~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
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5年生存率の読み方 
2008/06/03 Tue 12:30
m3に去年の10月7日にエントリーした記事です。



『がん生存率、施設別に初公表 患者の要望に応え』や『病院別がん生存率が公表に 施設ごとに大きな差 』などの記事が報道されています。

様々なブログで5年生存率に関する記事の内容に対する批判的な事が述べられております。

「がん治療成績公表」(がんになっても、あわてない)
がん5年生存率を公表…(うろうろドクター)
がんの5年生存率を公表(「やぶ医師のつぶやき」~健康、病気なし、医者いらずを目指して)
病院別がん生存率が公表に 施設ごとに大きな差 (東京日和@元勤務医の日々)
朝はか新聞の陰謀-1(さあ 立ち上がろうー「美しい日本」にふさわしい外科医とは)

当たり前です。こんな、単純に比較するものではありません。

全がん協生存率(1997年~1999年)を見ることができます。これは、部位別、臨床病期別に分類されています。

1期と4期では、どのがん腫でも大きく違うことが分かると思います。
胃がんなら1期が99.0%、4期が6.2%
乳がんなら1期が98.5%、4期が29.4%
前立腺がんなら1期が100.0%、4期が47.8%
肺がんなら1期が76.5%、4期が3.1%

上に挙げたブログに書かれているように、新聞などで報道されている記事の内容は、全く意味のないものです。

1期と4期が混在しているデータを比較すること自体無意味です。
また、症例数が少ないとばらつきが大きくなりがちです。
国立がんセンターには、比較的若い患者さんが多く地方の病院では、高齢者の割合が多いと思われます。(北海道がんセンターの肺がんの5年生存率のページのコメントに『手術症例数が少なく、高齢者、重複癌が多いため、5年生存率が悪かった。』とあります。)

全がん協のHPへ行くと臨床病期別5年生存率を閲覧することができます。

肺がんの場合10施設が公表しております。
1期に関しては58.5%から84.9%までのばらつきがあります。
ちなみに1a期と1b期とがありで5年生存率は、約20%異なります。もちろん、1a期と1b期両方合わせたデータです。
これも、あまり比較する意味が無くなっています。
しかも、国立がんセンター中央病院は、臨床病期別のデータを出していません。

2期に関しては、症例数が少ないため(不正確なため)データを出していません。

3期に関しては、7.5%から34.6%までばらついております。
3期の症例については、診断とくにリンパ節の転移の状態が画像診断だけでは非常に難しい面があると言うこと。
手術と内科的治療(抗癌剤や放射線治療)の境界領域であり施設によって基準が異なり単純に比較できません。

少なくとも、肺がんに関してはすべてのデータを見ても専門家からしたら『ふーん』と言うぐらいでどの施設がいいかなどと比べる気も起こらない程度のデータしか公表されていないと言うことです。

国立がんセンター中央病院が臨床病期別のデータを出していなかった事が一番の驚きです。

肺がんに関してしか見てませんからね。他のがん腫はわかりません。このようなデータは専門家が見て解説しないと意味のないものだと思います。

マスコミの方は、医療関係の記事を書くときは専門家にチェックしてもらってから書くようにしてはいかがですかね。個人のブログで書くならまだしも、影響力が大きいんですから。

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臨床病期分類はローマ数字を用いるのですが、文字化けを防ぐため使用しておりません。




何の記事かわからなくなってますね。
リンクブログを読んでもらうと記事も引用されているのでどうぞ。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

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