~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
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画像診断の限界 
2008/10/24 Fri 12:30
m3のブログに去年の9月21日エントリーした記事です。




がんと診断されたら、どんな治療法があるかを検討しなければなりません。
病期分類(どの癌腫でもだいたい1から4期まであります)をして、治療方針を決定します。

以下、肺がんについて述べます。
病期分類とは、T因子(原発巣の状態)とN因子(所属リンパ節転移の状態)とM因子(遠隔転移の状態)の3つの因子で決まってきます。(『肺癌取り扱い規約』なる200ページをこえる本があります。もちろん、他のがんにも取り扱い規約があります。)

ですので、この病期分類が微妙なときは、非常に悩むのです。
だって、治療法の選択によって治る確率がかわってくるんですから。
患者さんの人生を左右する事なんですから。

例えば、CT上リンパ節の大きさが1cmをこえれば転移ありと考えます。実際、手術してみたら1cmを超える大きさのリンパ節にがん細胞があった率は、8割程度です。(報告によっても異なりますが)

また、1cm以下のリンパ節でも、術前に気管支鏡で針でついて調べてみたらがん細胞を認め転移ありだったこともあります。

他にも、画像上はわからなかったが、手術したら、胸膜(肺を覆う膜)面にたくさんの転移がみつかったとか、実際に開けてみないとわからないことも多々あります。(ほとんどの場合は画像診断と一致する場合が多いのですが。)

PETの検査があるじゃないかと思われるかも知れませんが、完全ではなく、肺内のリンパ節の診断に関しては8割くらいしか正しくないのではないでしょうか?

病期分類には、臨床病期分類と病理組織学的病期分類とがあります。
前者は、主に画像診断です。後者は、術後に顕微鏡で見てどこまでがんがあるかによって決まります。(手術しない場合はわかりません。)

と言うことは、術前の病期分類と術後の病期分類がかわる事があると言うことです。(術前が1期で術後が3期なら手術しない方が成績がいい場合があります。)

われわれは、できるだけそんな事がないようにいろいろ検査で検討して治療法を選択します。
しかし、どれだけ、画像検査の技術が向上しても直接見ての診断ではありませんので、術前と術後の診断が100%一致する事はないでしょう。

しかし、患者さんにとってベストな選択になるようにいろいろな検査を行って画像診断の限界と戦っています。

他の、がん種でもほぼ似たようなものだと思います。
 
 
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医療って本当に難しいですね。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

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