~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
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がんと自殺 
2008/07/30 Wed 12:13
今日は、重たい話です。

気が滅入ってる方は、読み進めないようにしてください。

この間、ある研究会に参加してきたのですが、がんと自殺の話でした。

幸い、私の医者人生で自分の担当患者さんが自殺したことはありません。

しかし、知人の医者の患者さんが病院内で飛び降りたりとかしたことは何回かあります。

研修医の頃はがんの病名を伝えるだけで、その方の自殺には気をつけるようにと教えられました。

今は、あまりそのような事を細かく言わなくなったと思いますが。

しかし、がん患者さんの0.2%の方が自殺で命を落としているそうです。

その頻度は、がんでない方と比べると約2倍高いそうです。

がんと診断されて1年以内であることが多いそうです。

そして、男性、進行がんに多いようです。

何となく理解は出来ますね。

終末期であれば、痛みが出現したりして、精神的にも落ち込んでまた、周りのサポートの薄い方が『死にたい。』と周囲にもらすようです。(希死念慮と言います。)

この『希死念慮』の意味ですが、多彩な意味が含まれているようです。

『「生きたい」と言うことに対する逆説的表現。』であったり、

『今現在や将来起こりうるであろう耐え難い苦痛に対する援助の求めや対処法。』であったり、

『自身をコントロールするための主張。』であったり、

『自分のことに関心をいだいて欲しい。』や『家族から見捨てられる不安』であったり、

『悲嘆や苦悩』や『だんだん状況が悪くなっていく過程のつらさ。』などを意味していることが多いそうです。

希死念慮は、進行がんにおいて、身体的な機能が低下していて、痛みなどの症状があり、うつ状態になっている場合に多いのです。

ただ、『死にたい。』と口に出す方のほとんどは、生きる事への援助を求めていることが多いのです。

ですので、サポートが必要なのです。

家族の方の支えでもいいですし、心理カウンセラーや場合によってはナースや主治医が支えることもできます。

そして、過去に自殺企図があったかや、若くしてお亡くなりになった家族はいないかの確認をしなければなりません。

希死念慮の患者さんに対しては、自殺することは悪いことと批判するのではなく、なぜ、そう考えたのかなどありのままの心をさらけ出してもらうことが大切です。

と同時に希死念慮の強さや計画性を持っているかなども評価していかねばならないでしょう。


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万が一、自殺してしまった場合は、家族、医療スタッフへの対応(心のケア)が一番肝心です。

決して、個人を責めてはいけません。

無念な気持ちは誰もが同じなのですから。

何が悪かったかを話し合ってはいけません。

いろんな行為が悪かったことに思えてくるからです。

『この経験を次に生かすようにする。』を第一に考えなければなりません。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

タグ : がん 自殺

コメント
この記事へのコメント
28日以降のエントリー
いつもなら自分の感じる事を思うままにコメント出来たのに、
最近のエントリーに何故か思いを上手く言葉にできないのです。
昨日も色々考えて、結局まとまらなくなってしまいました。

重いお話は今迄にもあったし、何故なんだろう?
考えさせられる記事が多いので、頭が疲れているみたいです。
また出直して来ます。(^_^;)
2008/07/30(水) 17:03:16
URL | ガーネット #0ll.HrS2[ 編集 ]
わかるような・・
先月担当医との行き違いから「死神に会いたい」「death noteが欲しい、ノートには自分で名前を書きたい」なんて二週間位悩みました。なんかもう、頑張れなくて。なら、私が消えたいと。
私を良く知るカウンセラーは「あなたは(病気以外にも)数奇な人生歩んできたのだから」と前置きして、「それなら死神に会いたい気持ちもわかるわ」と言ってくれました。

ある意味救われました。
だって生きたいのに、何処からも生きろー、生きろーと強要されているみたいで辛かったから。


2008/07/30(水) 19:25:45
URL | ツーさん #-[ 編集 ]
ガーネットさん
お疲れなら、ゆっくり休んでください。
また、コメント入れたくなったら入れてくださいね。

過去記事でも全然OKですから。

ツーさん
人と人とのつながりは、またと同じものがないような気がします。
ですので、カウンセラーにはカウンセラーの役割が、担当医には担当医の役割があります。
それぞれの人とのいいつながりを持つようにしてくださいね。

2008/07/30(水) 21:21:29
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
初めてコメントします
いつもは楽しく読ませていただいてましたが
「自殺」
は考えませんが、自分の命はいらない。とは思います
書かれてることとはちょっと違いますが
同居してます
それから逃れたい。という気持ちです
こんな病気になってまで今の状態を続けていくのかと思うと、どうなってもいい。って気持ちになります(姑は長生きしそうなので(^_^;))
書くには歴史がありますから難しいのですが
要するに「逃げ」です
でも、その逃げでどうなってもいい。という気持ちにさせることが本当は問題なんですよね
病気を苦にして、ということもありますが家庭環境でそう思うことも多いと思います
2008/07/31(木) 21:24:10
URL | ran #LA1CAGAE[ 編集 ]
>逃げでどうなってもいい。という気持ちにさせることが本当は問題なんですよね

そうなのかも知れませんね。
逃げたくて、死んだ方がいいかなって思うのかも知れません。

そう言う場合は、カウンセリングなど有効に機能するのかとも思いますね。

まあ、自殺したいと思うに至るにはいろいろな理由があると思いますけど。
2008/08/01(金) 00:07:59
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
検索でこちらの記事を拝見しました。
時期はずれのコメントになりますがご容赦ください。
私の配偶者は進行がん発覚後2ヶ月で自死しました。
手術を乗り越え抗がん剤も飲みました。退院3週間後のことでした。
手術はしたものの生きられる可能性はとても低い、しかし見た目は健常に近い、そして、励まされる。
このアンバランスさに耐えられなかったのだと思います。
末期がん患者の尊厳死についてはさまざまな議論がありますが、
このようなケースは社会的に抹殺されている感を受けます。
今のところ何の情報も共通体験も得ることができません。
誰からも何もケアはありません。
あるのは無視、困惑とタブー視という現状です。
2008/12/02(火) 05:53:19
URL | 匿名 #mQop/nM.[ 編集 ]
匿名さん
大変な経験をお持ちになられるのですね。

>このアンバランスさに耐えられなかったのだと思います。
末期がん患者の尊厳死についてはさまざまな議論がありますが、
このようなケースは社会的に抹殺されている感を受けます。
今のところ何の情報も共通体験も得ることができません。
誰からも何もケアはありません。
あるのは無視、困惑とタブー視という現状です。

この分野の専門として精神腫瘍学(サイコオンコロジー)という分野があり、その専門家もいますが、まだまだ普及していないのが現状です。

遺族外来を始めた施設もあるようです。

決してタブーではありません。

ただ、人材が少なすぎることが普及しない一番の原因だと思います。

匿名さんのような体験をする人が少しでも減るように努力をしていきたいと思います。
2008/12/02(火) 13:07:55
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
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