~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
スポンサーサイト 
--/--/-- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
TRACKBACK --  |  COMMENT --  | 編集
心臓マッサージ器 
2009/07/31 Fri 12:52
CATEGORY【診療】
少し前に人工呼吸器についての話をしました。

『人工呼吸器ってどんなん?』

人工呼吸器の悪い面を中心に話をしました。

心臓マッサージの話もしないと片手落ちですので今日はその話です。

事故や病気で救急外来にくるとき心肺停止状態であれば人工呼吸と心臓マッサージなどを施すことになります。

胸骨の下縁付近を垂直に押すことによって心臓が動いていなくても心臓から血液を送り出すことができるようにすることです。

ちなみに胸骨とは胸の真ん中でおなかの上にある骨で肋骨の付けねになります。

心臓マッサージをして、人工呼吸をして脳に酸素が行き渡るようにします。

身体が酸素不足になると細胞が死んでいきますから。

脳に酸素がいかない状態が続くと当然死に至ります。

最近では、心臓マッサージをするだけで肺も動かすことになるので人工呼吸をしなくてもいいとする説もありますが、本当にそれだけでいいかどうかは知りません。

ただ、少なくとも心臓マッサージはしないと救いようがないことはわかりますね。

それだけ、心臓マッサージは大切です。

もちろん、心臓から血液を送り出すために行ってますのでちょっと押す程度では血液は循環しません。

かなりの力が必要となります。

ですので、患者さんの真上に顔を持ってきて腕だけで押すのではなく、肩から身体全体を使って心臓マッサージをします。

そんなことをしているので、当然肋骨などが折れることはよくあることです。

肋骨が折れても肺や心臓に突き刺さらない限り命に別状ありませんからね。

そういえば、マイケルも肋骨が折れてたって報道されていましたね。

きっと、心臓マッサージの影響でしょう。

まあ、そんな心臓マッサージなのですが、欠点は行う人間が非常に疲れると言うことです。

正直、10分以上やっていると汗はだらだら出てきて誰かにかわって欲しくなります。

病院の中だと応援医師や看護師などと交代で行えるのですが、そうでない場合は非常に厳しい場合もあります。

だって、肋骨を折るくらいの力をかけないとちゃんとした心臓マッサージはできないんですからね。

そんなときにおもしろい商品を見つけました。


『オートパルス』
というようです。

>セットアップは、マジックテープ式の胸部圧迫帯(ベルト)を装着し、ボタンを押すだけ。一刻を争う緊急時にも迅速に対応できます。

>患者さんの胸囲に応じて胸部圧迫深度(胸の高さや厚さから測定)は自動で設定されるため、時間のロスがありません。

自動で圧迫する力を決めるようです。

凄いですね。

一度見てみたいですね。

>高性能バッテリ駆動。専用キャリングケースでどこへでも持ち運んで使用できます。救急搬送時にも心臓マッサージを中断することがありません。

>連続使用は30分可能で、安定した連続操作ができます。

30分も任せられるなら非常に有望ですよね。

>胸部圧迫帯は、ベルト式の安全設計。力が一点に集中せず、胸部全体に分散されるため、胸部骨折リスクを軽減します。
>心臓全体を包み込むように圧迫するので、効率のよい心臓マッサージを実現します。
>ライフボード(背板)と胸部圧迫帯(ベルト)の二重構造で患者さんをしっかり固定。搬送中でも位置ズレが少なく、確実に操作できます。

圧迫骨折のリスクも少なそうだし、移動時も途絶えることなく行えそうだし。

実際に使ったことある人の感想を聞いてみたいですね。

『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。

真剣に心臓マッサージした後は、腕がガクガクして字が非常に書きにくくなりますから。

そう言えば、ドクターヘリには積んであること多いそうですよ。

スポンサーサイト

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

バルーンギフト 
2009/07/28 Tue 12:22
CATEGORY【診療】
バルーンギフトって知っていますか?

その名の通り、風船を送ります。

そんじょそこらの風船じゃなくてでかいのは1mを超えます。

大人の胸ぐらいの大きさがあったりします。

欧米では、普通に入院中の患者さんに送ったりするようです。

日本ではほとんど見かけませんけどね。

食べ物と違って腐ることもないし、手間はかからないしいいプレゼントになるでしょう。

バルーンギフトに熱い思いを持っている方のHPです。

http://www.rakuten.co.jp/balloon/420855/

一部抜粋します。



『GET WELL SOON!』 は、早く良くなってね!というお見舞いのメッセージ。

『バルーンをお見舞いに贈るの?』

みなさんの率直な感想ではないでしょうか。

1999年、アリゾナ州のフェニックス子供病院で見たある光景を今でも忘れることができません。

『その巨大な病院のたくさんの病室の窓にお見舞いのバルーンが揺れていたのです。それも一つや二つではなく何十という病室の窓に・・・。』

『日本でも早くこういう光景が見たい!』

と心からそう思いました。




この方は、いろんな大会にも出ているようですし、講演などもされているようです。

『私たちの使命』を見ると最初は、バルーンアートに適した風船がなくアメリカから個人輸入で初めて独学で技術を身につけ、人前で披露するようになった経緯が書かれています。

尊敬してしまいます。

また、いろんなメディアに紹介されています。
http://www.rakuten.co.jp/balloon/449480/

ちなみに

わたしのお気に入りはこちら!

beer


デカイです!とてもデカイ!
このビール風船は、何と[高さ60cm×幅40cm]!
ビッグサプライズ間違いなし!


大きな大きな箱が届きます。
持つと、とっても軽い!
中身が無いんじゃないかというくらい軽いのです。
何だろう?と箱を開けると、高さ約1.8メートルの
バルーンギフトが飛び出してきます。


立てましょう! 作戦を!
秘密のびっくりサプライズ大作戦ですねっ。



やっぱり夏は、これですね。

しかし、大きいですね。

箱からバルーンが浮いて出てくると楽しいですよね。

あと、ミッキーなどのキャラクターもあるし、子供へのプレゼント、結婚式などにも喜ばれそうです。

問題なのは、かさばることだけですけど。

欲しい方はこちらから→『バルーンギフト GOODY』

ついでにこちらも『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。

もらってうれしいし、楽しくなりますよね。

送っても楽しいですしね。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

日本医師会と予防接種 
2009/07/25 Sat 14:55
日本医師会雑誌のタイトルが凄いです。

>世界標準にはるかに及ばないわが国の予防接種体制

凄いタイトルです。

日本医師会って頭のお堅い人たちが中心だと思っていたので正直びっくりです。


>【巻頭言】遅れているわが国の予防接種体制を世界標準にまで高めよう
五十嵐 隆

国にケンカを売っているようです。

医師会って国と仲良くやってるイメージもあったので余計に。

>【座談会】わが国の予防接種体制の問題点と将来への展望
司会:五十嵐 隆・岡部 信彦・神谷  齊・渡辺  博・永井 美之

ようやく、前向きな意見が聞けそうですね。

>日本国民のワクチンに対する意識
田中 宜之

日本の予防接種体制が遅れている理由として副反応を極端に取り上げて騒いできた国民とマスコミにも原因があると思います。

以下目次を抜粋します。

>ワクチンにて予防可能な細菌・ウイルス性感染症のわが国での発症状況
神谷  元・島田 智恵・岡部 信彦

>乳幼児の集団生活と感染症のリスク―Hibと肺炎球菌感染を中心に
武内  一

>わが国と米国における予防接種体制の違い
渡辺  博

>世界における混合ワクチンの積極的導入
山 直秀

>予防接種行政の現状
江浪 武志・大坪 寛子

>インフルエンザワクチン、麻疹・風疹混合(MR)ワクチン、日本脳炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、水痘ワクチンの2回接種の必要性、ヒトパピローマウイルスワクチン、ロタウイルスワクチン、ジフテリア・破傷風・百日咳(DTP)ワクチン、不活化ポリオワクチン、インフルエンザ菌b型ワクチン、肺炎球菌ワクチン

と各種ワクチンの各論が入ります。

■ひとくちメモ
>鳥インフルエンザ(H5N1)プレパンデミックワクチン
神谷  齊

>健康保険組合によるワクチン接種支援活動
古井 祐司

>ヘルスリフォームとしてのワクチンの利用
五十嵐 隆

>ワクチン副反応に対する救済制度
岡安 秀樹

■海外の話題
>乳幼児の5種混合ワクチン接種は安全で有効
児玉 浩子

http://www.med.or.jp/cme/jjma/newmag/13804/13804.html

おもしろそうなので読んでみようと思いPDFをクリックしてみたのですが。

会員でないと読めないようです(T_T)

読みたい方『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。

興味をそそられますよね。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

2009/07/23 Thu 13:21
少し前の話題ですが、今年のASCO(アメリカの腫瘍学会)でトピックとなる発表がなされました。

それは、『HER2陽性進行胃癌に対する1st-lineとしての標準化学療法+トラスツズマブ併用の第III相試験:ToGA試験』という演題でありToGA試験と呼ばれています。

簡単にまとめるとHER2と呼ばれるタンパクがたくさんがん細胞の表面にある胃がんの初回治療で標準的な治療とそれにトラスツズマブ(ハーセプチン)を加えて治療したらどうなるかを比べてみた試験です。

結果としてハーセプチンを加えた治療の方が成績がよかったんです。(生存期間を延長させた)

何が凄いかというと胃がんでもハーセプチンが効果があったということです。

ハーセプチンは分子標的薬であり、乳がん治療薬として使われています。

細かく言うと抗体薬です。(大分子化合物ですね。)

『分子標的薬の分類』
でおさらいしてください。

乳がんの中でもHER2が陽性の患者さん以外はほとんど効果がありません。

そんな薬が胃がんでも効果がありました。

やはり、HER2が陽性の胃がん患者さんです。

ハーセプチンの作用を考えると当然とも考えられるのですけどね。

何が凄いかわかりましたね。

わかりませんか?

他にも卵巣がんなどがHER2が陽性のタイプがあるようです。

HER2が陽性の卵巣がんにも効果がありそうですよね。

もしそうだとしたら。。。。

今までは、乳がんは乳がんの治療

胃がんは胃がんの治療

肺がんは肺がんの治療

大腸がんは大腸がんの治療

…………

だったわけですが、胃がんでも乳がんでも肺がんでも腎がんでも

HER2陽性はHER2陽性の治療

○○陽性は○○陽性の治療

☆☆陽性は☆☆陽性の治療

となる時代が来るかも知れません。

その幕開けとなる発表なのかも知れません。

凄いと思った方『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。

本当にそんな時代になったら、臨床腫瘍医が治療を行うべきべき時代なのでしょうね。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

2009/07/21 Tue 13:00
新型インフルエンザでもうけた人たちはいるんでしょうかね。

いるでしょうね。

おそらく、マスク関連などの医療用具などでしょう。

さて、病院は新型インフルエンザでどうだったのでしょうか?

多くの病院、医院ではマイナスの影響が大きかったのではないでしょうか?

ほとんどの病院では、患者さん自身が受診を控える傾向となり減収となっているようです。

どこが一番マイナスだったかといえば新型インフルエンザを受け入れよう準備した病院であったり、発熱外来を開設した病院でしょう。

受け入れるためには入院設備を新型インフルエンザ用にあけておかないといけません。

当然そのベット分の減収となります。

また、ガウンやマスク、インフルエンザを診断するための簡易キットなども必要でしょう。

新型インフルエンザ用の人材も必要です。

よそから人材を連れてくる余裕は当然ありませんので、その分一般診療が手薄になってしまいます。

発熱外来を開設するにしても、多くは簡易テントやプレハブを用意した病院もあるようです。

その費用はいかほどかかるのでしょうか?

また、発熱外来用の人材も。。。

少なくとも事務職員、看護師、医師の最低3名は必要でしょう。

このような努力も病院の当然とされるのは厳しいものがあります。

なぜならば多くの病院が赤字だからです。

診療報酬が安く抑えられています。

正直、無い袖は振れないのです。

他にも病院の実情を知っているといろいろな矛盾があることがわかります。

消費税が上がると医療材料費もあがりますが、医療費に消費税はかかりませんのでその分は病院がかぶることになります。

安全性を確保するために質の高い医療材料に変更したり、新たな機器を導入しても保険診療で点数がつかないものは病院の収入に結びつきません。

まあ、愚痴ってしまいましたが、今回の新型インフルエンザのような事態が次に起こったときには、速やかにそれようの予算を組んで欲しいと思います。

やりますと手を挙げた医療機関に十分な手当がつきますように。

今よりも、赤字が拡大すれば志があっても手を挙げられない医療機関が増えるくるでしょうからね。

『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。

きっと、冬に再び流行するでしょう。

そのときは、医療機関を手厚く扱って欲しいものです。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

2009/07/18 Sat 10:11
もうずいぶん前のことです。

Cさんは、副院長である循環器の先生にかかっていました。

心筋梗塞で死にそうになった事があるのです。

もう、10年以上前のことですけど。

そんなCさんは、肺に影が出てきました。

ただ、肺機能も悪く、心臓にも問題を抱えていたために半年ほど様子を見ることになりました。

すると、肺の影は大きくなってきました。

肺がんが疑われます。

そして、Cさんと出会いました。

Cさんは、社長でした。

会社の名前を聞けば知らない人はいないくらいの会社の社長でした。

普通は検査入院を行うのですが、

『わしは、忙しいんや、入院は出来へん。』

『外来で出来る検査と出来ない検査があります。

特に気管支鏡検査は入院でしていただかないといけません。

外来で出来る検査は、外来でしますから。』

外来で出来る検査は、外来でして何とか短期入院の了承を得ました。

『わし、特別室でないとあかんから。』

『特別室は、数が少ないですし、短期入院で入院日を決めてしまいますので、特別室は難しいと思います。

特別室が空くまで入院を待つなら可能ですけど、短期入院ではねぇ。』

『何とかしてくれ。』

『そういわれてもわたしの権限ではなんともなりません。』

こんなやりとりをしてようやく検査の予約と入院の申し込みをして帰られました。

貴重な外来の時間をかなり費やしてしまいました。

ホッとしたのもつかの間です。

検査にやってきたときにさんざん病院の悪口を言っていたようです。

検査担当の方から耳にはさみました。

何でこんな検査をしなければならないのか?とか(外来で十分説明したつもりなんですけどね。)

こんな古ぼけた機械でちゃんと検査できるのか?とか

そして、入院の日がやってきました。

『Cさん、そしたら気管支鏡の検査をするための入院です。

検査が終わってしばらく安静にしていただいて問題がなければ翌日の退院となります。』

『副院長は?』

『どうしたんですか?』

『副院長は診察にこないのか?』

『多分、挨拶に来ると思いますよ。』

『多分やなくて、今こないのか?』

『Cさん、呼吸器の精密検査で入院しているのですからCさんの担当はわたしです。

副院長も来ると思いますけど。』

『そうか、副院長が主治医やったから、今回も副院長がメインで先生がサブかと思たわ。

でも心臓の病気もちゃんとあるからよう相談しといてや。』

『もちろんです。』

なんなんだろうと思いながら無事検査が終えました。

それからも、Cさんと話をするとどこどこ病院の院長先生に診てもらったことがある。

とか

大学病院の教授がどうとか話をされます。

幸い、検査の結果は非定型抗酸菌症でしたので様子をみることとしました。

まあ、その結果説明の診察のときも大変だったのですが。

『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。

それにしても非常に疲れる患者さんでした。

しかし、もっと綺麗な特別室のある、特別待遇をしてくれるような病院は他にありそうなんですけどね。

なんで、うちの病院に来たんでしょうかね。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

がんの口腔ケア商品 
2009/07/16 Thu 12:33
以前、『口腔ケアの重要性』について少しばかり紹介しました。

そこで、がん患者さん向けの口腔ケア製品があると紹介していましたが、とうとう発売されたようです。

サンスターが、がん患者向けの口腔ケア製品を発売、化学療法時の口内炎や口腔乾燥に配慮

『バトラー口腔ケアシリーズ』です。

口腔保湿スプレー
保湿洗口液
歯磨き剤
歯ブラシ
粘膜ケアスポンジ

以上、5点です。

バトラー口腔ケアシリーズは、口腔乾燥の方や口腔粘膜が荒れた方でも、気持ちよく口腔ケアができるよう次の3点に着目し商品を開発しました。
口の乾燥を和らげるもの
口腔内の粘膜に刺激がないもの
口の中がさっぱりするもの
とあります。

まだ、静岡県内での販売が中心ですが徐々に全国展開するそうです。

早く、普及して欲しいですね。

欲しい方『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。

うちの病院の売店にもおいてもらうように交渉中です。

しかし、いい値段していますね。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

MAC症 
2009/07/14 Tue 12:13
CATEGORY【診療】
約束通り、MAC症のお話です。

よくわからない方はNTMを先に読んでください。

まず、MAC症の診断基準をあげます。


A. 臨床的基準(以下の2項目を満たす)

1.胸部画像所見(HRCTを含む)で、結節性陰影、小結節性陰影や分枝状陰影の散布、均等性陰影、空洞性陰影、気管支または細気管支拡張所見のいずれか(複数可)を示す。ただし、先行肺疾患による陰影が既にある場合は、この限りではない。

2.他の疾患を除外できる。

B. 細菌学的基準(菌種の区別なく、以下のいずれか1項目を満たす)

1.2回以上の異なった喀痰検体での培養陽性。
2.1回以上の気管支洗浄液での培養陽性。
3.経気管支肺生検または肺生検組織の場合は、抗酸菌症に合致する組織学的所見と同時に組織、または気管支洗浄液、または喀痰での1回以上の培養陽性。
4.まれな菌種や環境から高頻度に分離される菌種の場合は、検体種類を問わず2回以上の培養陽性と菌種同定検査を原則とし、専門家の見解を必要とする。
  以上のA、Bを満たす。



要するに画像がMAC症を疑う画像でタンの検査なら2回、気管支鏡(肺カメラ)の検査ならば1回M.intracellulareイントラセルラーレもしくは、M.aviumアビィウムを検出すればいいのです。

気管支鏡ならまず確実だけど、水や土の中にいるのでタンの検査では2回出てこないと信用ならん。ということでしょう。

診断がつきました。

さて、治療をとなるのですがここで大きな問題があります。

なぜか?

まず、薬剤感受性検査(薬がその菌に対して有効かどうかの検査)が当てにならないと言われています。

ちなみにクラリスという薬剤のみ感受性をみた方がいいと言われています。

結核であれば薬剤感受性の結果をみて治療薬を決めるんですけど。

標準的な治療は、結核薬であるリファンピシン+エタンブトール+クラリスがよく用いられます。

他にもニューキノロン系薬剤やリファブチン、ストレプトマイシンなどを使うこともあります。

治療の問題点はいくつかありますので下にあげます。

・副作用が多い
肝障害、アレルギー、皮疹などの頻度が高いです。

・治療期間が長い
排菌陰性化後1年程度の内服が必要とされています。

多くの場合、1年半から2年の治療期間が必要です。

結核だと半年から9ヶ月の治療でいいんですけど。

それだけ治療をしても約70から80%しかよくなりません。

しかも、半分以上の方が再発します。

ですので、治療を行わないことが多いのです。

また、治療を行わない理由の一つに進行が非常にゆっくりな事が多いのです。

5年経ってもほとんど変化がないとか、

一時的に悪くなっても、様子をみていたらよくなってきたりとか。

気をつけないといけないのはごくまれですが、急に悪くなることがあります。


わかりましたか?『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。

ほんと、MAC症って不思議な病気だと思います。

あなたなら治療しますか?

わたしは、なったとしてもよほどひどくならなければ治療しません。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

NTM 
2009/07/11 Sat 10:32
CATEGORY【診療】
以前結核のエントリーをあげました。

肺結核
続・肺結核
続・続・肺結核

肺結核による入院は全身状態以外に、他人への感染の危険性があるかどうかによっても入院治療をするかどうかが決まります。

他人への感染の危険性とは簡単に言うとタン(喀痰)の中から結核菌が検出されるかどうかです。

結核を疑う影が認められてタンの検査をするときにすぐに結果が返ってくるのは塗抹検査です。

これは、痰に染色液で色をつけて顕微鏡でのぞいてそれらしい菌がいるかどうかを見る方法で、だいたい1時間から2時間程度でわかります。

ただし、抗酸菌をみてるわけで結核菌以外の菌をみている場合もあります。

この結核菌以外の菌を総称して非定型抗酸菌症と言います。

ちなみに、結核は定型抗酸菌と言うこともあります。

非定型抗酸菌症のことをNTM(Non Mycobacterium Tuberculosis)と言います。

どんな菌があるかですが、多いのはM.avium complex(=M.intracellulare+M.avium)
次いでM.kansasiiと言う菌種です。

M.avium complex(=M.intracellulareイントラセルラーレ+M.aviumアビィウム)とは、
MAC症(マック症)とも言われておりイントラセルラーレとアビィウムと非常によく似ているためにまとめて扱われることがほとんどです。

ちなみに、NTMの中の80%以上を占めていると言われてます。

その次に多いM.kansasiiカンサシーで頻度は10%以下と言われておりMAC症の多さが際だっています。

ですので、NTMとMAC症と同じ意味として話をすることが多いのです。

NTMと肺結核の一番大きな違いは他人への感染の危険性が歩かないかと言うことでしょう。

だから、タンからNTMが検出されても隔離する必要は特にありません。

土壤や水中からも検出される菌だからです。

土壤や水の中にいる菌ですので、タンから一回だけ検出されてもNTMだと診断することはできません。

気管支鏡検査(肺カメラ)や複数回のタンの検査で検出して初めて診断できます。

また、はっきりとした理由はわかっていませんが、罹る人と罹らない人がいるようです。

MAC症は、いろいろ話したいことがありますので、次回に詳しくしたいと思います。

『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。

ちなみに、M.kansasiiカンサシーは、画像的にも非常に肺結核と似ています。

ですので、肺結核を強く疑うけど、遺伝子を増幅する検査でもなかなか診断がつかないとき培養の結果(2から4週間程度時間がかかる)でM.kansasiiカンサシーと判明することが多いのです。

M.kansasiiカンサシーは、結核治療薬がよく効いて1年から2年弱の治療期間で治癒することが多いです。

では、次MAC症の話題を。


症状の事を忘れていましたが咳とかタンとかです。

血痰を伴うこともあり症状的には結核と区別がつきません。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

抗がん剤の分類 
2009/07/09 Thu 12:55
『抗がん剤について』

『分子標的薬の分類』

抗がん剤について、今までも何度かエントリーをあげてきました。

でも、いわゆる殺細胞性抗がん剤の分類の話はしていませんでした。

なぜかというとややこしいからです。

なんかとっつきにくかったのです。

でも、ずいぶん理解できるようになりました。

なぜかというと抗がん剤の分類には

・作用による分類

・化学構造による分類

・原材料による分類

など分類方法が何種類かあります。

その何種類かの分類方法をごちゃ混ぜにして分類していたからややこしかったのです。

『新臨床腫瘍学』と言う教科書があります。


その中では、抗がん剤以下のように分類されています。

・アルキル化剤
構造の中にアルキル基を持ち、DNA塩基にアルキル基を結合させることによりDNA複製を阻害(つまり細胞分裂出来なくなり)細胞死を起こす薬剤。

・白金製剤
その名の通り白金(プラチナ)を含む薬剤。
DNA鎖同士を架橋形成して(くっつけて)DNA合成を阻害する薬剤。

・代謝拮抗剤
必要な代謝物と間違えて細胞内に取り込み細胞死に導く薬剤。
正常な代謝物と似た物質。

・トポイソメラーゼ阻害剤
DNAが複製、転写などをズムーズに行うために必要な酵素(トポイソメラーゼ)を阻害することで細胞死をもたらす薬剤。

・抗がん抗生物質
微生物が産生する物質でがんの増殖を抑える物質の総称。
トポイソメラーゼ阻害剤など他に重複して分類される薬剤もある。

・微小管阻害剤
微小管は、細胞分裂をするのに不可欠な働きをするがその働きを阻害する薬剤。
タキサン系とビンカアルカロイド系のみである。

など書いてありますが、他の分類をみると上記以外にも

・植物アルカロイド
植物由来の抗がん剤。
タキサン系、ビンカアルカロイド系、イリノテカンなど

ですので、植物アルカロイドの中に微小管阻害剤は含まれることになりますよね。

難しかった方『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。

今まで同じ薬剤が教科書によって分類される場所が違うことがあったので???だったんですよね。

このことに気がついてようやくすっきりしました。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

人間は汚い!? 
2009/07/06 Mon 13:18
CATEGORY【診療】
『帰ってきたら、手を洗いなさい。うがいをしなさい。』といわれたことを思い出します。

人の身体には1000もの細菌がいるようです。

しかも、皮膚だけに。。。

腸内細菌などもあわせたら凄い数になりそうですね。

『人の皮膚に1000種の細菌』

>研究チームは、20~41歳の健康な男女10人に、採取前の24時間は入浴しないよう求め、それぞれの体の20か所を綿棒でこすって皮膚を採取。皮膚の中の、細菌由来とみられる遺伝子の塩基配列を調べた。

やはり、入浴で菌は減るのでしょうかね。

そのあたりのデータも知りたいですね。

どうなんでしょう。

>優勢な種が、体の部位によって大きく異なることもわかった。研究チームは「湿っぽいわきの下と、体毛がなく乾燥した前腕とでは、熱帯雨林と砂漠ほどの違いがある」とみている。

まあ、普通に考えたらそうでしょうね。

>皮膚の細菌には、古い細胞や皮脂を食べたり、他の病原菌を撃退したりする善玉菌も含まれる。細菌の生息状況に異変が生じると、人の健康状態にも影響が出ると考えられ、この分析結果を基に、皮膚細菌の研究が進むことが期待される。

抗生剤などでこれらのバランスを崩す方が問題になることもあります。

そう考えると、過度の手洗いや消毒は必要なのかな?とか考えます。

昔と比べて環境もきれいになっています。

さらに日本人は、清潔好きな人が多いですからね。

『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。

小ネタでしたね。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

世界一だったのね 
2009/07/04 Sat 10:33
『橋下知事「隠蔽体質、改善に努める」 タミフル耐性ウイルス検出発表遅れ』



大阪府が、抗インフルエンザ治療薬「タミフル」に耐性を示す遺伝子変異を確認しながら、約2週間にわたって公表せず厚生労働省にも報告していなかった問題で、橋下徹知事は3日、「情報を隠そうというのが行政の体質。すぐには変わらないかもしれないが改善に努める」と謝罪した。府庁で報道陣に述べた。

府は6月18日に遺伝子変異を確認していたが、知事へ連絡があったのは厚労省への報告から1日たった今月2日午後10時ごろだったという。

橋下知事は「(耐性ウイルスであると)確定してから発表しようと思ったのだろうが、速報性の重要さを認識しなければならない」と強調した。



これって、もしかして世界で一番はじめにタミフル耐性新型インフルエンザを見つけたってことじゃん。

日本は、タミフルの使用量半端じゃないですからね。

当然といえば当然のような気もします。

わかっていたのに公表しなかったのは橋下知事が言うように問題でしょうね。


しかし、他の国からみたら日本は危ない国と見られてるような。。。

麻疹輸出国と言われているように。

また、日本が。。。なんて思われてるんじゃないでしょうかね。

ちゃんとしようよって思う方『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。

小ネタでしたね。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

臓器移植 再び 
2009/07/02 Thu 12:48
もうずいぶん前から、いろいろな移植が行われています。

角膜移植、腎臓移植、心臓移植、肺移植、肝移植、骨髄移植などなど。

生体間の移植もあれば、死体からの移植もあります。

生体間の移植では、ドナーを傷つけなくてはいけないと言う問題もあります。

死体からの移植でも心臓死を死とするか、脳死をもって死をするかで異なります。

世界の多くの国は、脳死によって移植を行っているので日本での移植の件数は諸外国と比べると非常に少ないです。

特に、現時点で小児の脳死移植などを行うことは不可能です。

今までは、移植が必要なお子さんは、海外で移植を受けることが多かったのです。

問題点をあげれば、全く保険が効かないこと。

莫大なお金がかかります。

何千万円から億程度のお金がかかります。

募金のはなしなどはよく聞きますよね。

募金に絡む詐欺などもあるようです。

また、その国の助かる命をもらっている一面もあり臓器売買と思われることもあるようです。

『臓器移植』のエントリーも参考にしてね。

それで、移植が行いやすいように法律を改正しようとしています。

個人的には、脳死移植をしなければ救えない命がありますので脳死を人の死とすることに抵抗はありません。

ただ、すべての人が脳死に賛成しているわけではありません。

もちろん、個々の意見ですので脳死に反対の意見もあってもいいと思います。

脳死に反対するのであれば、小児の脳死移植は日本では出来ないことを納得しなければならないと思います。

日本で出来ないだけでなく海外に行って移植することもできないと。

つまり、日本人として生まれたとすれば移植が必要な病状であっても順番待ちすることすら叶わぬ夢であることを。

なぜ、世界の標準の脳死移植がここまで進まないのでしょうか?

また、小児で脳死移植でしか救えないなら救えないのです。

脳死移植が無理なら、人工臓器の開発を行うしか希望はありませんよね。

『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。

どこかで、人の死の線引きをしなければいけないですよね。

心臓死しか認めないならば出来る移植は限られます。

どこで線を引くかによって日本の医療は大きく変わります。

どうなるんでしょうね。


臓器移植「15歳未満認めるべき」74%…読売調査


なんだか少し安心しました。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体


copyright © 患者と医者をつなぐもの all rights reserved.


template by http://flaw.blog80.fc2.com
Powered by FC2ブログ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。