~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
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2008/12/13 Sat 12:23
もう、ずいぶん前のことです。

Cさんは、ある会社の社長さんでした。

病気は、やはり肺がんでした。

肺がんがわかった時、第一線を退き、名誉職として会社にとどまりました。

と言っても普通であればとっくの昔に定年になっている年齢だったのですけど。

もう何度も抗がん剤治療をしてきており、緩和医療へ移行していきました。

そんな、Cさんが体調をくずして入院してきました。

もちろん、そんな方なので入院はいつも病院で最も個室料の高い部屋を希望されます。

レントゲンを撮ると肺がんのない方の肺に影が出てきています。

どうも、肺炎のようです。

食事もほとんどとれていないようです。

抗生剤を使用するのですが、経過はあまり芳しくありません。

ただ、悪化もしていません。

家族の方に病状説明をしました。

『肺がんの広がりも以前よりも進んでいます。
また、肺炎も併発しています。

肺炎の治療を点滴で行っているのですが今のところあまり効果的ではないようです。
もしかしたら、急に状態が悪くなることがあるかもしれません。』

そして、容態が急に悪くなったときに蘇生をどうするかの説明も行いました。

つまり、人工呼吸器などを使うかどうかなどについて。

ただし、心の中ではまだきっと大丈夫だろうとの気持ちがあったために返事は聞かずにゆっくり考えておいてもらうことにしていました。

残念ながら、心配していたことが現実になりました。

ある日の夜中、確か午後の11時くらいだったでしょうか?

急に呼吸状態が悪化したとの連絡が入ります。

病院に駆けつけたときには、当直医によって人工呼吸器がつながっていました。

家族の方の希望があったようです。

その日は、バタバタとしたのですが、Cさんは、低空飛行のまま安定していました。

Cさんは、薬で眠らされています。

ひろい、特別室に人工呼吸器が酸素を出し入れする音がシュポー、シュポーと響きます。

それから、2週間ほど経ったある日のことです。

肺炎の進行がみられ、人工呼吸器からの離脱はほぼ不可能な状況となっています。

ある日、特別室に大勢の人が集まっています。

普段とは前線違う雰囲気です。

そう言えば、今日はCさんの誕生日だったのです。

77歳です。

喜寿だったのです。

意識のないCさんの前で、みんなでケーキを食べています。

『おめでとう。』とか言いながら。

不思議な光景でした。

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その日から数日後Cさんは、永眠されました。

ご冥福をお祈りいたします。



Cさんの意識があれば、この光景をどう思ったのかが気にかかります。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

コメント
この記事へのコメント
意思表示しないと・・・
やっぱり家族は人工呼吸器付けたがるんですね。
自己満足の世界だと思う。バースデーケーキも。
今も家族は付ける事を希望する人が多いのでしょうか?
割合はどのくらいなんでしょう?

ところで恥ずかしながら人工呼吸器を付けている時は、薬で眠らされて
いるという事を知ったのは一年ほど前の事でした。
意識が無くなり人工呼吸器を付けるのだから、当然眠っているもんだと
思っていたのです。

人工呼吸器付けていたのを外すと、どういう状態になるのですか?
苦しむと聞いたのですが。
兄が付けていたのを外したので、ずっと気になっていた事です。
2008/09/11(木) 00:12:38
URL | ガーネット #0ll.HrS2[ 編集 ]
家族としては、できるだけのことをしておきたいと言う気持ちになるようです。

本人の気持ちを考えると???何ですけどね。

人工呼吸器ついていても意識ある場合もありますよ。
2008/09/11(木) 19:00:58
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
呼吸をしてる事でつながってる
人工呼吸器の選択は難しいですね。自分なら、ソコまでして生きてるより、自然な形で、この世を去りたい気が…。でも、対象者が子や夫、親きょうだい…少しでも生きていて欲しい。会えなくなりのは辛い。矛盾してるけど。

意識の無い患者の周りで、ケーキでお祝い…私もしてしまうかもしれません。状況は違いますが、肺癌ステージ4の姑の誕生日が数日前で、先週末に外泊の折りに、早めにケーキでお祝いしました。で、次の抗癌剤治療を年内にやるかの相談をした結果、年末年始を家で過ごす事が大切との主治医の意見もあり(多分、来年が分からないから)一時、退院する事になりました。

退院当日は本人の誕生日で、ちょっとしたプレゼントに。夜に再び、ささやかながらも、本人の好物の鰻丼やケーキでお祝いし、ゆっくり入浴してもらいました。

しかし、翌朝急変し、救急車で搬送。結果は転移した脳腫瘍を以前、ガンマナイフ治療した所の血管がもろくなっていた部分の出血による右半身麻痺でした。

しばらく、救命救急センター入院し、その後は脳外科病棟でリハビリらしいです。呼吸器内科の主治医も驚いて駆け付けてくれましたが、こうなると抗癌剤治療も難しそうです。

何が本人に幸せなのでしょうか? 病発覚後、四ヶ月余り、ほとんど病室に拘束されてました。まだ呼吸の乱れや胸が苦しいとかの症状は無く、肺や脳の腫瘍が肥大するのを抑制する治療。本人は何もしないで、居たいと少なからず、考えてたのを『やった方がいいらしいから』と今まで治療して来ました。

今年、79歳になる姑…どうしてあげたら、良いのか不安です。
2008/12/13(土) 20:29:08
URL | 虹 #-[ 編集 ]
>何が本人に幸せなのでしょうか? 病発覚後、四ヶ月余り、ほとんど病室に拘束されてました。

主治医の立場からすると、治療をするよりも家で過ごす時間をとった方がよいと感じることも多いです。
ただし、家族の方や本人がもっと今できることがあるのではないかと思われる事も多く、そして、本当に大切な時間が亡くなる場合もあります。

個人、個人、全く同じ病状はないわけで、それがさらに難しさを強くしています。

何がいいのかいつも模索しています。

2008/12/14(日) 12:37:02
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
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