~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
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治験薬の副作用 
2009/01/15 Thu 12:47
毎日
『治験薬副作用で死亡 遺族「他に治療法あった」--大阪地裁』
魚拓

時事通信
『「治験優先で死亡」と提訴 近大病院の抗がん剤投与』
魚拓

読売
『治験薬で死亡 遺族「医療ミス」と近大などを提訴』
魚拓

記事の内容を見ると当時71歳の男性で2005年から同病院で治療を開始、翌年4月にこの治験をすすめられたようです。

いろいろ調べてみると、日本でマツズマブ単剤の第2相試験が行われていたようですのでこれに参加されたのでしょうね。

臨床試験に参加したのだが、残念ながら薬剤性肺炎の副作用でお亡くなりになったようです。

臨床試験とは、拙ブログで恐縮ですが、
2007年9月7日のエントリーの中で

『臨床試験は、参加する患者さんのためのものではなくて、5年後の同じ病気の患者さんのために行われているものです。もし、臨床試験に参加するならそのことを十分に理解した上で参加するようにしてください。』と書きました。

臨床試験(治験を含む)の目的は、今後の標準治療を作ったりとか今後の有望な治療を見つけたりとかある特定の患者さんに効く治療は何かなどを見つけるために行うものです。

理論的によりよいと考えたり、過去の試験の成績でよいものが次の試験に選ばれる治療になります。

そして、現在の標準治療と比べてそれで認められればエビデンスのある治療を認められるのです。

ですので、試験の意義を理解して参加されていれば、予期せぬ副作用で命を落とすかも知れないことはわかると思うのですけどね。

あとは、試験に参加するときの同意の説明内容がどうであったかが問われるのでしょうかね。

ただ、参加している以上文書で試験に参加することを同意して参加されていると思うのですが。

ちなみに、マツズマブとは、抗上皮成長因子受容体(EGFR)抗体であり、去年大腸がんで認可されたセツキシマブ(アービタックス)と似た薬です。

厳密には違いますが、ゲフィチニブ(イレッサ)やエルロチニブ(タルセバ)ともかなり似た薬です。

ということは、薬剤性肺炎が起こることは可能性として予測できたのではないでしょうか。

現に、セツキシマブ(アービタックス)の重大な副作用として薬の説明書(添付文書)の書いてあります。

ということは普通は肺炎の副作用のこと説明していると思うんですけどね。

少なくとも、同意文書の中に記載はあったと思いますが。
(現物見てませんけど間違ってたらすみません。)

治験の説明の同意のサインなんて意味がないのでしょうかね。

標準的な治療がよければ参加しなければいいんですけどね。

いい結果になると思ってたら、悪い結果だったから、、、とだけは考えたくないですね。

いつも、1時間程度かけて説明して参加するかどうか考えてもらっているんですけど。

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まあ、仕方のないことかも知れませんけど。

ただ、許し難いのは、読売の記事です。

『医療ミス』ですって。

薬の副作用である肺炎が起こることは医療ミスなんでしょうか?

あきれてものが言えません。

本当にビックリしました。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

タグ : 近畿大学

コメント
この記事へのコメント
全国初の未承認薬の医療過誤訴訟に憂いています
過去に乳がんで抗がん剤治療を受けました。

報道だけでは詳しいことがわかりませんので、ハラハラしながら今回の訴訟の成り行きを見守っています。
一部の報道では【原告側は「学会の指針では、抗がん剤の治験対象を標準的な治療法がない患者に限っており、男性の場合は既存の化学療法をすべきだった」と主張。】とありました。
「既存の化学療法」が、具体的には何(薬の名前)を指しているのかが知りたいと思いました。
またその化学療法が存在することを患者さん(またはご家族)に説明しなかったとすれば、その理由は何だったのかが知りたいです。

とても心配なのは、ことの真相が明らかにされる前に「未承認薬は危険」という行き過ぎた認識が世の中に広まってしまうことです。そしてその結果、新しい薬が世の中に登場しにくくなることがないよう、祈るばかりです。
2009/01/15(木) 22:49:22
URL | ふじくろ #-[ 編集 ]
お任せ
患者、または患者家族は自分の病理を知り、標準治療を知る事から始めなければいけないと思います。
何を質問していいかも分からないので、医療側にお任せではいけないと、自分の体験から反省しました。

標準治療で始めても、副作用で継続できない場合標準を外れた治療になりますよね。
医師の説明と共に患者の質問力も問われると思います。
治験に関してはまさに患者、患者家族は藁をも掴む気持ちで参加する方も多いのではないでしょうか。
でも、ここで考えて欲しいのはよっしぃ先生が記事で述べられている事だと思います。

未知のお薬を試してデータを取るのだという事、決して夢のお薬を使っているのではない、危険が伴うのだという事を理解しなくてはいけないのだと思います。
メディアは治験で患者が不幸にも亡くなった場合、医療ミスと片付けるのではなく(もっと医療専門家が医療報道スタッフに加わればいいのに)、もっと治験とはどういうものか、どんなリスクがあるのかを私達に啓蒙するべきじゃないかと思います。
マスコミの影響力はすごいです。
医師が治験のリスクを患者に説明する以前の問題として、基本中の基本を私達は知らなくてはけないのだと思います。

ピンクリボンの啓蒙で少なくとも以前より乳がん検診の認知度が上がった様に(それでも検診率はかなり少ないですが)、治験のリスクについてもマスコミの力を借りたいものです。
2009/01/16(金) 10:39:54
URL | ガーネット #0ll.HrS2[ 編集 ]
んじゃあ2時間かけて説明しろよって書かれないために
 マスコミの報道の在り方については、私もガーネットさんの意見に賛成です。
 無知で学ばぬマスコミって部分は、多々アリと実感します。が、その一方で、絶滅するわけでもなし。。。ならば彼らを、正確な情報を一般人に送り届けるよう、動かした方が、お互いにお得かと。
 不況でスポンサー離れが進む今、企業の影響力も弱まり、まともな報道をしていかんと危ない報道機関もあります。マスコミを啓蒙するチャンスの時期でもあるように思います。
2009/01/16(金) 11:39:36
URL | christmas #-[ 編集 ]
ふじくろさん
>「既存の化学療法」が、具体的には何(薬の名前)を指しているのかが知りたいと思いました。

多分2回目以降の治療なので2回目の治療としてエビデンスがあるのは、ドセタキセル(タキソール)、ゲフィニチブ(イレッサ)、エルロチニブ(タルセバ)、ペメトレキセド(アリムタ未承認薬)などでしょうか。

イレッサやタルセバと同じような作用だと考えられますので倫理的にも問題ないように思います。

>またその化学療法が存在することを患者さん(またはご家族)に説明しなかったとすれば、その理由は何だったのかが知りたいです。

そうですね。そこはわかりません。説明したけど理解できていなかったのか?説明していないのか?

ただ、同意文書の中には書いてあるはずです。

>新しい薬が世の中に登場しにくくなることがないよう
全くその通りです。
進化を止めないで欲しいですね。
もちろん、悪いことは悪いでいいのですが、説明をしていないケース(もししていないとしても)はきわめてまれなケースですからね。

ガーネットさん
>標準治療で始めても、副作用で継続できない場合標準を外れた治療になりますよね。

その通りです。

『啓蒙』大事です。

治験って何なのかをよく考えて、よく理解して欲しいですね。

医療者以外からこのような意見を聞くとうれしいです。

christmasさん
>マスコミを啓蒙するチャンスの時期でもあるように思います。

ななのつぶやき漫画を広めて、医療がよくなるように頑張ってみてください( ^ω^ )
2009/01/16(金) 13:15:11
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
(|||゚▽゚||| )アヒャ~~ッ!
私も家族も、医療の大きな恩恵を受けましたので、自分の主治医を守るためにも、できることをしま~す!
2009/01/16(金) 14:24:41
URL | christmas #-[ 編集 ]
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