もゲフィチニブ(イレッサ)やエルロチニブ(タルセバ)と同じようにEGFRに作用して抗腫瘍効果を発揮するものです。

イレッサやタルセバと大きく異なるのは大分子化合物(抗体薬)であることです。

ですので、内服薬ではなく点滴で用いる薬剤です。

今わかっている事は、セツキシマブ(アービタックス)は手術などの組織を使って遺伝子変異を調べてみるとK-rasと呼ばれるがん遺伝子に変異があると効果がないのです。

K-ran変異のある患者さんはセツキシマブ(アービタックス)を使っても効果がないのです。

ですので、K-ras変異を調べてみて変異のない患者さんに投与すればいいのです。

ちなみに、K-rasは40%程度の患者さんで陽性のようです。

しかし、保険では、そのK-ras変異を調べる事ができないのです。

普通に調べたら数万円かかる検査です。

1回セツキシマブを投与すれば10万円は超えます。

100人の大腸がんの方に検査をせずにセツキシマブを使うのとK-ras変異を測定してからセツキシマブを使うのと副作用の面、金銭的な面と両方の面からK-ras変異を測定してから使うべきですよね。

医療費を増やさないようにするんだったら、こんなところをキチンとすれば少しはマシになるでしょうに。

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噂によると将来的には保険適応になるらしいですが。

それまでは、病院の持ち出しで検査をしろと?

なんだかなぁと思います。

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画像診断の限界 
2008/10/24 Fri 12:30
m3のブログに去年の9月21日エントリーした記事です。




がんと診断されたら、どんな治療法があるかを検討しなければなりません。
病期分類(どの癌腫でもだいたい1から4期まであります)をして、治療方針を決定します。

以下、肺がんについて述べます。
病期分類とは、T因子(原発巣の状態)とN因子(所属リンパ節転移の状態)とM因子(遠隔転移の状態)の3つの因子で決まってきます。(『肺癌取り扱い規約』なる200ページをこえる本があります。もちろん、他のがんにも取り扱い規約があります。)

ですので、この病期分類が微妙なときは、非常に悩むのです。
だって、治療法の選択によって治る確率がかわってくるんですから。
患者さんの人生を左右する事なんですから。

例えば、CT上リンパ節の大きさが1cmをこえれば転移ありと考えます。実際、手術してみたら1cmを超える大きさのリンパ節にがん細胞があった率は、8割程度です。(報告によっても異なりますが)

また、1cm以下のリンパ節でも、術前に気管支鏡で針でついて調べてみたらがん細胞を認め転移ありだったこともあります。

他にも、画像上はわからなかったが、手術したら、胸膜(肺を覆う膜)面にたくさんの転移がみつかったとか、実際に開けてみないとわからないことも多々あります。(ほとんどの場合は画像診断と一致する場合が多いのですが。)

PETの検査があるじゃないかと思われるかも知れませんが、完全ではなく、肺内のリンパ節の診断に関しては8割くらいしか正しくないのではないでしょうか?

病期分類には、臨床病期分類と病理組織学的病期分類とがあります。
前者は、主に画像診断です。後者は、術後に顕微鏡で見てどこまでがんがあるかによって決まります。(手術しない場合はわかりません。)

と言うことは、術前の病期分類と術後の病期分類がかわる事があると言うことです。(術前が1期で術後が3期なら手術しない方が成績がいい場合があります。)

われわれは、できるだけそんな事がないようにいろいろ検査で検討して治療法を選択します。
しかし、どれだけ、画像検査の技術が向上しても直接見ての診断ではありませんので、術前と術後の診断が100%一致する事はないでしょう。

しかし、患者さんにとってベストな選択になるようにいろいろな検査を行って画像診断の限界と戦っています。

他の、がん種でもほぼ似たようなものだと思います。
 
 
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医療って本当に難しいですね。

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東京でも 
2008/10/23 Thu 06:21
都内でも、なかなか搬送先が見つからなくて、脳出血の妊婦が亡くなられたとのニュースが流れています。

この件に関して、多くのブログで意見が述べられています。

本筋はそちらを見て頂きたいと思います。

私は、この件に関する名の知れた方々の意見に関してコメントしたいと思います。

石原都知事
「初めて聞いた。あってはならないこと。そういうことがないように(救急医療体制を)作っているのに。なお調べて対処します」

全く私の推測ですので間違っていたらすみません。

行政の方針としては、ある程度の規模の病院をER指定してそれで終わりにしたんじゃないでしょうか?

いくら、ER指定され設備が充実しても働く医者がいなければ当然機能しないわけで、医師の数が少ないのに補充されない(まあ、他にも産科医は余っていないので仕方ないことですけど)現実を理解されたいなかったのですね。

日本の行政の考えを表しているようですね。

ERの病院を作れば大丈夫。

でも、実際は中で働く人がいないと機能しない。という現実。

重粒子線の施設のようですね。

参考記事

放射線治療医の数が少ないから、施設を作ってもスタッフがいなくて困ってるらしいですよ。

河村官房長官
「極めて遺憾だ。原因をきちんと究明し、防ぐにはどうしたらいいか、必要な措置をとらないといけない。東京都で起きたことがどういう意味を持つのか、きちんと検証しないといけない」

>えっと、ずいぶん前から、医者がいない事(特に産科)は有名な話しじゃないですか?

墨東病院の定員と実際の医者の数知っていますか?そんな病院がER指定されているんですよ。

結論から言うと、医者の数を定員にして同様のことが起こるなら問題があるでしょう。

まず、そこから始めてください。

医者の数を定員にするのは、医者の仕事ではありません。

病院経営者の仕事です。

公立病院なら行政の仕事です。

前にあった大淀の件で産科医が不足しているのはわかっているはずです。

それを放置していた、対策をここの病院に任せていたのは行政の責任です。

間接的な責任は有権者にもあると思います。

別の方ですが、

ERなんだから、ゆとりのある医師数を配置しろって意見もありましたけど。

病院内では、不採算部門は経営会議でつつかれるんですよ。

ゆとりある医師数があれば、経営的にはよろしくないですわね。

診療報酬をあげて、人材を確保できるようにするのがまずすることでないのでしょうか。

医療費亡国論がいまだに生きているのがいけないのでしょう。

早く、必要な医療に必要な予算を回してください。

医療にお金をかけることは、新たな雇用も生み出します。

医者の仕事を医者以外にするようにしていく機運が高まっています。

そうすれば、雇用促進にもつながると思います。

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結果的には、東京でこの様なことがおこったことで国が本腰を入れて対応してくれるのではないでしょうか。

報道関係者も、医者ブログにたくさんアクセスしているようですしね。

どうすればよくなるかを考えて報道してくださいね。

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タグ : 医師不足 医療制度

2008/10/22 Wed 12:30
CATEGORY【診療】
以前、『わかりやすい説明』という話しを書きました。

もう半年以上前だったんですね。

新聞でも取り上げられてたし何の話かわかる人多いと思いますが。。。

医療用語をわかりやすく言い換える例などを示した「病院の言葉の手引」(仮称)を作成していた国立国語研究所「病院の言葉」を分かりやすくする提案(中間報告)を昨日、公開しました。

中を見てみると患者さんに言葉が伝わらない理由は

・患者さんに言葉が知られていない。
・患者さんの理解が不確か。
・患者さんに理解を妨げる心理的要因がある。(腫瘍など)

なるほど、その通りですね。伝わらないのは知らないのか、よくわかってないか、あまり知りたくないのかのどれかですね。

理解を妨げる心理的要因に関しては、考えたこともなかったので勉強になりました。

で、その対策が書いてありました。

・日常語で言い換える。(イレウスを腸閉塞とかですね。)
・的確に説明する。(言葉では簡単ですが実際は難しそうです。)
・重要で新しい概念を普及させる。

『重要で新しい概念を普及させる。』そんな手があったんですね。

全く、気がつきませんでした。

さすが、国語研究所です。

ただ、 患者に理解を妨げる心理的負担がある場合の対応は『心理的不安を軽減する言葉遣いを工夫する。』とあります。

なかなか、難しいですね。

不安を取り除きながら、説明をする。

具体的にどうするのかも教えて欲しいですね。

「病院の言葉」を分かりやすくするための工夫の類型わかりやすい図での説明です。

一回見てください。

また、以下のページでは57個の言葉を分類してしかもクリックするとその言葉のわかりやすい説明のページにとびます。

http://www.kokken.go.jp/byoin/teian/ruikeibetu/teiango/

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いかも、現在アンケート募集中です。

みなさんもご意見を。

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タグ : 理解 簡単に

新聞報道に問題あり 
2008/10/21 Tue 13:32
ケアネットコムをみていると面白そうな話題がありました。

『医薬品研究をめぐる新聞報道に問題あり、一因に記者の無知』

そうそう、あんまり勉強もせんと記事を書いてるんやからと思い内容に目を通しました。

JAMAと呼ばれるアメリカのメジャーな医学雑誌に載った論文でした。

『News media coverage of medication research: reporting pharmaceutical company funding and use of generic medication names.』

主に何を調べているかは、

・報道された研究が製薬会社の資金提供を受けて行われたかどうか
・医薬品の名前が一般名か商品名かどうか

この2点を主に調べていました。

ですので、医療側からしたらとんでもない内容ばっかり書いて困ったよ。というような内容ではありませんでした。

残念?!

実際どうだったかは、約半分弱は資金提供があったにもかかわらずこの事実を報道していなかったようです。

一般名の報道がなく商品名だけでの報道もあるようです。

その事を報道のレベルが低いとしているようです。

こないだの、ビタミンCの話しもそうですが、日本の報道はいかにも効果がありそうに思えるような報道をしてくれるので困ったものですね。

まだ、動物で効果があっただけなのに。

少なくとも事実を客観的に伝えられるようになったらアメリカの論文に書いてある報道レベルに到達するのでしょうね。

それでもまだまだなのに。

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ひとつ、日本の報道を擁護するなら、新しい発表はほぼ全部が英文雑誌での発表です。

ですので、それを精読して正確に日本語で記事にするのは難しいと思われます。

だからといって興味をそそるだけの報道がいいとは思いませんが。

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悪性腫瘍遺伝子検査 
2008/10/20 Mon 11:59
『ずっとは効かないの?分子標的薬』でイレッサの効果がありそうかどうか?などの判定にEGFRの遺伝子変異を調べることでききやすそうかだいたいわかると言う内容の話をしました。

具体的には、がん細胞が含まれている検体を検査会社に出して調べてもらうのです。

検査の方法にもよるのですが、ある程度の大きさのがんを含む組織が必要であったりする検査法もあれば、胸水などがん細胞が少量あれば検査が可能な方法まであります。

この検査をすることにより80%程度の割合でイレッサやタルセバが効くかどうかわかります。

ですので、この検査は効かない可能性が高い患者さん つまり、男性、腺がんでない、喫煙者の方はもともと効果のある可能性が低いと考えられますのでもし、この遺伝子変異を測定して効きそうであれば試してみるみたいな使い方もできるのです。

ちなみに、この検査をすることは保険診療で認められていて『悪性腫瘍遺伝子検査』として2000点(つまり、2万円)請求できます。

検査会社にもいろいろあり、それぞれ測定の方法が異なっています。

それぞれの検査法に一長一短がありどれがいいのかは、微妙です。

しかし、検査会社によって異なるものがあります。

A社は、2万円で検査をしてくれます。

B社も2万円で検査をしてくれます。
ただし、同じ患者さんで2回目以降測ったり肺がん以外の腫瘍を測定したりすると3万5千円かかります。

不思議ですね。

おそらく、B社は、一般の医療機関との関係を悪くしたくないために赤字の検査を引き受けいるのでしょう。

C社は、4万円で検査をしてくれます。
ただし、契約単価は医療機関で異なるようです。

C社も場合によっては赤字で検査を引き受けるつもりなのでしょう。

なんか、変ですよね。

患者さんにとって必要な検査なんですけど。

検査をすれば、病院が赤字になる。

もしくは、検査会社がかぶらなければならない。

なんで、こんな保険点数の付け方するのでしょうね。

意味がわかりません。

ちなみに、検査出したら赤字になる検査は他にもあります。
 
 
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すべての肺がんの患者さんが遺伝子変異の検査に提出できるかどうかはわかりません。

細胞診だけで診断されている患者さんは検査自体に出せない可能性もありますし、昔の組織だと検査に出してもちゃんとした結果が帰ってこない可能性もあります。

また、遺伝子変異があってもイレッサ、タルセバが効かない場合もあります。

もちろん、遺伝子変異がなくても効く場合もあります。

詳細は、担当医、主治医とよく相談してください。

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タグ : イレッサ タルセバ

ビタミンC 
2008/10/19 Sun 11:31
今年の夏にこんな話題がありました。

『ビタミンC投与でがん半減 マウス実験で、米研究所』
『魚拓』

この件に関する細かいつっこみはあかがま先生のところに載っています。
『NIH発、ビタミンCでがん半減』

そんな話しがつい数ヶ月前にあったところですが、Cancer Reserchという雑誌に『高用量のビタミンCが広範囲の化学療法薬の細胞傷害作用に干渉する可能性のあることが、前臨床試験で示された』と言う記事が載ったようです。

概要はm3のニュースに日本語で書かれていますがメンバーでないと読めないのかな一応アドレスを。

『ビタミンCは化学療法への反応を弱める可能性がある 』

どちらも原文は読んでないので詳しい批判を避けますが、両方ともに人間に使った成績ではないようです。

実際に使ったらどうなるんでしょうね。

まあ、ある程度に方はサプリメントでビタミンCを飲みながら抗がん剤治療を受けてるでしょうね。

この論文に対するアメリカの腫瘍医のコメントが非常にまっとうでした。

ビタミンCは癌の予防と治療において長い歴史がある。ビタミンCが癌患者の転帰を改善させるということを示したエビデンスは存在しないが、癌患者はビタミンCの便益の可能性を信じ続けるという報告もある。
腫瘍医は癌患者に過剰量のビタミンCを摂取することを定型的に勧めたりはしないが、癌患者は別の臨床医からビタミンC治療を受けていることが報告されている。

まあ、この論文の内容が人間でどうであるかがまずわからないですし、今のところビタミンCをやめた方がいいと言う根拠は当然ながらありません。

同じように、ビタミンCがいいという根拠もありません。

個人的には、何事もほどほどにバランスよくがいいかなって思います。

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どんな情報もきっちりと吟味しないとダメですよ。

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よくある質問 
2008/10/18 Sat 11:27
我々、医者からしたら当たり前というか、そんな疑問すら出てこないのですが、よくある質問があります。

その代表が、転移性のがんは誰が専門なの?ってことです。

私は呼吸器専門医であり、肺がんの診療に主に携わっていますが肺がんの患者さんに肝転移が出たとき、肝臓の医者に診てもらいたいと言われる患者さんがいらっしゃいます。

肝臓専門の医者は肺がんの肝転移の専門ではありませんよ。

肝臓に飛んでも、骨に飛んでも、頭に飛んでも肺がんは肺がんです。
肺がんの治療を行います。

ですので、肺がんの専門の先生が担当するのですよ。

ときどき、私どもの施設にも肺にカゲがあると紹介されて検査をしてみると悪性は悪性なのですが、肺がんではなく、大腸がんの肺転移であったり、乳がんの肺転移であったり、前立腺がんの肺転移であったこともあります。

そんなときは、大腸がんなら消化器の専門家へ、乳がんなら乳腺の専門家へ、前立腺がんなら泌尿器の専門家へ紹介することとなります。

もちろん、転移巣を外科的に手術してとってしまった方がよい場合もありますので、そのときは、とる部位の専門の外科の先生に手術をお願いすることになりますけど。

手術が終わるともとのがんの専門家の元に戻されますよ。

ですので、新たな別のがんができない限り、新たな科の先生に診てもらう必要ないですからね。
 
 
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ドクターには、当たり前すぎてそんな疑問も沸きませんよね。 



しかし、この質問は半年に1度は聞きますね。
こないだもブログのコメントで質問いただきました。

あ、何でも遠慮せずに聞いてくださいね。
今回取り上げたのは、まだこの話知らないヒトがたくさんいると思いましたから。

その方が、お互いにとって幸せですからね。

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タグ : 転移 がん

2008/10/17 Fri 14:19
最近、トリアージの仕方が悪かったとの報道をちょこちょことみかけます。

いろんなブログでも取り上げられています。

もちろん、反省は必要なので今後こうすればよくなる可能性があるなどと前向きな議論は必要です。

ただ、報道の多くは、トリアージが悪かったがために命を救えなかったような論調を見かけます。

そうでしょうか?

まず、トリアージの概念がなかった場合と比較してどうでしょう。

意識のない患者や外傷のはでな患者から順番に救急車に乗せてみたらどうなるでしょう。

とくに、内臓損傷(肝破裂など)は外傷もなく痛み以外に症状のないことも多いです。

ですが、治療が送れたら命取りです。

やはり、トリアージは必要だと思いませんか?

トリアージについて批判するならまずトリアージがなかった場合と比較すべきじゃないでしょうかね。

トリアージが必要な状況というのは、日常ではありません。

非日常です。

そんな中で一人でも多くの人を助けようとしている人間をお前が悪いみたいな感じで言うのはどうかと。

それならば、黒タグをつける基準や赤タグの基準について議論をすべきだと思います。

トリアージについての反省は次にトリアージが必要になったときに生かせるようにあるのですから。

残念ながら、亡くなられた方は生き返ることはありません。

それよりも、次にトリアージされるかも知れない今命ある自分自身や家族のために議論しませんか?

その場にいる人をせめても何も生まれません。

しかも、その場にいた人は一生懸命凄いストレスを持ちながらトリアージを行った人です。

よくやったね。と褒め称えられるべき存在だと思います。

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あと、最近のイヤな流れとしては、こんにゃくゼリーが製造中止となったことです。

こんにゃくゼリーがなくなったらそれで解決する問題なのでしょうか?

もっと、大切なことがあるんじゃないでしょうか?

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抗がん剤の曝露 
2008/10/16 Thu 12:21
ここで言う抗がん剤とは分子標的薬ではなく、殺細胞性の抗がん剤の話しです。

殺細胞性抗がん剤は、いろいろな毒性があります。

抗がん剤治療を行う患者さんにとってはメリットもありますのである程度の毒性は許容して頂かないといけないのですが、患者さん以外に抗がん剤が暴露される場合があり問題となります。

主には、医療従事者に対する抗がん剤曝露です。

最近は、抗がん剤の調剤を安全キャビネットと言われる抗がん剤が飛散しにくい場所で調剤することが多くなってきましたが、10年前はほとんど病棟の詰所で抗がん剤をボトルに詰めていました。

私も、ナースステーションで詰めた事があります。
もちろん、こぼしてしまって床などを抗がん剤で汚染した経験があります。

抗がん剤を使ったことのある多くの先生は似たような経験をしているのではないでしょうか?

抗がん剤を取り扱う看護師の尿から抗がん剤が検出されたとの報告がありましいた。

そこで、さらに調べてみると抗がん剤の調整に直接関与していない職員の尿からも抗がん剤が検出されました。

また、拭き取り調査をしてみると患者さんの机などにも付着していたとの報告もあります。

現在、抗がん剤の調製は全身を覆うような格好で行われています。ガウンを着てマスク、キャップ、ゴーグル、グローブをして行います。

ですので、調製する本人は安全であることが多いです。
しかし、その後の対応によっては安全でない場合があります。
例えば、廃棄するときにまわりに飛び散らかせてしまったりです。

曝露の経路としては、皮膚や粘膜からの吸収(調製するときにエアゾル化して空気中を漂う)が主なものですが、手洗いをせずに食事をしたりする場合もあります。(本人の意識の問題ですが。)

あと、抗がん剤を投与された患者さんの排泄物からの曝露も考えられます。

血液、吐物、排泄物などです。

アメリカのがん看護協会では、抗がん剤投与後の患者さんの排泄物の取り扱いが決められているようです。

そこでは、抗がん剤投与後48時間以内の患者さんの体液、排泄物は抗がん剤が混入しているものとして扱う事としています。

と言うことは、患者さんの家族などへの曝露の可能性もありますよね。

患者さんの家族へも曝露予防の知識を持っていただかないといけません。
 
 
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50時間経ったら大丈夫かどうかなんてわかんないですよね。

あまり、神経質になりすぎてもいけないですけどね。

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臨床試験の裏側 
2008/10/14 Tue 12:22
m3のブログに去年の9月27日エントリーした記事です。




>臨床試験の目的と実際。
もし、参加される方がいらっしゃたらの注意事項を述べました。

臨床試験とは
臨書試験の現実

その中のコメントで『ちょっと、信用できないかもね。』みたいなニュアンスのコメントがありました。


残念ながらその時は、その疑問に対してすっきりとしたお答えができなかったと自分で考えております。(勉強不足であったためであります。)

そこで、少しでも疑問を払拭すべく今日の話題とします。

各々の臨床試験には、エンドポイントと統計学的考察があります。

エンドポイントとは、何を持って試験の評価とするかです。
よく用いられるのが、全生存期間や無増悪生存期間(再発しなかった期間)、奏効率(大きさが半分以下になった割合)です。

これは、わかりやすいですね。

統計学的考察とは、『A群の治療(標準治療)とB群の治療(新しい治療)があって、A群の治療なら全生存期間の中央値が8ヵ月である場合にB群の治療がそれを1.5倍上回るかどうかを検出する優劣性試験とする。』

ちなみに、優れていることを確認する優劣性試験と劣らないことを確認する非劣性試験とがあります。

上の『』の中の仮定を証明するために例えば有意水準5%、検出率80%で必要症例数を求めると一つの群の必要症例数が○○例と出てきます。それに、脱落、追跡不能症例を想定して試験に何人参加してもらうかを決定します。

有意水準5%とは上の例で言うと
『実際にはB群が優れた治療でない。』
しかし
『B群が優れているとの試験結果となる。』
この割合が5%以下と言うことです。

検出率80%とは上の例で言うと
『実際には、B群が優れている。』
『B群が優れているとの試験結果となる。』
この割合が80%以上と言うことです。

難しいですね。統計学ですから。おそらく、間違ったことは書いてないつもりですが、もし、間違いがありましたらご指摘ください。

ようするにA群とB群に明らかな差がある群を比べるのなら必要症例数は少なくてもいいんです。あんまり、差がなければ多くの症例が必要です。

また、試験にはデータセンターがあり、データマネージャーを置き、倫理委員会などの監視も入り厳密な管理の元行われています。

中間解析などもあり、そこで試験が中止になることもあります。重篤な副作用がでたら、試験の登録が中断され安全性が確認できるまでストップします。

起こった、副作用もすべてチェックされ(例えば風邪を引いて熱を出しただけでも)主治医が試験薬と①関係あり②おそらく関係あり③関係ないとは言えない④関係ないなど判定させられます。

それ以前のことはわかりませんが、少なくとも最近10年はきっちり行われています。

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現在はこのように、厳密な管理の元に試験が行われており信頼するに値するものだと言うことをご理解ください。




いや~、臨床試験って本当に難しいし、ややこしいですよ。


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臨床試験の現実 
2008/10/12 Sun 12:16
『臨床試験とは』のエントリーではっとするようなコメントをいただきました。

このようなギャップをなくそうとブログを書いているのでコメントの返事をエントリーにあげたいと思います。

こんな事に気付かせてくれたコメンテーターに感謝です。




>>他に合併症がない患者さんのことです。

臨床試験を希望される患者さんは、現行の抗がん剤で効果が無い人 とかが受けると思ってました。
今の治療に効果がある、現状維持、等の場合でも対象になるのですか?

効果がない場合は、何かしら体にも影響が出てきている状態と思うのですが、
合併症とはがん以外の病気を持っているということですか?
それともがんの治療以後にでた症状の事でしょうか?
どんな状態の事をいうのでしょうか? まだまだ知らない事だらけです。

>>臨床試験は、参加する患者さんのためのものではなくて、5年後の同じ病気の患者さんのために行われているものです。

>頭をが~んと殴られたような気持ちです。
患者にとっては新薬を試せるので一石二鳥なんだと思ってました。
臨床試験に参加する患者のメリットは治療費の事だけですか?




まず、臨床試験は新しい薬、よりよい治療を見いだすために行われます。

なので、一般的な患者さんを対象とします。

例えば、肝機能障害が強い患者さんは対象となりません。
やはり、一般の方より副作用が強く出る可能性がありますし、その副作用が出たからといって一般の方に当てはめにくいのです。

年齢の上限もあります。(中には、高齢者の標準治療を決めるためにエントリーの基準がある年齢以上というような試験もありますが。)

『他に合併症がない患者さんです。』の答えになりましたよね。

臨床試験は、新たな標準治療を作り出すものです。

初回治療の標準を決めるには、今まで治療をした患者さんでは不適当ですよね。当然ながら。 

なので、初回治療(未治療)の患者さんだけで試験をします。 

治療後再発の標準治療を決める試験ならば、治療して再発した患者さんばっかりで試験をします。

現状維持の期間を延ばすと思われる治療であれば、現状維持の患者さんが対象になりますよね。

>>臨床試験は、参加する患者さんのためのものではなくて、5年後の同じ病気の患者さんのために行われているものです

上記の内容を読んでいただければある程度理解できると思いますが、臨床試験で主なものは「今の標準治療よりも優れているかどうかを見る試験」と「今の標準治療と同じ効果で副作用が少ないかどうかを見る試験」です。

ですので、本当にいいかどうかは、試験の結果が出ないことにはわからないのです。

はっきりといい結果がでれば、結果が出た後に標準治療として認められます。

試験に参加される患者さんは、標準的な治療群化より効果の高そうな治療群(もしくは、同じくらいの効果で副作用が少なそうな治療群)のどちらかにランダムに振り分けられます。

ね、メリットないでしょう。

考え得るよい治療が受けられる確率はだいたい50%。
ただし、本当にいいかどうかは不明。もしかしたら、副作用が強すぎてよくないかも知れない。

でも、本当に良い治療かも知れない。

なんとなく良さそうな気はしますけどね。

採血や検査の日程が厳しかったり、デメリットもありますよ。

まあ、金銭的にはメリットがある試験が多いですけどね。 
 
 
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もし、その50%に入れなくても標準治療は受けられますからね。

わからないことあったらまた、質問してください。

出来る限りお答えしたいと思います。

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タグ : 臨床試験

チームオンコロジー 
2008/10/10 Fri 13:07
『チームオンコロジー』って知っていますか?

チームオンコロジー.Comは、こちらをクリックすれば見れます。

http://www.teamoncology.com/

簡単に言うと。M.D.アンダーソンがんセンターが中心となってがんのチーム医療を広めていきましょうと言うような主旨です。




チーム医療をひとことで説明するのはとても難しいのですが、基本はコミュニケーションです。
M.D.アンダーソンがんセンターでは約30年前からチーム医療への取り組みが始まり、試行錯誤しながら現在のかたちになったという経緯があります。
しかし、現在のかたちも通過点にすぎず、今後も進化は続き、決してひとつのかたちに止まることはないのです。

(中略)

このWebでM.D.アンダーソンがんセンターのチーム医療を紹介することにより、日本独自のチーム医療体制が築かれることを期待しています。(引用終わり)




短い言葉で非常によくまとまっていると思います。
もう少し具体的に紹介すると、チームは、3つのグループに分かれます。

チームA:患者さんと医療の面で直接関わり、医療における問題を解決する職種で、医師、看護師、薬剤師、放射線技師、栄養士などです。

チームB:臨床心理士、ソーシャルワーカー、宗教家、音楽・絵画療法士、アロマセラピーといった、患者の精神生活上のニーズをサポートする人たちです。

チームC:チームA、チームBを囲み、ご家族、友人、研究者、製薬メーカー、メディア、政府といった関係の人々です。直接的に患者さんを治療しているわけではありませんが、いろいろな形で包括的なサポートをします。

以前から、直接医療にかかわる職種(チームA)とそうでない職種(チームB)とに分かれることは感じていましたが、チームCまでチーム医療に入るとは想像しませんでした。

ただ、これらの3つのチームがよいコミュニケーションをとれるようになって患者さんに最高の医療を提供できるのではないでしょうか?

もちろん、国や地域、病院によって出来ることは違ってきます。
しかし、チームに加わる人間(患者さんや家族を含む。)がこの考えを知っているか知っていないかで大きな差が出てくると思います。


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チームAとチームBの存在の違いはなんとなく理解していました。
チームCもチームBの一部だと考えていました。
もちろん、チームCの中に製薬会社が入るとは思いにもよりませんでした。

しかも、この概念のいいところは国や地域によって柔軟であることです。
その地域にあわせたチームオンコロジーを作っていくことをめざしています。

主旨に大賛成です。

ポイントだけ知りたい方は、准教授の上野 直人先生のコラムを読んでみてください。
vol.1vol.2

M.D.Anderson准教授の上野先生の本はこちらから購入できます。
『最高の医療をうけるための患者学』



もちろん、患者さん自身の積極的な医療への参加も大切なことです。

2008/10/09 Thu 13:15
肺がんには、大きく分けて小細胞がんと非小細胞肺がんに分けられます。

その理由は、治療方針が異なるからです。

ちなみに、肺がんの種類には頻度の高いものから腺がん、扁平上皮がん、小細胞がん、大細胞がん、その他となります。

昔も今も標準的な治療は、小細胞がんと非小細胞がんで違います。

ただ、非小細胞肺がんの治療は同じです。

その中に、腺がん、扁平上皮がんなどあるにもかかわらず。

ちなみに大細胞がんは、肺癌のうち約5%を占めるだけですので割愛させて頂きます。(大細胞がん、ごめんなさい。)

今まで、腺がんと扁平上皮がんは同じ治療だったのですがもしかしたら、将来的に標準治療がかわるかもしれません。

まず、理由のひとつは、分子標的薬であるベバシズマブ(アバスチン)が標準治療であるカルボプラチン+パクリタキセル(タキソール)へ追加することにより上乗せ効果があることがわかりました。

ただし、扁平上皮がんは、喀血(肺からの出血)で命を落とす人が多かったため上乗せ効果はなさそうだったためキチンとは調べられていません。

ベバシズマブを扁平上皮がんに追加するメリットよりデメリットの方が高いと考えられたために、扁平上皮がんは、第3相試験から外されたのです。

最近、また面白い論文が出てきました。

今は、悪性中皮腫の標準治療薬となったペメトレキセド(アリムタ)です。

非小細胞肺がんに対してシスプラチンとペメトレキセド(アリムタ)を併用する試験が行われ結果が発表されました。

その結果としては、まあ今の標準治療のひとつとしても悪くないかなって程度の結果なのですが。。。

その内容を詳しく見てみると、扁平上皮がんならあまり成績がよくないのです。

腺がんなどでは、成績が比較的よいのです。

・・・・

と言うことは、腺がんに対して、シスプラチン+ペメトレキセド(アリムタ)+ベバシズマブ(アバスチン)を併用するような治療を行えば、、、、すんごい効果が出るのではなかろうかと考えてみたりするのです。

現実は、そんなに思った通りにはいかないのもでどんなことが起こるかわかりませんがね。

その現実問題のひとつがめちゃくちゃ高価な治療になることです。

どんだけ高価かというと
カルボプラチン+パクリタキセル:約10から15万円
シスプラチン+アリムタ:約35から40万円(ほとんどアリムタ代)
シスプラチン+アリムタ+アバスチン:70から90万円

約1ヵ月の薬代だけですよ。

4回の治療をすれば約4ヵ月でこの4倍ですよ。

恐ろしいですね。

治る治療なら価値がありますけど。

数ヶ月の延命のための治療だとしたらやってられないような。。。

やっぱり、標準治療とはならないでしょうね。

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しかし、ゲフィチニブ(イレッサ)やエルロチニブ(タルセバ)も扁平上皮がんには、効きにくいのに。

扁平上皮がんは、最近置いてきぼりで可哀想な気がします。

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タグ : アリムタ アバスチン

ギアチェンジ 
2008/10/08 Wed 12:02
m3のブログに去年の8月12日にエントリーした記事です。



悪性疾患の患者さんで治癒しない場合、ギアチェンジが必要となるときが来ます。

ギアチェンジとは何かご存じですか?

今まで行ってきたがんに対する積極的な治療(手術や抗癌剤や放射線治療などの根本からがんを治す治療)をやめて、緩和医療のみへと移行する事です。

患者さん本人、家族そして、主治医にとっても非常につらい事です。

昔は、本人に病名を伝える事が出来なくてニセの病名(肺癌であれば肺化膿症や肺真菌症、放っておいたらがんになるとか)で抗癌剤治療をしている時代がありました。(私の研修医時代が最期ぐらいでないでしょうか。)
そして、今では悪性腫瘍も病名を告知する事が日本でも一般的となりました。

今は、ギアチェンジをどううまく伝えるかが問題になるのではないでしょうか?つらいけど、必要な事なんです。

ギアチェンジを伝えないとどうなるか?
患者さんはもちろん、積極的な抗癌剤治療などを希望される事が多いです。
希望されても治療効果による延命のメリットよりも副作用によるデメリットの方が大きいと考えられるのでギアチェンジが必要なのです。

きっちりと伝えないと医師としては、少量の効くはずもない量の抗癌剤治療(もちろん、副作用もほどんど起こらない。)を使う場合もあります。

そんな治療にどんな意味があるのでしょうか?
無駄な事だと思いませんか?
そんな治療するくらいならもっと有意義に時間を過ごした方がいいんじゃないでしょうか?

本当は、実際に患者さんに伝える時の話しを書こうと思い書き始めました。しかし、難しすぎて全然すすみませんでした。

また、書けるように成長しましたら綴りたいと思います。

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http://blog.m3.com/yosshi/20070812/1#comments

この記事もコメント欄大にぎわいでした。
一度見て欲しいと思います。

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高齢者の抗がん剤治療 
2008/10/07 Tue 12:35
m3に去年の10月16日にエントリーした記事です。




小ネタ続きだったんで今日は、小ネタでないものを。

高齢者の治療はいつも考えさせられます。
ここでは、いつものように、高齢者肺がんについての話しです。

さて、高齢者の定義は何でしょうか?

1999年に70歳以上を対象とした臨床試験で1種類での薬剤で治療した群が、無治療の群より生存期間の延長とQOLの改善を認めた。
と言う内容の論文が発表されました。

この論文は、肺がん領域で高齢者を対象にして抗がん剤治療がいいとの結論がでた非常に有名なものです。

ここで、疑問があります。70歳以上が高齢者なのでしょうか?
今の、日本社会、70歳でも高齢者と言うにはあまりにも元気な方がたくさんいらっしゃいます。

一般的に、抗がん剤治療の適応を決めるのは、年齢、全身状態(見た目のこと)、合併症、臓器障害などです。

上記の臨床試験も、年齢は70歳以上なのですが、全身状態が比較的いい患者さんで、臓器障害、合併症がほとんど問題にならない患者さんばかりを登録して試験を行っています。

じゃあ、75歳以上で臨床試験をすればいいのか?
75歳でも若く見える人はどうする?

80歳以上の臨床試験?
登録できるかんじゃさん自体が少なすぎないか?臨床試験として成り立たない?

全身状態の悪い人だけで臨床試験する?

ちなみに、全身状態の指標はPS(Performance Status)であらわします。
PS0:無症状、1:軽度の症状があるが軽労働はできる。(家事、事務など)
2:歩行や身の回りの事ならできるが、時に介助がいる事もある。
3:身の回りの事はある程度できるが、しばしば介助が必要、日中の50%以上は就床している。
4:終日就床を必要とする。

PS3、4の人に抗がん剤を使用するのは倫理的に難しいですよね。しかも、判断にかなり主観が入りますよね。

ある臨床試験では、PS、臓器障害より年齢の方が延命効果に寄与したとの報告もあるようです。

どんなに考えても高齢者の標準治療ってものはなさそうです。
個々に主治医が判断するしかないなって思います。


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ちなみに、それ以後も高齢者には全身状態がよければ抗がん剤治療をした方がいいとの論文が出ています。

ガイドライン上は、

75歳未満で全身状態が良好な患者(PS0、1)に化学療法を行うよう強く勧められる。(グレードA)

75歳以上でも全身状態が良好な患者(PS0、1)に化学療法を行うよう勧められる。(グレードB)

となっております。



最終的には、ご本人さんの意志が大切なんですけど。

家族の方の意志と異なる事があるのでさらに、難しいですね。

高齢者ほど、治療関連死のリスクは高いですしね。




高齢者って言っても人それぞれ全然違いますからね。

この分野でのホントの意味でのエビデンスなんて出てこないんでしょうね。

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腫瘍マーカーの話し 
2008/10/06 Mon 12:10
以前、ブログでこんな質問を頂きました。

>>肺がんに関する質問ですが同じステージ?患者でもCEAが15のひともいれば200の人もいますがなぜですか?

>>高い程死期が早いのでしょうか?

>>肺がんで一番重要な数値は何でしょうか?

さて、腫瘍マーカーとは何でしょうか?

簡単に言います。
腫瘍ができると、健康なときにはほとんど見られない特殊な物質が大量につくらます。
この物質を『腫瘍マーカー』といいます。

肺がんならCEA、SCC、CYFRA、proGRP、NSEなどが有名です。
腺がんは、CEAが上昇しやすく、扁平上皮がんは、SCCやCYFRAが陽性になりやすい。
小細胞がんは、proGRPやNSEがあがりやすいとがんのタイプによって上昇しやすい腫瘍マーカーは違いますが、必ずしもあてはまらないこともあります。

腫瘍マーカーの利用法は何でしょうか?

考えられるものとしては、スクリーニングや治療効果の判定と再発予測などがあります。

ただし、健診においてスクリーニングとして使用に耐えうる腫瘍マーカーはほとんどありません。
前立腺癌のPSAぐらいでしょうか。(PSAさえ否定的な意見もあります。)

ここで、大事なことは、腫瘍マーカーが陽性だからといって必ずがんがあるわけではない。
また、反対に陰性だからといって完全にがんが否定できるわけではありません。

例えば、肺に強い炎症のある場合(肺炎やびまん性肺疾患など)は、腫瘍マーカーは、高値を示すことが多いのです。
CEAなどは、喫煙者は非喫煙者と比べて高い値を示しますし、CA19-9などは、膵臓の炎症でかなり高い値を示すことがあります。
しかも、がんの早期には正常範囲内であることが多いです。

ですので、スクリーニングとして使用しますが、あまり信頼性はありません。

腫瘍マーカー値の上昇はがんの進展に比例することが多く、治療効果の判定や再発の予見には有用であることが多いです。(腫瘍マーカーだけが再上昇して画像では異常がないこともままあります。)

だいぶ、腫瘍マーカーのことが理解できたのではないでしょうか?
でも、上の質問には答えられないですね。

基本的に腫瘍マーカーの上昇は腫瘍の量を比例すると考えられます。
これは、同じ腫瘍において言えるわけであって腫瘍マーカーを他人と比較することは全く意味のないことです。

同じ肺腺がんであってもCEAが1000を超える人もお亡くなりになる直前まで全く正常範囲内の人もいます。

この差は何か?

おそらく、少しの腫瘍量でCEAをたくさん作る性質の腫瘍と多い腫瘍量でもほとんど作らない性質の腫瘍とのちがいです。

簡単に言うとがんの個性なのです。

だから、他人の腫瘍マーカーと比べても仕方がないのです。
腫瘍マーカーの値が1万を超えたら死ぬ。なんてことはありません。

10で死ぬ人もいれば100で死ぬ人、1万でもまだまだ元気な人もいます。

腫瘍マーカーは、治療効果の判定や再発の予見には有用です。(有用でない人もいますけど。)

ただ、腫瘍マーカーの値が1割あがった、さがったと言うのはあまり意味のないことです。
半分になった、2倍になったと言うのは意味があると思いますけど。

これで、上ふたつの質問の答えになりましたよね。


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国立がんセンターの腫瘍マーカー解説ページです。



最後の質問ですが、肺がんで1番大切な数字は特にないと思います。

1番大切なものは、数字なんかより、症状です。
症状なく日常生活が送れていることが大切だと思います。


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タグ : 腫瘍マーカー

MRさん 
2008/10/05 Sun 10:58
MRって言葉を聞いたことがありますか?

医療関係者なら聞いたことがありますよね。

そうでなければ、初めて聞く言葉かも知れません。

MRとは、Medical Representativeの略で日本語で医薬情報担当者と言います。

昔は、プロパーと言ってました。

接待攻勢などもあり、薬の説明会と言って一人1万円以上するような料理を食べに行ったり、そのあと北新地などの高級クラブなどに行く事も普通だったようです。

残念ながら、私が医者になった頃から自主規制が強くなり接待攻勢などはなかったですけどね。

ただ、私立の病院などではまだあったそうですけど。

そんな事があったりして、規制が強くなったんですけど。

医者になったときは、上の先生から抗生剤は○○を使うようにとかいわれるとか思ったりもしていたのですが、幸い、薬の銘柄を特定されるようなことはなかったです。

今まで自分で考えて一番良いと思う薬を使って診療にあたってきました。

当たり前のことですけどね。

MRの目的は、

医薬品の適正使用のための情報の提供・収集・伝達(社会的使命)
自社医薬品の普及(企業の営業パーソンとしての役割と使命)
が主な使命です。

まあ、そんな流れがあってMR制度が誕生しました。

国家資格ではないですけど、合格率も80%代であり勉強しなければ落ちるようです。

私がMRさんに期待するのは、やはり、欲しいのは薬の情報ですよね。

特に、副作用の情報ですよね。

もちろん、自社の薬の宣伝も大切なMRの仕事だと思いますが、あまりに無理矢理な宣伝だと逆効果ですよ。

あのMRさんは、必要以上に自社製品の宣伝をすると思いこんだら内をいっても信じなくなりますからね。

自社の薬でも実はこんなところが少し弱いんですけどとか弱いところもちゃんというMRさんなら、信じちゃいますよね。

私は、高血圧や糖尿病、高脂血症などの薬などに知識はあまりないので、MRさんからの情報が大きな割合を占めます。

専門分野は、新薬のすすみ具合とかそんな話が聞きたいですね。

MRさんについてつれづれに書き綴ってみました。

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そう言えば最近、女性のMRさん増えてきました。

多い日は半数が女性である日もありますね。

接待がなくなった事とも関係あるんでしょうね。

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薬の名前 
2008/10/03 Fri 11:43
人の名前と同じように薬にも名前があります。

人の名前と違うところは名前がふたつあることです。

ひとつは、一般名といわれて薬の主成分の名前です。

もうひとつは、商品名です。

ですので、複数の会社から発売されている薬は、複数の商品名を持つわけです。

例えば、よく使われる解熱鎮痛薬に『ロキソニン』という薬があります。

一般名は『ロキソプロフェン』と言います。

ロキソプロフェンのジェネリック医薬品の商品名として調べてみたら驚くほどたくさんありました。

例えば
ウナスチン
オロロックス
カンファタニン
ケンタン
コバロキニン
シラブル
スリノフェン
ツルメリン
レトラック
ロキソート
ロキソマリン
ロキフェン
ロキソプロフェン
ロキフラン
ロキプロナール
ロキペイン
ロゼオール
ロルフェナミン
リンゲリーズ

ざっと見ただけでこんだけ出てきました。

ここで、ロキがつく商品名が圧倒的に多いですね。

全部のロキがついていたらまだわかりやすいのですけどね。

ロキペインなどは、ロキに痛み(ペイン)を足して商品名にしたみたいな感じです。

あと、会社名を商品名に加えることも多いようです。

有名な薬ではタケプロンといい胃潰瘍などに使われる薬があります。

これは、武田さんがつくったプロトンポンプ阻害剤だからでしょう。

他にも、アバンって承認取り消しになったお薬の名前の由来は「かるい、ばんねん」から名付けたと噂で聞きました。

もう、ずいぶん昔のことですけどね。

商品名は会社がつけることが出来るので仕方がないのですが、にた名前だと困る(間違いやすい)事があります。

抗がん剤でもあります。

一般名が『パクリタキセル』である抗がん剤は、商品名を『タキソール』といいます。

一方、『ドセタキセル』の商品名は、『タキソテール』と言います。

両方ともタキサン系(一般名の後ろにタキセルとついてますよね。)と言われ作用も似ているのですが、用量が違うので間違えると非常に困るのです。

タキソテールの方があとから発売されたのでもう少し考えて商品名をつけて欲しかったですね。

医者の立場からすると簡単な名前(あまり長くない)が覚えやすくていいですよ。

カルテや処方箋にも手書きするときに楽ですしね。

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製薬会社、MRの方へ

研修医など若い先生に胃薬や鎮痛剤、眠剤などどの科でも使う薬の名前を覚えてもらった方がいいですよ。

若い時に頭に染みついた名前はなかなか忘れませんから一生使ってくれるかも知れませんよ。

『すりこみ』ってやつですね。

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タグ : ネーミング

がんを治療しないと 
2008/10/02 Thu 12:36
以前、ある方からがんを治療しないとどうなるのかわからない。とのコメントを頂きました。

その方は、がんに対する積極的な治療を望まないようです。

『がんに対する積極的な治療を望まない。』と言う選択にたどりつくには、積極的な治療をしなかった場合どうなるかを十分理解した上でたどり着いて欲しいと思います。
そうでなければ、ただ単に怖いから積極的な治療を望まないのと同じです。

がんに対する治療は、積極的な治療(根治的な治療、治すための治療)とそうでない治療(姑息的な治療、緩和医療、対症療法)などがあります。

その方の不安の一つは、治る見込みがないのに点滴をされたりその他のチューブを使用したりされる事がイヤなようです。

今の医療は、何事も説明と同意がなければ進む事は出来ません。ですので、その方のような心配は不要かと思われます。

さて、本題ですが、がんを治療しないとどうなるか?

どうなるかは、個人個人差がありすぎてわかりません。

答えになってませんよね。
でも、これが正解です。


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まず、どんながんかによって出る症状は違います。

肺がんなら息切れ、咳など。
胃がんや大腸がんなら、便秘やむかつき、嘔吐など。
血液系のがんなら発熱や感染症の症状、血が止まりにくいなど。

骨転移をしたら痛みを伴うことが多い。
脳転移したら脳梗塞のような症状を呈することが多い。

などなど、差がありすぎてなんて答えていいかわかんないですよね。

しかも、同じがんでも症状は人それぞれです。

肺がんの患者さんでも最期、がん性疼痛と全身倦怠感、呼吸困難感で非常につらい思いをする患者さんがいるかと思えばまったく自覚症状が無くてお昼ご飯も普通に食べてそして、夕方くらいに眠るように息を引き取った患者さんもいらっしゃいました。

がんを治療しないとどうなるかの答えになったでしょうか?



呼吸困難や全身倦怠感はなかなか取り除くことができません。
ですので、鎮静をかけて(薬で眠ってもらって)取り除いたりもします。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

2008/10/01 Wed 13:07
予定では、今日が最終回です。

骨へ転移すると痛みが出ることが多いです。

ただ、痛みを伴わないこともあります。

痛みがでない骨への転移は、負荷のかかりやすい場所かどうかと神経を圧迫しやすいかで放射線治療を行うかどうかを決めます。

肋骨などの転移は、痛みがなければ放射線をあてることはあまりありません。

脊椎の骨の場合は、脊椎の後ろに大切な神経が走っています。

今後、骨折が予想される場合や、神経圧迫が予想される場合は放射線治療を行います。

神経が圧迫されると、圧迫された部位が支配しているよりしたが両側麻痺します。

例えば、両足が動かない。

とか、

臍からしたの感覚がない。

みたいな症状です。

悲しいことですが、膀胱直腸障害といって便意が尿意がわからない状態なることがあります。

もし、起こってしまったら非常に悲劇的です。

若い方などは耐え難いものがあると思います。

あとは、大腿骨の付け根とかは、折れやすいので注意が必要ですよね。

また、多発性に骨転移があったりすると血中のカルシウム濃度が上がったりします。

カルシウム濃度が上がりすぎると、意識がなくなったり、けいれんしたり、腎機能傷害を引き起こしたりします。

カルシウムを下げる薬を使ったりします。
他にも、腫瘍細胞がいろんなホルモンを産生することがあります。

ADHと言われる抗利尿ホルモンをたくさん出して血中のナトリウム濃度が下がり意識レベルが低下することがあります。

PTHrPなるホルモンを産生してカルシウム濃度があがることがあります。(骨転移の時と同じですね。)

また、血小板や白血球の数が異常に増えたり(おそらく、そう言ったモノを増やすホルモンが腫瘍で産生されていると思われます。)

あと、神経に対する抗体(自分で自分の体をやっつけるもの)をつくって、筋力低下を引き起こしたりすることがあります。

ただし、腫瘍によるホルモン症状が出現する頻度は低いです。

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