~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
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2008/11/25 Tue 12:00
m3に去年の10月21日と23日にエントリーした記事です。




もうずいぶん前の事です。

Dさんは還暦をすこし過ぎた男性です。
血痰が出てきたため、近くの開業医に行きました。
そこで、胸部レントゲンを撮って肺癌の疑いがあると紹介となりました。

いろいろ検査をした結果、4期の肺がんである事がわかりました。
その事を、Dさん、奥さん、娘さんに説明しました。

Dさんは、十分に落ち込んでいます。
その状況で、奥さんはDさんに

『あんた、何悪い事したん?何か悪い事せえへんかったらこんな病気になれへんやろ。日頃の行いが悪いんや。』

主治医のE先生は、一瞬固まりましたが落ち着いた声で

『奥さん、わるい事したから肺がんになったわけじゃありません。
もちろん、喫煙による可能性は十分ありますが、タバコを吸わない肺がんも増えてますし、日頃の行いが悪いからと言ってがんになるものではありません。』と説明しますが、

奥さんは
『いや、何か悪い事したんや。』とつぶやいています。

もし、日頃の行いが悪ければがんになるなら、刑務所の中はがんだらけになるよね。
など考えるのですが奥さんに責められているDさんが可哀想でなりません。

『日頃の行いが悪いからがんになった。Dさんが悪い。自業自得だ』と
奥さんはDさんを責めます。

Dさんの抗がん剤治療が始まっても奥さんは事あるたびにDさんを責め続けます。

何度か、E医師は奥さんの誤解を解こうと説明するのですが奥さんは真剣に信じています。

副作用が結構強くでて、かなりしんどそうです。
それでも、奥さんに責められています。日頃の行いが悪かったからだと。

さらなる不幸がDさんを襲います。
抗がん剤の効果がほとんど認められません。

その時に、奥さんはDさんに
『あんた、よっぽど悪い事してきたんやな。』
とつぶやきました。

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次回へ、続く。




前回は、ここで終わりにして、二日後にアップしました。

そのときのコメントが面白いです。

みんな、早く読みたいようで、、、、

http://blog.m3.com/yosshi/20071021/1#comments






では、続きをどうぞ。




『あんた、よっぽど悪い事してきたんやな。』

肺がんになって、頑張って治療したにもかかわらず、あまり効果がなく落ち込んでいるDさんに対して奥さんは

『あんた、よっぽど悪い事してきたんやな。』

という言葉を投げました。

E医師を含めてナースなど医療関係者は、Dさんに悪い事したからやないよ。奥さんがどう言っても気にせんといてくださいね。と説明するほか方法がありませんでした。

初回治療にほとんど効果を認めなかったDさんにギアチェンジを行わなければなりませんでした。
そして、Dさんは家で孫と遊ぶと言い残し退院していきました。

それから程なくDさんは家での生活がしんどくなってきたため再入院してきました。

徐々に衰えてきました。
外出するのもしんどくなってきました。

孫の運動会があるそうです。

『Dさん、頑張って外出して、お孫さんの元気な姿みてきたら。』
『いいんですか?』

Dさんは、外出に前向きです。

奥さんに話しをしてみると
『学校で倒れられたら困るからやめて欲しい。』との事。

もしかしたら、外泊、外出する最後の機会かも知れないと説得するも聞く耳を持ちません。

Dさんも奥さんがうんと言わないから、病院にいるようです。

『Dさん、行きたいんやったら奥さんにもう一度言ってみたら?』
『いや、もうここに居ますわ。』

残念ながら、Dさんは、その後外出することもなく鬼籍に入りました。

その、少し前にDさんは、E医師に

『嫁さんな、ワシの事めちゃくちゃ言いよる思たやろ。でもな先生、あれでええとこおますねん。ワシがおらんようになったら嫁がこまりますねん。ああ見えて気が小さいですねん。だから、余計ワシに強くあたりますねん。ワシは後悔してません。こんな、夫婦の関係もおますねん。先生方には、理解できへんかも知れませんけど。』

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Dさんは、奥さんとの今までの関係を病気になってつらかったときも保ったんですね。
Dさん夫婦にとっては普通の関係であったようです。



マーボーさん、正解です!すごい!




またまた、コメント大賑わいでした。

http://blog.m3.com/yosshi/20071023/1#comments

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

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