~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
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2008年11月 
2008/11/30 Sun 15:08
CATEGORY【目次】
もう、11月が終わりです。

今年もあと1ヵ月となりました。

いろいろありましたね。

福島の判決が一番大きな出来事でしょうか?

最近では、首相の認識の甘さ(知識のなさ)が問題となっていますね。

このブログも記事数が300を超えました。

さて、いつまで続けられるでしょうか?

では、目次に。

『2008年10月』   11月1日

『看護師副院長』   11月2日

『人生いろいろ(告知に際して)』   11月3日

『ななのつぶやき。進化系』   11月4日

『人生いろいろ(身寄りがない)』   11月5日

『どろなわ』   11月6日

『お見送り』   11月7日

『人生いろいろ(何もしないで)』   11月8日

『アスベストと肺がん』   11月9日

『人生いろいろ(何とかして)』   11月10日

『国立のセンター』   11月11日

『人生いろいろ(口の悪い姉)』   11月12日

『中央の病院』   11月13日

『人生いろいろ(楽しい入院生活1)』   11月14日

『がんのセンター』   11月15日

『人生いろいろ(楽しい入院生活2)』   11月16日

『看護師外来』   11月17日

『人生いろいろ(楽しい入院生活3)』   11月18日

『センターの今後』   11月19日

『人生いろいろ(逃げないで)』   11月20日

『いろんなお見送り』   11月21日

『人生いろいろ(おれは、治るんや)』   11月23日

『有害事象と副作用』   11月24日

『人生いろいろ(せめないで)』   11月25日

『DHMO』   11月26日

『人生いろいろ(文句たれ)』   11月27日

『絶食と抗がん剤』   11月28日

『人生いろいろ(マジメすぎたEさん)』   11月29日


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テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

2008/11/29 Sat 12:14
m3に去年の11月16日17日18日と3日に分けてエントリーした記事です。




もうずいぶん前の事です。

Eさんは、肺に影があるかたと当院に紹介されてきました。

その後、肺癌である事がわかり、抗がん剤治療を行いましたがしばらく経って再発がわかりました。

Eさんは、化学系の研究者でした。過去形なのはもう引退していたからです。
ですので、物事を非常に理論的に考えられます。

しかも、頑張りやさんです。

再発後の治療も頑張ってうけられました。

治療の合間には、スペイン語の本を読んでいます。

話しをしてみると、自分の頭を鍛えるためにとの事。
今までスペインに留学したとかの経験はなく、勉強が好きだからその一環でスペイン語も習いたいとの事でした。

また、理論的な化学者であるEさんは、人間の体は理論的でない事も十分に理解されました。
人間の体は個人個人同じでないと言う事も十分理解されていました。

肺癌についても非常に勉強されいろいろ質問されました。

それに対し、出来るだけの返事はしたつもりです。

おそらく、研修医の先生よりもは肺癌について詳しくなっていたと思います。

当然、今後自分がどうなるのかも理解されていました。
もしかしたら、その不安を消すために一生懸命自分が知らない事を勉強したりしたのではないでしょうか。

残念ながら、肝臓への多発転移を認めました。
さらに、Eさんの胸には水がたまってきました。

それまでは、自覚症状もなく見た目は元気でしたが、徐々に食事が取れなくなってきてさらに、息苦しさも出てきました。

Eさんと相談しました。

一般的に今の息苦しさを取るには外から胸水を抜くために管をいれて胸水をたまりにくくする薬を管を通していれてたまりにくくするのが標準的なんですけど。(胸膜癒着です。)

今のEさんの体力を考えると、管を入れないで比較的細い針でペットボトル1本程度抜いてみる方法がいいんじゃないですか。

ただし、すぐにたまって息苦しくなるかも知れませんが。

また、息苦しさを取るだけならモルヒネを使う事によって息苦しさは感じにくくなりますけど、根本的な解決ではないですね。

1時間くらいEさんと話しをしました。

Eさんは、今後の方針をどうするか考えていました。

つづく。

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肺がんが増悪して、胸水がたまり、息苦しくなってきました。食欲もかなり落ちてきています。

今後の治療方針をEさんと相談しました。

一般的に今の息苦しさを取るには外から胸水を抜くために管をいれて胸水をたまりにくくする薬を管を通していれてたまらないようにするのが標準的なんですけど。

今のEさんの体力を考えると、管を入れないで比較的細い針でペットボトル1本程度抜いてみる方法がいいんじゃないですか。

ただし、すぐにたまって息苦しくなるかも知れませんが。

また、息苦しさを取るだけならモルヒネを使う事によって息苦しさは感じにくくなりますけど、根本的な解決ではないですね。

1時間くらいEさんと話しをしました。

いろいろ考えたあげくEさんは、管を入れる方法を選択しました。

翌日に管をいれました。

薬の効果を出すためには胸水を出来るだけ少なくした状態で、水がたまりにくくする薬(抗がん剤など)を入れないといけません。

結局、管を入れた後、水がほぼなくなるまで1週間近くかかりました。

その間に、Eさんの体力はさらに落ちていました。

再度、Eさんと相談です。

『Eさん、管を入れる前より体力が明らかに落ちています。それは、Eさん自身もわかられていると思いますが。ですので、薬を入れないのも一つの選択だと思います。

薬を入れると一時的にしんどさが増す事はよくあります。

管を抜いて息苦しさが再び出たら息苦しさを取るような薬を使う方向が今のEさんの状況を考えたらベターではないかと思います。』

Eさんは、再び悩みました。今までも治療のポイントポイントで悩まれましたが。
今までのどの選択よりも悩まれています。
当然と言えば当然なのですが。

つづく。




肺がんが増悪して、胸水がたまり、息苦しくなってきました。食欲もかなり落ちてきています。

胸腔に管を入れたのですが、その間にさらに倦怠感が強くなってきており、水をたまりにくくする処置をするのがEさんにとって負担となりそうです。

実は、Eさん、今まで主治医のおすすめの治療をずっと選択されてきました。
ですので今回もそうされるものだと思っていました。

しかし、Eさんの口からは、
『先生、明日薬を入れてください。確かに体力が落ちている事は自分でもわかります。
でも、薬を入れる方法が一番いいように思うのです。
メリットもデメリットも十分理解しています。お願いします。』

Eさんが決めた事です。おそらく十分に考えた末に出した結論です。

『わかりました。じゃあ、明日しましょう。しんどいけど頑張りましょうね。』としか言えません。

薬を入れた後に薬を胸腔内(肺全体に)に十分行き渡らせるために、体の向きを30分おきにかえないといけません。

上向き、右向き、うつ伏せ、左向きって具合に。
意外とこれがしんどいのです。

Eさんは、自分の決めた事なので頑張っています。

各々の向きの時間が決められています。

マジメで頑張りやさんのEさんは、トイレに行った時間、しんどくて休憩してた時間は、タイマーを止めています。

普通ならゆうに終わっている時間なのに頑張っています。

『Eさん、もうそんなに頑張らんでいいじゃないですか?』

『いえいえ、きっちりしないと自分の中でのする意味がないもので。』

Eさんの頑張りもあってか翌日より胸水はほとんど出なくなりました。

Eさんは、非常に満足そうでした。

『では、レントゲンでよかったら、明日管を抜きましょうか?』

『はい、そうしてください。』

管を抜く日がやってきました。レントゲンもOKでした。
そして、管を抜きました。

Eさんは、嬉しそうでした。
でも、本当にしんどそうでした。

その日の夜、Eさんは永遠の眠りにつきました。

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Eさんは、最期の力を振り絞って頑張ったようです。

Eさんの希望を叶える事も大事です。しかし、なんだかやりきれない思いも残ったのでした。

Eさんのご冥福をお祈り申し上げます。




引張り過ぎとのおしかりを受けました。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

絶食と抗がん剤 
2008/11/28 Fri 13:25
少し古い記事ですが、こんな記事がありました。

『癌(がん)化学療法前の絶食が正常細胞を副作用から守る』(魚拓)

絶食によりカロリーを制限すれば、細胞増殖を送らせ、ストレス抵抗性を増強するそうです。

飢餓状態を模倣するよう遺伝子操作した酵母において、ストレスに対する防御が得られることが示された。その後、ヒトおよびラットの癌細胞および正常細胞でブドウ糖欠損を誘発したところ、正常細胞は毒性物質から保護され、癌細胞は保護されないことがわかった。

なるほど、抗がん剤治療をする際に、正常な細胞を飢餓状態にしていれば副作用が減るかも知れないってことですよね。

場合によっては、抗がん剤の量を増やしても安全に治療できるかも知れないんですね。

もし、本当なら素晴らしいことです。

実際にマウスではうまくいったよですからね。

ヒトを対象にした試験もはじまっているそうです。

はたして、よい結果でるのでしょうか?

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マウスの結果でヒトに対する反応を予想することはできますが、あてはまるかどうかは別問題なのできちんと臨床試験で検証して効果があるかどうかを確認しなければなりません。

ビタミンCの話しもそうですよね。



テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

2008/11/27 Thu 12:05
もうずいぶん前のことです。

Mさんは、重度の糖尿病でした。

そして、肺に膿がたまった状態で入院してきました。

家族の話では、入院するまで好き勝手な人生を送っていたようです。

朝から、酒を飲んでいたそうです。

もちろん、糖尿の治療なんかしたことはありません。

医者からは何度もちゃんと治療しないとダメだといわれていたようですが。。。

Mさんは、腎臓も悪く、視力も落ちています。

糖尿のコントロールが悪すぎるからです。

さすがにしんどいのか入院してからは、こちらのいうようにきちんと薬を飲んでくれるし、点滴や注射もいやがりません。

Mさんが入院して1週間は過ぎたでしょうか。

Mさんは、徐々に元気になってきました。

元気になってくれるのは良いことなのですが、だんだんとMさんの悪い一面が見えてきます。

『メシがまずい!何とかしろ。』

と言ってききません。

とうとう、給食の責任者が出ていきましたが、

『こんな、まずいメシ食われへん。人間の食うもんとちゃうやろ!』

などと言います。

260円で作っているので、良い素材を使えないのは当たり前のことなのですが。

ただし、憎めないのです。

しばらくすると、

『さっきは悪いこと言うてもうたなぁ。謝ったら許してくれるかなぁ。』

などと言うのです。

しかし、突然にキレ出します。

私も被害に遭いました。

『この、ヤブ医者が、おまえがちゃんとしてくれへんから退院なかなか出けへんやないか?』などと怒鳴られます。

このときも数時間するとナースに

『先生、怒ってるかな。謝っていたって伝えてくれへん。』

などと言っているようです。

もちろん、ナースにもしょっちゅう文句を言っているようです。

そんな、Mさんも病状がよくなって退院しました。

外来では、Mさんは悪い患者ではありませんでした。

入院中のストレスがそうさせていたのでしょうか。

しばらくして、外来も1ヶ月に1回から、3ヶ月に1回となりました。

実は、Mさん外来に来たときは必ず、病棟にあがって入院していたときに働いていたナースに挨拶に行っていたのです。
 
 
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でも、入院して怒鳴られるのはイヤでしたよ。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

DHMO 
2008/11/26 Wed 12:03
ずいぶん古いネタですが。

DHMOっていう物質を知っていますか?

1990年頃から話題になっている物質です。

以下のような事実があります。

水酸と呼ばれ、酸性雨の主成分である。
温室効果を引き起こす。
重篤なやけどの原因となりうる。
地形の侵食を引き起こす。
多くの材料の腐食を進行させ、さび付かせる。
電気事故の原因となり、自動車のブレーキの効果を低下させる。
末期がん患者の悪性腫瘍から検出される。

その危険性に反して、DHMOは頻繁に用いられている:
工業用の溶媒、冷却材として用いられる
原子力発電所で用いられる
発泡スチロールの製造に用いられる
防火剤として用いられる。
各種の残酷な動物実験に用いられる
防虫剤の散布に用いられる。洗浄した後もDHMOは残留し、産物に悪影響を与える。
各種のジャンク・フードや、その他の食品に添加されている。

どうですか?

DHMO規制した方がいいと思いますか?

DHMO、何だかわかりましたか?

お気づきの方も多いと思いますが。

答えは、Dihydrogen Monoxideであり、水の事です。

全部事実です。

しかし、DHMOの印象が悪すぎるがために何とかしなければと思いこんでしまうような情報ですよね。

『DHMOに反対しよう』なるHPもありました。

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情報の選択の大切さがわかりますよね。

病気の情報も、正確な情報を仕入れるようにしてくださいね。
2008/11/25 Tue 12:00
m3に去年の10月21日と23日にエントリーした記事です。




もうずいぶん前の事です。

Dさんは還暦をすこし過ぎた男性です。
血痰が出てきたため、近くの開業医に行きました。
そこで、胸部レントゲンを撮って肺癌の疑いがあると紹介となりました。

いろいろ検査をした結果、4期の肺がんである事がわかりました。
その事を、Dさん、奥さん、娘さんに説明しました。

Dさんは、十分に落ち込んでいます。
その状況で、奥さんはDさんに

『あんた、何悪い事したん?何か悪い事せえへんかったらこんな病気になれへんやろ。日頃の行いが悪いんや。』

主治医のE先生は、一瞬固まりましたが落ち着いた声で

『奥さん、わるい事したから肺がんになったわけじゃありません。
もちろん、喫煙による可能性は十分ありますが、タバコを吸わない肺がんも増えてますし、日頃の行いが悪いからと言ってがんになるものではありません。』と説明しますが、

奥さんは
『いや、何か悪い事したんや。』とつぶやいています。

もし、日頃の行いが悪ければがんになるなら、刑務所の中はがんだらけになるよね。
など考えるのですが奥さんに責められているDさんが可哀想でなりません。

『日頃の行いが悪いからがんになった。Dさんが悪い。自業自得だ』と
奥さんはDさんを責めます。

Dさんの抗がん剤治療が始まっても奥さんは事あるたびにDさんを責め続けます。

何度か、E医師は奥さんの誤解を解こうと説明するのですが奥さんは真剣に信じています。

副作用が結構強くでて、かなりしんどそうです。
それでも、奥さんに責められています。日頃の行いが悪かったからだと。

さらなる不幸がDさんを襲います。
抗がん剤の効果がほとんど認められません。

その時に、奥さんはDさんに
『あんた、よっぽど悪い事してきたんやな。』
とつぶやきました。

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次回へ、続く。




前回は、ここで終わりにして、二日後にアップしました。

そのときのコメントが面白いです。

みんな、早く読みたいようで、、、、

http://blog.m3.com/yosshi/20071021/1#comments






では、続きをどうぞ。




『あんた、よっぽど悪い事してきたんやな。』

肺がんになって、頑張って治療したにもかかわらず、あまり効果がなく落ち込んでいるDさんに対して奥さんは

『あんた、よっぽど悪い事してきたんやな。』

という言葉を投げました。

E医師を含めてナースなど医療関係者は、Dさんに悪い事したからやないよ。奥さんがどう言っても気にせんといてくださいね。と説明するほか方法がありませんでした。

初回治療にほとんど効果を認めなかったDさんにギアチェンジを行わなければなりませんでした。
そして、Dさんは家で孫と遊ぶと言い残し退院していきました。

それから程なくDさんは家での生活がしんどくなってきたため再入院してきました。

徐々に衰えてきました。
外出するのもしんどくなってきました。

孫の運動会があるそうです。

『Dさん、頑張って外出して、お孫さんの元気な姿みてきたら。』
『いいんですか?』

Dさんは、外出に前向きです。

奥さんに話しをしてみると
『学校で倒れられたら困るからやめて欲しい。』との事。

もしかしたら、外泊、外出する最後の機会かも知れないと説得するも聞く耳を持ちません。

Dさんも奥さんがうんと言わないから、病院にいるようです。

『Dさん、行きたいんやったら奥さんにもう一度言ってみたら?』
『いや、もうここに居ますわ。』

残念ながら、Dさんは、その後外出することもなく鬼籍に入りました。

その、少し前にDさんは、E医師に

『嫁さんな、ワシの事めちゃくちゃ言いよる思たやろ。でもな先生、あれでええとこおますねん。ワシがおらんようになったら嫁がこまりますねん。ああ見えて気が小さいですねん。だから、余計ワシに強くあたりますねん。ワシは後悔してません。こんな、夫婦の関係もおますねん。先生方には、理解できへんかも知れませんけど。』

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Dさんは、奥さんとの今までの関係を病気になってつらかったときも保ったんですね。
Dさん夫婦にとっては普通の関係であったようです。



マーボーさん、正解です!すごい!




またまた、コメント大賑わいでした。

http://blog.m3.com/yosshi/20071023/1#comments

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

有害事象と副作用 
2008/11/24 Mon 11:53
CATEGORY【診療】
有害事象と副作用は、違うものだと知っていますか?

大きくは、だぶってくるので同じように考えてしまいがちですけど、実は異なるのです。

一番広い範囲を示すのが有害事象です。

有害事象とは、『薬剤の使用者に発生した医学的に好ましくない事象。因果関係の有無は問わない。』とあります。

つまり、『ある薬剤を使用している人間におこった医学的に悪いこと』です。

具体的に言うと、咳止めを飲んで便秘を起こすというような関連があるものもあれば、血圧を下げる薬を飲んでいる期間に風邪を引いて熱を出したのも有害事象に含めます。

ということは、何らかの薬剤を使用中に転んで骨折したのも有害事象です。

何となくわかってきましたか?

要するに有害事象は薬剤を使用している人に関しての問題です。

そう考えれば、副作用、わかりますよね。

これは、薬剤が中心の考え方です。

有害事象のうち薬剤との因果関係が否定できないものを副作用と言います。

因果関係が否定できないとは、薬剤と有害事象の関連を否定できないことです。

こうした、因果関係が否定できないものを調べることにより未知の副作用を見つけることが可能になります。

実は、厳密に言うと『薬物有害反応』と言います。

なぜなら、副作用とは、主作用以外の作用もさすので主作用以外の作用が好ましい場合もあるからです。

当初の目的よりも副作用の効果のために世に出た薬があります。

そうです。

バイアグラです。

有名ですよね。

もともとは、狭心症の薬として開発されたのですけどね。

これを食品にあてはめてみると。。。。

こんにゃくゼリーやもちをのどに詰めて窒息するのも有害事象であり、因果関係が否定できないので薬物有害反応となりますよね。

薬物でないので薬物有害反応とは言えませんが。。。

ということは、どんなものでも有害反応有り得るわけです。

もちろん、健康食品もそうですからね。

ただ、調べられてないだけですから。

まあ、副作用のない薬はありませんから。

でも、主作用(効果)の方が上回っているから薬として認められているんですよ。

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そう言えば、タミフル報道の時に、有害事象と副作用を理解して報道していた記事は皆無であったように記憶しています。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

2008/11/23 Sun 12:37
m3に去年の10月9日にエントリーした記事です。




もう、ずいぶん前のことです。

Aさんは、働き盛りの男性でした。

がんが見つかったとき3期の肺癌でした。
抗がん剤と放射線の治療が始まりました。

幸い副作用は強くなく、効果も抜群で腫大していた肺内リンパ節もほとんどわからなくなりました。

治療後の病期分類は2期と考えられました。

このまま、内科的治療を行う選択と思い切って手術で取ってしまう選択が考えられました。(一般的には内科的治療続行なのですが)

Aさんは、手術を希望されました。

Aさんは、最初、内科病棟に入院していたのですが、
『俺は、他の患者とは違う、絶対に治る。』
と私に言いい残して外科病棟へ転棟しました。

手術は、無事に成功したようです。

半年後、外科病棟でAさんと再開しました。脳転移で再発したそうです。
頭への放射線治療が行われていました。

Aさんは、外科の主治医とけんかをしました。
ささいな、出来事であったと思います。

そして、Aさんは私のもとへ戻ってきました。
戻ってきたときには、肝臓にも転移をしていました。

標準的な抗がん剤治療をすすめます。
Aさんは、自分は絶対治ると信じています。
嘘はつけません。
はやり、奏効率は20%前後、ただ前回非常に効果があったからもっと効く可能性が高いはずです。と説明しました。
Aさんは、奏効率が20%程度なのが納得できません。

イレッサもすすめてみます。
Aさんには、3%弱の治療関連死が受け入れられません。

どこからか、パンフレットを取り出しました。
免疫療法のパンフレットです。

1回30万円、5回以上受けないと効果がないような事が書いてあります。Aさんは、これに賭けたい。

標準治療が終わってから考えたらいい。お金もかかるし。と説明するのですが、聞く耳を持っていません。

免疫療法の施設に紹介状を書きました。
Aさんは、それを持って行きました。
絶対に治ると言い残して。

それから、3ヵ月後、Aさんは、全身が黄色になって戻ってきました。
肝転移による黄疸症状でした。

まもなく、Aさんは帰らぬ人となりました。

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個人的には、標準治療をしてからでもよかったのにと思います。

しかし、標準治療をしたから、もっと長生きできた保証はありません。

Aさんは、満足してたそうです。(奥さんの話)

何が一番いい治療なのか?わからなくなります。



昨日の方とは対照的な方でしたね。

未だに効果のハッキリしない免疫療法には、臨床試験以外したらダメですよ。

効果があるって論文もありますけど、つっこみどころ満載で信用する価値のない論文ですから。

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いろんなお見送り 
2008/11/21 Fri 12:12
CATEGORY【診療】
少し前に、病院での『お見送り』について書きました。

お見送りにも病院などによって少し違います。

ただ、そんなにいろんなバリエーションはないと思いますが。

もちろん、お亡くなりになる時間は昼間だけではありません。

というか休日や当直帯であることが多いです。

昼間なら、病棟師長や担当ナース、主治医がお見送りすることが多いのですが、当直帯では、当直師長、主治医や当直医などで行うことが多いです。

ただ、休日や当直帯だとどの病棟も人手が少ないので連絡がうまくいかないこともありました。

『お迎えが来たら、PHSに連絡して。』と病棟ナースに伝えていたのですが連絡が遅かったことがあります。

あわてて病棟に行ったのですが、
『今、帰ったとこです。』と言われました。

しかも、当直師長も今病棟に現れました。

、、、ということは、葬儀屋さんと家族だけで帰った?

あわてて、師長ともに病院の入り口にいったのですが寝台車はありません。

非常に寂しい思いをさせてしまったように感じました。

ごめんね。Cさん。
また、これとは対照的なお見送りもありました。

それは、ずいぶん前にバイトの当直に行った時のこと、休日の昼間の出来事です。

ある患者さんが亡くなりました。

しばらくして、お迎えの寝台車が来ました。

電話が鳴り

『先生、お見送りお願いします。』

寝台車のところまでいってみると

、、、10名以上いるではありませんか。

看護師、事務員、当直医である私、それに給食のおばちゃん、掃除のおばちゃん達まで総出で。

おそらく、手が離せる職員は全員お見送りにかり出されたようです。

これは、またビックリする出来事でした。

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2008/11/20 Thu 12:12
もう、ずいぶん前のことです。

Pさんは、胸部レントゲンで異常を指摘されて紹介されてきました。

Pさんは、肺の中にもかたまり(腫瘤)はあるのですが、どうも肋骨から出てきた腫瘍のようです。

外から、針でついて検査に出しました。

結果を待つ間に全身転移がないかも調べました。

肋骨のところだけで他に怪しげなところはありません。

PET(がんのところが光りやすい)の検査もして頂きました。

その結果は、肋骨と前立腺の部分がひかっていました。

組織の結果も『前立腺がんの転移を疑う。』と返ってきました。

PさんとPさんのご家族に病状を説明しました。
簡単にまとめると『前立腺がんの肋骨転移であろう。泌尿器科に一度受診して頂きたい。』との説明をしました。

すると、言いにくそうにPさんは話し始めました。

『実は、8年前にQ病院で前立腺がんと言われました。恐かったのでほったらかしにしていました。』

私も驚きましたし、ご家族もビックリしていました。

すぐにQ病院に問い合わせたところ8年前の診断は、前立腺がんで間違いないとのことでした。

Q病院で治療を受けることとなりました。
 
 
Rさんは、胸水がたまっていると紹介されてきました。

レントゲンを見てみると右側に胸水がかなりたまっています。

早速、水を抜くチューブを胸腔内(胸の中)へ入れました。

血性胸水(赤い色の胸水)が出てきました。

これは、悪性胸水の可能性が高いのです。

胸水細胞診より腺がん細胞を認め、また、腋窩(脇の下)のリンパ節も腫れており乳がんの可能性が高そうです。

さらに検査を進めていくと乳がんによる胸水貯留でした。

そこで、RさんとRさんのご家族に病状を説明しました。

すると、Rさんも告白をはじめました。

実は10年前に乳がんだとS病院で言われたそうです。

絶対に嘘だと思い病院には行かなかったそうです。

嘘だと思いつつ恐いので他の病院を受診することもなかったそうです。
 
 
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肺がんの進行は、早いことが多いのですが、乳がんや前立腺がんは非常に進行がゆっくりな事があります。(早いときもありますけど。)

ですので、このようなことが起こりえたのです。

肺がんの場合、まずないケースだと思いますけど。



こわくても、担当医とよく相談して治療方針を決めてください。

PさんもRさんも言われた当時に治療していれば治った可能性が高いと思います。

理解した上で治療しない選択をするならまだいいですが、こわいから逃げるのはいけません。



また、ASCO(世界最大級のがん学会)の季節ですね。

今年は、どんなネタが出てきますか?楽しみです。

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センターの今後 
2008/11/19 Wed 12:43
たいそうなタイトルをつけてしまいました。

たいそうなタイトルついでに偉そうなことを書いてみます。

この病院は元々外科系中心の病院です。

オープン当初は、患者さんがなかなか紹介されなくて困っていたようです。

多くは自分の出身大学に紹介していたためです。

医局制度のためですね。

ただ、この病院は代々のレジデントが巣立ったあと様々な分野で活躍をしていきました。(なんと今年で40期だそうです。)

そうすることで、徐々に患者数も増え、名実ともに日本のがん治療をにぎる存在に育っていきました。

そして、この病院の各診療科自体が、だんだんと医局の要素を持ち出したのではないでしょうか?

しかも、白い巨塔の時代のような。

ただ、急に麻酔科医が半減してなかなかうまくいかない状況。

そんで、小さなほころびがだんだんと大きくなりやめる人間が出だしたんじゃないでしょうか。

やっぱり、外科医にとって手術件数が大事です。

やっぱり外科系は技術を盗まないといけませんからね。

麻酔科医を確保してこなかった病院の上層部の責任は大きいんじゃないでしょうか?

どうせ、困ったらレジデントにさせておけばいいなんて思っていたんじゃないでしょうか。

しかも、院長先生は病院にほとんどいなくて、他のスタッフから大ブーイングだとの記事が週刊誌に載っていました。

いっそ、これを機会に内科中心の病院に生まれ変わるのがいいんじゃないかと思います。

内科系なら手術件数が減ってもあまりダメージは受けませんから。

内科系でも技術も必要ですが、論文を読んだりして知識でカバーできる部分はかなりあります。

若くてもいい論文があれば一躍有名になるチャンスもあります。

まあ、部外者の私が考えても仕方のないことですけどね。

ただ、やっぱり、最高峰の施設であって欲しいと思うので。

正直、今は癌研有明の方がいいんじゃないかと思っています。

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上記の話は、伝聞での話と勝手な推測な話と混じっております。

もし、間違いがあれば訂正させていただきますのでご連絡ください。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

2008/11/18 Tue 12:54
m3のブログに去年の9月15日にエントリーした記事です。




もう、ずいぶん前のことです。

今回もUさんの話ですが最終回です。

Uさんは、そうあのUさんです。残念ながらイレッサも効果がなくなりました。

両肺に多発性の転移を認めて、酸素を吸わないと日常生活が送れないようになってきました。
残された時間を想像してみたのですが、1から3ヵ月くらいでしょうか?

そんなUさんに、毎年楽しみにしている事がありました。
同窓会だそうです。

毎年10月に行われる地元での同窓会、よく話しを聞いてみると
『わしが行かなはじまらへん。わしがおらんかったら盛り上がらない。』
と同窓会にどうしても参加したいようです。あと、3ヵ月先です。

Uさんの地元は飛行機で2時間、車や電車では半日はかかるところです。

酸素を吸入しており飛行機での移動は難しそうです。電車も酸素ボンベのことを考えると難しそうです。
ベターなのは酸素ボンベを車に何本か積んでの移動が一番確実です。しかし、Uさんの病状的に参加するのは難しそうです。

いろいろと作戦を立てて手をつくしたのですが、Uさんの病状が進行し外出するのもしんどい状態となってきました。

ご家族の方と相談しましたが、同窓会は断念した方がいいとの結論になりました。

『Uさん、今の病状では同窓会は行かれへんわ。もう少し、調子よかったらええんやけど。』
『わしが行かな、はじまらんのやわ。』
同窓会の10日前の会話でした。

それから、1週間後、Uさんは、旅立ちました。

地元の同窓会にきっと参加されてたことでしょう。

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Uさんのご冥福お祈り申し上げます。
また、Uさんのおかげで多くの入院患者さんが明るく過ごせましたことをお礼申し上げます。





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看護師外来 
2008/11/17 Mon 12:57
CATEGORY【診療】
『看護師外来』というのがあるって知ってましたか?

入院期間が短縮されたりとか外来での抗がん剤治療が普及したりして、十分な看護指導が行いにくい医療情勢があります。

そこで、看護師(主に専門看護師)による外来を行う病院が増えてきています。

どんな、外来があるかというとホントに多岐にわたっており病院の性質により全く異なっています。

例えば、がんセンターなどがん拠点病院では、がん看護全般、がん化学療法、がん性疼痛、乳がん看護、リンパ浮腫看護、緩和ケアなどの外来が行われています。

副作用対策や指導などが主な項目と思われます。

他にも、調べてみると糖尿病看護、手術看護ストーマ外来(人工肛門外来)、排尿管理外来、スキンケア外来、糖尿病指導外来、感染予防外来などあるようです。

だいたい、どこも、30分程度の時間で患者指導やケアなどを行っているようです。

確かに、今後この分野の重要性は増していくものと考えられます。

ただし、残念なことは看護師外来に保険制度上の報酬がもらえないことです。

せっかく指導しても、お金にならないと思うと誰だってモチベーションがさがりますよね。

あっ、在宅酸素療法など器具を使ってる患者さんの指導は報酬あるようですが。

患者さんのためを思い出来つつある制度です。

早く、診療報酬(指導報酬)を認めて制度が拡大するようになって欲しいものです。

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2008/11/16 Sun 12:19
m3に去年の9月14日エントリーした記事です。



もう、ずいぶん前のことです。

Uさんは、そう頭にガムテープを巻いたことのあるUさんです。
Uさんは、イレッサを始めることとなりました。

期待される効果、副作用について説明を行い『では、明日から始めましょうか。』と会話は終了しました。

あとで、ナースがUさんの部屋へ行き話しを聞いてみると
『わしな、明日からな、新しい薬飲むんや。何やったかな、エ、エ、エー、エリサベスやったかな。』

ナースに『イレッサやから、Uさん』とつっこまれながらイレッサを開始しました。

ちなみに、私は『イレッサ→エレッサ→?→エリザベス』と変化したのではと分析しましたが、いかがでしょうか。

それでも、ことあるごとに『エリザベス、エリザベス』とおっしゃっていました。

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つづく




大物でした。

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がんのセンター 
2008/11/15 Sat 11:33
また、続きです。

手術件数が減って、どんな弊害が出たかですが

・病院が赤字になる。
・外科医のモチベーションが下がる。

のふたつをあげましたが、今日はモチベーションがさがったらどうなるかです。
手術が減ると選りすぐって手術をしているみたいです。

やっぱり、がんの手術をしたいので直接がんの手術でないもの、例えば、人工肛門増設とか術前の腹腔鏡などは他の施設に頼んでいるそうです。

ただ、他の施設に頼んでおいて、カンファレンスなどで信頼できないかも。などというようなこともあるそうです。

また、話がそれましたが手術件数が減ると外科の腕をあげるチャンスがなくなります。

術後の管理も減ります。

要するに暇になります。

この病院に来るような医師はあわよくば、日本のもしくは世界のトップをとろうとしてやってきている人間も多いのです。

そんな気持ちでやってきて、手術できないとなればモチベーションはさがります。

今までは多少しんどくても、勉強なるから、また、理不尽なことを言われても自分を磨くためとか考えられたのですけど。

現実に、ある外科のトップの先生が別の病院にいったりとか、シニアレジデント(卒後5年目以降)の先生が年度の途中で辞めたりとかしているそうです。(ひとりではないそうです。)

今までレジデントが募集して集まらなかったことはないそうなのですが、今年は、まだ定員埋まらずに募集期間を延長しているようです。

レジデント2次募集

まだ、14名も空きがあるんですね。

若い先生には、こんな情報もう出回ってるからでしょうね。

どうなるんでしょう?

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上記の話は、伝聞での話と勝手な推測な話と混じっております。

もし、間違いがあれば訂正させていただきますのでご連絡ください。

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2008/11/14 Fri 11:55
m3のブログに去年の9月5日にエントリーした記事です。




もう、ずいぶん前のことです。

Uさんは、60後半の男性です。
肺癌であることがわかり、抗癌剤治療を行っていました。

抗癌剤治療を開始して2週間ほど経つと髪の毛が抜け出します。(抗癌剤の種類にもよります。個人差もあります。抗癌剤治療終了後2、3ヵ月で生えてきます。)

Uさんも治療開始後2週間ほど経ち、髪の毛が抜けてきました。短く散髪していたのですが、Uさんには、今まで経験したことのない抜け毛が気になって仕方ありませんでした。

担当ナースが対処法を教えていました。枕やシーツについた抜け毛をガムテープで取り除くごく一般的な方法です。

それを聞いてUさんは、ひらめきました。

『これだ!』

Uさんは、ひらめいたままを行動にうつしました。
しばらくして、Uさんのベットから声が聞こえてきます。

『痛、痛、痛っ』

ナースがUさんの元へ向かうと
『Uさん、何やってんの?』

なんと、Uさんは、ガムテープを自分の頭にミイラのようにぐるぐる巻きにしていたのでした。そして、ガムテープをとろうとして、、、、、、

確かに、ガムテープで掃除の頻度は減ったんですけど、だいぶ痛かったみたいですね。

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もう、2度としないそうです。マネしないでくださいね。



しばらく、病棟中の話題でした。
後にも、先にも、そんな事したのはUさん以外見たことありません。



たまには、楽しい人生いろいろでした。




楽しい入院生活、続きがありますからね。

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中央の病院 
2008/11/13 Thu 13:15
センター病院の続きです。

手術件数が減って、どんな弊害が出たかですが

・病院が赤字になる。
・外科医のモチベーションが下がる。

と言うようなふたつがあげられるでしょうか。

まず、病院が赤字になる。

内部でみてわかることは手術が少ないとベットががらがら、稼ぎ頭である有料個室もがらがらだそうです。

さらに、術後ICUなんて半分程度しか埋まってないそうです。

まあ、手術が半分程度ならそうでしょうけどね。

それに付随する検査、病理検査、画像検査などが減っている。

多くの部署で仕事が減っているとのことです。

逆に、内科系は以前はベットを探すのが大変だったようですが今は入院させ放題だそうです。

そんな感じでなんと1ヶ月で数千万円の赤字だそうです。

年間になおすと数億円以上の赤字ですよね。

恐ろしいです。

そんなこんなで、院長が必死に麻酔科医を探したらしいのですが、なかなか決まらず10月からようやく新しい麻酔科の部長が決まったらしいです。

ただし、今のところ、麻酔科医の数自体は増えていないそうです。

まあ、こんなんだったら、モチベーションも下がりますわね。

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2008/11/12 Wed 12:08
もう、ずいぶん前のことです。

Oさんは、肺がんの末期の状態でした。

食欲もなくなり、日中はほとんどベットの上で過ごしています。

全身倦怠感が強いようです。

ご家族の方にあと1ヵ月持つか持たないかわかりません。と説明しました。

それからお姉さんは、毎日病院に来るようになりました。
いろいろ身の回りのことなどをしてくれます。
Oさんにとってもお姉さんがいることは心強いようです。

ある日、Oさんの病室を訪れるとお姉さんがOさんに
『もう、死にかけてるくせに、、、、、、、』
と言ってるではないですか。

私は、ビックリしてお姉さんの顔をのぞき込みました。
お姉さんは、意に介することもなく続けます。

『片足、棺桶に突っ込んでるから、、、、、』

などとOさんの前で言っています。
 
 
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それから、別の部屋でお姉さんと話しをしました。

お姉さんは、涙ながらに話しを始めました。

『昔から、何でも言いたいことは言う関係やったんです。
私もつらい、出来たらあんな事言いたくはない。

でも、先生もう治る見込みはないんでしょ。
しかも、もう本当に先が見えてるんでしょ。

そしたら、少しでも残された時間が短いことをわかってもらわなあかん。
わからしとかな、あの子が可哀想やと思います。
だから、心を鬼にしてあんな事言いますねん。』


そんな事があってから1週間ほどしてOさんは、眠るように逝かれました。

自分の残された時間をわかっていたかのように。



そして、お姉さんは、号泣していました

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タグ : 人生いろいろ 終末期 緩和

国立のセンター 
2008/11/11 Tue 12:38
がんのセンター病院の記事が週刊誌などによく出ます。

がんセンターの役割は、がんの予防、研究、診療、教育、情報発信などが役割としてあり、病院ですが、研究機関の側面もあります。

普通に考えれば、『新しい治療法がすごい。』とか『世紀の発見をした。』などの記事かと思うのですがもっと低俗な記事です。

例えば、今年の4月に麻酔科医の数が約半分になったとの報じられました。

そういえば、去年か一昨年に国立循環器病センターのICUの医師が一斉に退職したことも報じられましたよね。

そちらは、どうなったのでしょうか?

知ってる方教えてください。

最初に聞いたときは、給料安いし、他の科のスタッフだと講演会の収入やセンターのスタッフという地位があるだけでもありがたいのかもしれませんが、麻酔科医にとって、がんセンターの肩書きは逆に合併症のない症例が多いため、下手したらよくないのかも知れない、だからやめたんだろうなと思いました。

実は、名古屋でがんに関する学会がありまして何人かのセンターに勤める知人に聞いてみました。

麻酔科の話は、週刊誌の話でほぼ間違いないらしいです。

根底に金銭が安いこともあるでしょうけど、内部にいざこざがあったことは確かなようです。

非常勤でも人を探していたらしいのですが噂によると時給3000円とのことでこの条件で麻酔をかける非常勤医は皆無に近いことは容易に想像ができます。

ただ、高齢の麻酔科医が4月以降にひとり増えたらしいのですが。

もちろん、麻酔科医の数が減って手術件数が去年までの約60%となったようです。

手術件数を増やすためにレジデントに麻酔科(CCMと言うらしい)を強制的に回らせて手術件数の確保をしていたらしいのですが、レジデント(特に内科系)の反対をうけている状況らしいです。

まあ、内科系のレジデントとしたら麻酔科をまわるよりも緩和医療(麻酔科医が中心になっていることが多い)などを研修したいと思うのは当然でしょう。

ちなみにレジデント何人いるか調べてみました。

・レジデント30名(3年)
・シニアレジデント20名(2年)
・短期レジデント10名(6ヶ月)

合計、60名もいます。

ちなみに、医者の数は300名程度いるそうです。(研究所も含めてだそうですが。)

中央病院だけでの話です。

彼らは、時給2000円程度の非常勤職員扱いで残業はつかない(つけられない)ようです。

もちろん、休日などに必ず来なくてはいけない用事があっても残業は基本的にないそうです。

ですので手取りは、約20万円から24万円程度だそうです。

きっと、すべての残業をきちんとつければ倍近くになりそうですが。

今は、1年目の研修医よりも少ないです。

話がそれてしまいましたね。

長くなりそうなので、続きは今度にしたいと思います。

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2008/11/10 Mon 13:08
m3に去年の7月21日エントリーした記事です。





もう、ずいぶん前のことです。

高齢であるLさんは、今まで治療を頑張ってきましたが、残念ながら右に胸水がたまってきてしまいました。

呼吸困難の症状が出現したため、左の胸腔にトロッカー(水を抜く管)を入れました。癌性胸膜炎(がんにより胸水が出てきた状態)でした。

徐々に食欲も落ちてきており、全身倦怠感も出現してきました。
Lさんの残された時間はあと1週間程度と迫っているように思われました。

予後が、もう少し見込める(もう少し元気な)方ならトロッカーを通して胸膜癒着剤(水をたまりにくくする薬)を入れるのですが、この時点でLさんに胸膜癒着を行える体力はないと判断しました。

管を入れたまま様子を見ておりました。

ご家族の方には病状を説明し、予後1週間は見込めない可能性が高い事。場合によっては今日、明日お亡くなりになっても不思議ではないと言う話をしておりました。

また、もしもの時は、人工呼吸器(口から管を入れて強制的に酸素交換をさせる医療機器)を使用しない事や、心臓マッサージなども行わず自然経過にまかせる事をご家族の方も希望されておりました。

その日は、朝ご飯も少しですが手をつけていらっしゃいました。

お昼前の事です。

朝から、ベットのそばに付き添っていた娘さんの叫び声がしました。

『先生、何とかして!』

たまたま、病棟にいた私は、Lさんの部屋に行きました。

『さっきまで、しゃべってたのに、急に。。。。』

聴診器をあててみます。心音、呼吸音ともにきこえません。

心電図モニターをつけてみてもやはり、フラット(心臓が動いてない状態)です。

そのことを娘さんに告げると泣き叫びながら『何とかしてください。』
『ほんとうにいいんですね。』と娘さんに確認して心臓マッサージと強心剤、そして、アンビューにて酸素交換の補助を行いました。

処置を続けていると、心拍が再開して、自発呼吸も出てきました。

意識も戻りました。

娘さんは安堵の表情を浮かべられました。

 
 
 
夕方、娘さんがうかない顔をしてやってきました。

『先生、あのときあんな事言うんじゃなかったんじゃないかと後悔してるんです。あの時は、心の底から今死んじゃイヤと思ったんですけど。しばらくすると、しんどそうにしている母の顔を見るのがつらくなってきたんです。前から、自然の成り行きにまかせると決めてたのに。あのとき、私があんなこと言わなければ。母がもう苦しまなくてよかったんですから。。。』

『あなたは、あの時心の底からそう思ったんですよね。Lさんは、そのあと息子さんやお孫さんとも会えたんですよね。Lさんもよかったと思ってますよ。』

その翌日、Lさんは永眠されました。






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以下コメントです。

よっしぃ先生、こんばんは。質問です。
がんによるこのような病状でお亡くなりになる場合、人工呼吸器を装着すると、いわゆる植物状態で生き長らえる可能性はあるのでしょうか?
written by christmas / 2007.07.21 20:16

娘さんが後悔された気持ちも少しわかる気がしましたが、
私もLさんは皆に最後のお別れができた事を良かったと思っていると思います。
それに、家族が挿管されている姿を見るのはもっとつらいですが、それがなかっただけでも、Lさんにとってもご家族にとっても、良い最後となったのではないでしょうか?
written by chikorui / 2007.07.21 23:56

 一時的処置だけで意識が戻って家族と意思疎通出来たのですから・・・私も、結果としては良かったんじゃないかと思います。
 もし自発呼吸が戻らずに(そして、娘さんの救命希望も変更されずに)挿管までしなくてはならない展開になってしまっていたら、御本人も御家族もつらい展開だったと思いますから。
 おつかれさまです。
written by ぺがさす / 2007.07.22 00:46

自然に任せるという取り決めを事前にしていても、いざ目の前で急変すると「何とかして」と言ってしまうご家族のお気持ちはよくわかります。ここで医師が家族の求めに応じなければ、「冷たい医者」と恨まれるでしょう。
この場合は意識が戻ってご家族と最期のお別れができてよかったと思います。
ぺがさす先生のおっしゃるように人工呼吸器がつけられて苦しみが長引いてしまったらご本人もご家族も辛いです。誰より「何とかして」と言ってしまったご家族が後悔に苦しむことになるのですよね・・。そんなことを感じました。
written by 春野ことり / 2007.07.22 06:16

christmasさん
おそらく、長くは生きられないと思います。挿管して人工呼吸器を装着してもなにも処置をしたと言う事実が残るだけの可能性もあるともいます。
延命できてもLさんの場合はおそらく数日から1週間でしょう。
そのために、口から管が入ったままの状態はあまりにも人間的でない状態じゃないかと個人的には思います。

chikoruiさん、ぺがさす先生
LさんとLさんのご家族にとってはよかったと思います。特に、挿管しなくてすんだんですから。
しかし、似たような状況というのは日本中探せばあると思います。
そのような場合、何がよりよい選択となりうるのか考えたい、いい選択をしたい、と思います。できれば、みなさんにもその状況でどんな事をするのがよりいいのか考えて頂きたく存じます。
答えは、個人個人、家族家族異なると思います。

春野ことり先生
事前にご家族と取り決めをしていても、取り決めの話をしたときの状況での決定です。ご家族は、徐々に悪くなり急に止まってしまうという認識は無かったので、『何とかして』との叫びにつながったと思います。
このような状況になる可能性は私を含めてみなさんあると思います。みなさん(特に医療関係者以外)が、少しでもこのような状況になったときに
あわてないように、少しでも考えて頂きたいと思います。

みなさん、コメントありがとうございました。
written by よっしぃ / 2007.07.22 11:35

春野ことり先生へ
 こんにちは。私は、自然に任せるという取り決めを事前にしていても、いざ目の前で急変すると「何とかして」と言ってしまいそうな一人です。
 患者が亡くなれば、やりきれない気持ちを一時的に医師へぶつける家族はいるでしょう。しかしそこから更に経験を重ねると、「あの時の医師の治療は正しかった」になることも多いでしょうか。深い悲しみから成長するのが人間だと思いますので。ただし時間はうんとかかりますね(苦笑)。
 「冷たい医者」のレッテルを貼る時は、おそらくそれまでの医師の治療姿勢に起因するような気がします。もちろん、「荒れる患者・家族」というのも逆方向からの重要なファクターだと思いますが(^^;)。
written by christmas / 2007.07.22 13:38

christmasuさん、私へのコメントありがとうございます。おっしゃる通りですね。やりきれない気持ちを医療者にぶつける人が増えているんです。明らかに。
時間が経って「あの時の医師の治療は正しかった」と思って頂けたとしても、それを医師は知るすべがありませんので、医師はただ患者家族の一時的、一方的な怒りを受けたままになってしまうのです。なるべくならそういうことは医師としても避けたいわけで、そうすると、患者自身のことよりも、自分の保身のために家族の意志を尊重するしかない。今の日本の医療はそんなところですかね・・・。
>「冷たい医者」のレッテルを貼る時は、おそらくそれまでの医師の治療姿勢に起因する
そう言っていただけると何だか安心しますが、現実にはそれまで全く話も聞きに来ず、医師の治療姿勢を見ることもなく、臨終のときだけ現れて「荒れる家族」もいるわけです。もちろんこういう人はごく一部ですがね・・。
家族の死は誰にとっても辛いものですが、辛さを乗り越えて人間は成長するのですね。同感です。
written by 春野ことり / 2007.07.24 23:11

春野ことり先生、再びこんにちは。
〉時間が経って「あの時の医師の治療は正しかった」と思って頂けたとしても、それを医師は知るすべがありません
本当にそうですね、患者家族側の総括を聞く医師は稀ですね。ですので、
〉患者自身のことよりも、自分の保身のために家族の意志を尊重するしかない。
で必要十分な対応だと感じます。女子高生の検診の意味のところでよっしぃ先生がコメントされましたが、現代人はくっだらないことでも自己主張する人としない人と、両極端になってきています。医師が両方向の患者に十分配慮をするのは無理、それ以上踏み込むのなら、担当の患者数を大幅に減らす必要性が生じそうです、非現実的です(^^;)。

〉臨終のときだけ現れて「荒れる家族」もいるわけです。もちろんこういう人はごく一部ですがね・・。
いますねー!こういう人は、後の遺産相続で最も自己主張します。彼らの親しい人も同じトーンだし、周囲の人はそれを知っている。春野先生、脳内スルーでOKですよ(笑)。周りは皆、生暖かい目で見守っていますから(爆)。
written by christmas / 2007.07.25 13:57


なお、このエントリーには、続きがあります。

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アスベストと肺がん 
2008/11/09 Sun 13:48
アスベストと悪性胸膜中皮腫という病気の関連は非常に強いことがわかっています。

ですので、悪性胸膜中皮腫であると組織学的(顕微鏡で見て)に診断がつくと労災が認められます。

以前は、それだけではダメだったんですけど。

しかし、アスベストと肺がんの関連は言われていますが、そんなに(中皮腫ほどは)強くはありません。

もちろん、関係ないわけではありません。

報告にもよりますが石綿肺の中で肺がんを合併する割合は10-20%と言われています。

石綿肺とは、アスベストにより肺が線維化を引き起こし(肺がガチガチに硬くなる状態)た病気です。

ひどくなると息苦しくなったりします。

特発性間質性肺炎という病気と似ています。

ちなみに、特発性間質性肺炎も肺がんを合併する割合も10-30%との報告があります。

また、面白い報告もあります。

A:アスベスト歴なし、喫煙歴なし
B:アスベスト歴あり、喫煙歴なし
C:アスベスト歴なし、喫煙歴あり
D:アスベスト歴あり、喫煙歴あり

この4を群観察していってで肺がんでの死亡率の割合はどうかというと。

A:B:C:D=1:5:10:50だそうです。

アスベストも肺がんの死亡を5倍にしますが、喫煙は10倍にしています。

両方あるとかけ算になってますね。

また、別の報告では、環境曝露程度(普通に生活している程度)では肺がんを引き起こすことはないとも言われています。

つまり、石綿肺にならない程度のアスベスト曝露では肺がんの発生頻度は高くならないと。

ですので、アスベストの職業歴がある方が肺がんになっても全員が労災を認められるわけではないんですね。

難しいところです。

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2008/11/08 Sat 12:09
もう、ずいぶん前のことです。

小柄なかわいらしいLさんは、我慢強い女性でした。

Lさんの病気は、稀なタイプの肺がんでした。
一般的に言って抗がん剤が効きにくいタイプです。

それでも、Lさんは、頑張って治療をしてきましたがだんだんと抗がん剤の効果もなくなってきました。

徐々にと緩和医療が治療の中心となってきました。

幸い、Lさんに痛みはなく主な訴えは『しんどい。』と言うものでした。

いろんな薬を試してみます。
ステロイドだったり、抗不安薬であったりを。。。

新しい薬を試した次の日はいつも
『ちょっと、調子いいかな。』と言ってくれます。

本当に調子がいいのか、気を使ってそう言うのかはわかりません。

いろいろな方法でLさんのしんどさを取り除けないかと頑張っていたある日

『先生、もうなんもせんでもいいで。先生、一生懸命考えてくれてるのはありがたい。
でも、かわらんし、点滴するのももうイヤや。
飲み薬が増えるのももうイヤや。』

『……、わかりました。じゃあ、なるべくLさんの希望のそうようにしますね。
できるだけ、点滴はしないように、飲み薬も必要最低限にしますね。』

Lさんは、こくりとうなずきました。

我慢強いLさんでしたが、しばらくしてLさんのしんどさは、限界に達しそうになってきました。

しんどさ、だるさ、身のおきどころのなさを取るためには鎮静(セデーション)しかないと言う話しをしました。

息子さんは、できるだけそのような方法は取りたくないようです。
母にしんどい思いはさせたくないけど、コミュニケーションがとれなくなるのがつらいようです。

何日か経って息子さんからセデーションを今すぐ始めて欲しいと連絡がありました。

夜、付き添っていた息子さんに『しんどい、楽になりたい。』と言ったそうです。

今まで、息子さんの前では決して弱音をはかない強い母だった。
子供の頃から、そして、大人になってからも息子さんは母の弱音を初めて聞いた。
と涙ながらに話されました。

セデーションを開始して数日後、

周りには、旦那さん、息子さんをはじめ、家族が10名ほど集まっていました。

Lさんは、1分ほど呼吸しなくなっています。

『あと1人孫が来ます。もうすぐ、来ます。』

息子さんが言うと同時に最後のお孫さんが入ってきました。

孫を待っていたかのようにLさんは、最期に大きな息をし、息を引き取られました。


Lさん、幸せだったと思う方『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。



Lさんは、旦那さんにだけしんどい、つらいといった事を言っていたようです。
どんなに高齢になっても息子の前では母であろうとしたんですね。

Lさんの担当になれて本当によかったと思います。


鎮静のガイドラインPDFは、ここをクリックしてください。

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タグ : 緩和

お見送り 
2008/11/07 Fri 13:01
お見送りって言葉聞いたことがありますか?

医療関係者ならまず知ってる言葉なんですけど。

お亡くなりになった患者さんが病院から帰るときに見送ることです。

お亡くなりになったあと、多くは家族が葬儀屋さんに連絡を取ります。

そして、お迎えの車が病院に来ます。

葬儀屋さんの職員が寝台車まで患者さんを運びます。

その時、寝台車に乗せ病院の入り口から見えなくなるまで見送ります。

その行為を『お見送り』といいます。(地域、病院により違う面もあるかと思いますが。)

もちろん、都合により主治医によるお見送りが出来ない場合もあります。

そんなときでも、少なくとも看護師によるお見送りは行われています。

悪性腫瘍を多く見ていると、お見送りすることは、その患者さんが病気から解放されたとも考えることができます。

昔は、お見送りする時に家族の方になんと声をかけていいかわかりませんでした。

諸先輩からは『お役に立てませんで。』とか『力が及びませんでした。』などと言うのがよいと言われたのですが、悪性腫瘍の患者さんが亡くなる時というのは多くはもう余命幾ばくもないのが、本人も家族もわかっていることが多いのです。

そんな状況の中でお亡くなりになったあとに言う言葉としてはあまりにも白々しいような、実感がこもっていないような言葉のように思えます。

もちろん、心筋梗塞でやってきて頑張って、頑張って治療してお亡くなりになった時は心からその様な言葉が出てくるのでしょうけど。

最近、『○○さん、そんなに苦しい時間がほとんどなくてよかったですね。』とかが自然と出てくるようになりました。

昔から、『がんから解放されて楽になったかな。よかったんやな。』と心の中で思ったりはしました。

当時は、亡くなった患者さんの家族に、しかも、亡くなってまだ時間がほとんど経ってないときに『よかった』というフレーズを含んだ言葉を発することができなかったのです。

今でも、主治医が『よかった』と言ってはいけないのかな。と考えることもあります。

どうなんでしょうかね。

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どろなわ 
2008/11/06 Thu 12:04
医学部定員増なるニュースが駆けめぐっています。

比較的ページを割いているのがAshahi.comです。

来年度の医学部の定員を700人ほど増やしてみるそうです。

> 06年末の日本の医師数は27万8千人。提言では、日本の医師数は人口千人あたり2.1人(06年)と、米国の2.4人より少なく、これを経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の3.1人まで、引き上げる必要があるとした。

そんな背景があるようです。

ただ、日本の医師数には、70歳になって引退している医師の数や医師免許を持ってるけど専業主婦の数もいれてもなお、少ないですからね。

それをわかるように報道して欲しいです。

また、今のタイミングでの報道は、東京の産科医療がボロボロなのが知れ渡った直後なので(知ってる人は知ってましたけど。)なんかまさに『泥棒をみて縄をなう』がぴったりあてはまりました。

ただ、そんだけのエントリーですが、何か?

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小ネタですいません。

次は小ネタでないものを用意していますから。

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2008/11/05 Wed 12:01
m3のブログに去年の8月26日にエントリーした記事です。




もう、ずいぶん前のことです。

Sさんが紹介されてきたのは、Sさんは、咳が続いたために近くの医院を受診し、胸部レントゲンで異常陰影を指摘されました。

検査の結果、脳、骨、肝に転移のある肺がんでした。
本人、家族に説明しようとしたのですが、家族と20年会っていない。
連絡先も知らない。別に今さら言わなくてもいい。どんな病気でもすべて自分で聞く。今まで好き勝手生きてきたから。との事。

Sさんに、無治療であれば平均余命3ヵ月から6ヵ月であること。
治療しても、再発する可能性が高く、1年前後であることが多い事。
効果、副作用、治療関連死の可能性など説明した上で治療を行いました。

そして、腫瘍の大きさはずいぶんと小さくなり退院を考える時期となりました。
そして、退院前にSさんとゆっくり話しをしました。

『Sさん、治療はうまくいって今がん自体は非常に小さくなった。このまま、再発しないかも知れないけれど、するかも知れない。
今はわからない。
再発して治療してもあんまり効果がなくなってしまって、残念ながらSさんの命をがんがおびやかすときがくるかも知れない。そのとき、Sさんの命を少しでも延ばそうとすると、口から管を入れて、人工呼吸器という器械をとりつけて、その器械から強制的に酸素を肺に送り込んだりとか、心臓マッサージをしたりとかしないとSさんの命がもたないときがくるかも知れない。』

Sさんは、真剣に話しを聞いてくれました。

『その時の、人工呼吸器とか、心臓マッサージは延命にしかならない可能性が高い。なぜなら、その時というのは肺がんが悪くなって今の医学ではコントロールできない状態だから。
Sさんのしんどい時間を延ばすだけの治療になる可能性が高い。』

Sさんは、しばらく黙っていました。そして、
『今は、調子ええんやけどな。いつか、そんなときはくるんやな。治らへんのやったらしんどい治療はいらんわ。』


それから、1年後Sさんは積極的な治療が出来ない状態となって入院してきました。

『Sさん、1年前退院する直前に話ししたこと覚えてる?』

『……うん。』

『1年前と気持ちは変わってない?』

『……そやな。』

しばらくして、Sさんはひとりで売店に行く元気もなくなってきました。

そして、私に聞いてきました。

『先生、もうあかんのか?死ぬんか?』

『Sさん、Sさんが本当の事を聞きたい?Sさんが本当に聞きたいんやったら、本当の事を言うわ。
でもな、Sさんにとって厳しいこと言わなあかんかも知れへんねん。』

『………ええわ。』

口には出しませんでしたが、Sさんは自分の残された時間が短いことを悟ったようです。

それから、2週間ほどしてSさんは苦しむことなくひっそりと息を引き取りました。



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身寄りのない方の対応はいつも考えされます。何がベストな対応だろうと。



Sさん、あの対応でよかったよね。
Sさんのご冥福をお祈り申し上げます。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

2008/11/04 Tue 12:58

皆さんもよくご存じのブログ『ななのつぶやき』が終了したのは、もうずいぶん前のように感じます。

m3のブログでも大人気だったのですが『犠牲』のエントリー以降人気はさらに上昇して、いつしか、アクセスランキング1位をキープしていました。

終了してからもう2ヵ月ちかくなります。

なな先生ファンに朗報です。

新しいネタではないですけど、一部がリニューアルしてます。

といってもm3の中ではないんですけどね。

しかも、マンガです。

christmasさんが『乳がん患者のサロン2 - ノエル編』の中で描いています。

はじまりはここからです。

『メモリアル漫画ななのつぶやき』

christmasさんは、ここのコメンテーターで非常に医療に造形が深い方です。

しかも、勉強熱心。

ご自身が病気と闘いながら、なな先生のブログに深い感銘をうけて漫画化されました。

ブログで読むのとはひと味違った、感じが伝わってきます。

大野病院の件が無罪となり、『ななのつぶやき』の役目を終えたと考えて閉じたブログですが、アクセストップになっただけあり多くの方々に影響を与えたようです。

私も、思わず何度も読み返してしまいました。

続編はあるのでしょうか?

 

 

そう言えばブラックジャックが狂言の作品となるらしいですね。

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テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

2008/11/03 Mon 12:34
m3のブログに去年の6月10日にエントリーした記事です。




もう、ずいぶん前のことです。

Aさんは、近くの診療所から紹介された患者さんです。
検査の結果は、4期の肺癌でした。

『検査結果がそろったので、説明をしたい。家族を呼んでください。』
と病状説明の約束をしました。

その日がやってきました。

『肺癌の可能性があります。きっちり、しらべましょう。』と入院時に話をしていたのでAさんは、なんとなくわかっていたようです。

告知ってにあるようにAさん、Aさんの家族の気持ちを考えながら持っている知識を総動員し、行います。こちらも真剣です。1時間以上かかることもざらです。

病状説明は抗癌剤治療そのものよりも大事だと思えるぐらい重要なものです。

Aさんは、病状説明を真剣に聞き入っていました。

ときどき、Aさんに尋ねます。『ここまでの話は理解できましたか?ここまでで何か質問はありませんか?』
Aさんはうなずきながら、『わかりました。』と答えます。

本当は、Aさんに今までの内容を自身の言葉で説明してもらうのが理想である。と言われてますが、現実にはなかなかそこまで行う余裕がありません。

約1時間かけてすべての話が終わりました。
特に、Aさん、Aさんのご家族ともに取り乱すことなく『わかりました。これから、よろしくお願いします。』と頭を下げられました。

席を立とうとしたとき、Aさんは奥さんに言いました。『おい、写真とって。』

正直、初めての経験でしたのでびっくりしました。

『今、どんな顔してるか記録しておくんや。これから、闘病日記を書いていくから。』とおっしゃられたとたん、Aさんの目から涙がこぼれました。

もらいそうになりました。

そのとき、『先生も一緒にとってください。笑っててくださいね。』

最高の笑顔で写真に写ったつもりです。

宝物の写真です。

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今でも、写真は机にあります。
少し、色あせてきつつありますけど。

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タグ : 人生いろいろ 分子標的薬

看護師副院長 
2008/11/02 Sun 14:16
看護師が副院長の病院が増えてきているそうです。

ドクターズマガジンという雑誌があるのですがその中で『看護師副院長に聞く』というような特集が始まりました。

>よい医療とは、よい医師だけで達成できるものではない。
病院全体のチームワーク、特に看護師集団と医師の信頼関係があって初めて達成される。

>看護部長は看護部を代表するに過ぎないが、副院長は経営陣の一員であり、院長の職務を代行することもできる重要なポジションである。

などとあります。

実際、副院長が看護師である病院数は2004年51病院であったのが2008年246病院と増えてきています。

ただ、私が研修していた大学病院のナースの仕事をしない能力、かつ医師(研修医)に仕事を押しつけてくる能力を身にしみて感じていたので、積極的に副院長に看護師がなるのは恐いな。との印象も持ちます。

ただ、看護師達の意見のまとめ上げる以外にも病院全体のことを考えてくれるようになるならありだと思います。

と思いながら記事を読んでいたら。

病院の種類別に看護師副院長の病院数が載っていました。

国立病院機構  3病院
自治体病院  71病院
公的病院   17病院
大学病院   41病院

となっていました。

数で見るより割合が欲しいと思い調べてみました。

すると、国立病院機構に属する病院は146病院だそうです。
大学病院は、160病院ほどです。

自治体病院なんかいくつあるかわかんないですよね。
公的病院も不明です。

メチャメチャたくさんあるのでしょう。

国立病院機構の病院は、約2%の病院が看護師副院長です。

それに比べて大学病院は、25%もの病院がそうみたいです。

こんなに病院によって違うとは驚きでした。

と同時に、研修医時代の大学病院の働かないナース達がよみがえってきました。

もともと、力が強いから要職につきやすいんだなぁ。なんて思いました。

今後、普及していくのでしょうかね。

どうなんでしょう。

まだ、看護師副院長の具体的なイメージと今後が沸いてきません。

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あまり、まとまりのない話しでしたね。

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タグ : ナース 仕事

2008年10月 
2008/11/01 Sat 12:22
CATEGORY【目次】
ようやく、寒くなってきました。

だって、もう11月ですからね。

これから、紅葉の季節です。綺麗ですよね。

そう言えば、今年はまだ土瓶蒸し食べてないですね。

早く食べないと季節が終わりそうです。

では、10月の目次をどうぞ。

『がんが引き起こすこと 4』   10月1日
『がんを治療しないと』   10月2日
『薬の名前』   10月3日
『MRさん』   10月5日
『腫瘍マーカーの話し』   10月6日
『高齢者の抗がん剤』   10月7日
『ギアチェンジ』   10月8日
『同じ非小細胞肺がんでも』   10月9日
『チームオンコロジー』   10月10日
『人生いろいろ(遠くて遠い1)』   10月11日
『臨床試験の現実』   10月12日
『人生いろいろ(遠くて遠い2)』   10月13日
『臨床試験の裏側』   10月14日
『人生いろいろ(遠くて遠い3)』   10月15日
『抗がん剤の曝露』   10月16日
『トリアージについての私見』   10月17日
『よくある質問』   10月18日
『ビタミンC』   10月19日
『悪性腫瘍遺伝子検査』   10月20日
『新聞報道に問題あり』   10月21日
『言葉をわかりやすくする提案』   10月22日
『東京でも』   10月23日
『画像診断の限界』   10月24日
『保険でできないの?』   10月25日
『口腔ケアの重要性』   10月26日
『モンスター対策』   10月27日
『センモンヨウゴ』   10月28日
『だんなさんの言葉』   10月29日
『人生いろいろ(家族のために)』   10月30日
『感度と特異度』   10月31日

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何とか、今月もほぼ毎日更新できました。

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