~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
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原発不明がん 
2009/02/07 Sat 10:15
久しぶりにがん関係の話しをしてみます。

原発不明がんとは、Cancer of unknown primaryと言われています。

『臨床的に注意深い全身検索や経過観察を行っても原発巣(どこのがん)が同定できない転移性腫瘍であり、多種多様ながん種を含んでいる。』

頻度は全がん種の2~5%といわれており、死亡後の病理解剖でも約70%が原発がわからないそうです。

ただし、特定の治療をした方がいいグループが報告されています。

頚部のリンパ節のみの扁平上皮がんだと頭頚部がんに準じた治療を行うとよかったりとか。

女性で腹膜転移のみのCA125が上昇している腺がんだと卵巣癌に準じた治療、女性の腋窩リンパ節のみの腺がんだと乳がんに準じた治療などなどです。

他にもありますが、その中に含まれなかった場合はどんな原発不明がんでもカルボプラチン+パクリタキセルの治療が選択されることが多いようです。

もちろん、本当に原発不明と考えるまでに臨床的に画像的に、また組織学的(顕微鏡的)にまた免疫染色なども行うのですがね。

いろいろながんが考えられるのにカルボプラチン+パクリタキセルの治療がほとんどなんておかしいですよね。

ただ、今の医療レベルではそれ以上検索しようもなくどこにも分類できないから仕方がないといえば仕方がないのですがね。

最近はマイクロアレイを用いて細胞の顔つきを見比べてどこから来たがんかを調べる方法が出てきました。

この方法では原発不明がんの70~80%がどこが原発かが推定できるようです。

もちろん、外れることもありますけど。

今、この方法で原発巣を推定して最も原発が疑われるがんの標準治療を行う臨床試験がなされているようです。

カルボプラチン+パクリタキセルの治療は、多くのがん種で用いられる抗がん剤の組合せであり、最大公約数的な意味合いもあるかと思われます。

ただ、特定の治療をした方がいいグループのがんであり、かつカルボプラチン+パクリタキセルの治療が標準的な治療でない場合は非常に有効な方法であると思います。

結果、楽しみですね。

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もちろん、原発不明がんにカルボプラチン+パクリタキセル以外の治療することありますよ。


ちなみに、自分で45000のキリ番を踏んでしまいました。orz

気持ちよいのはよかったですけど。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

コメント
この記事へのコメント
がんとしての少数派?
レアながんといいますか。
いや何でも少数派ってあるんですが、少数派にとって不幸なのは、有効な治療方法を見つけるのがむずかしかったり、最悪これといって効果的な治療法がなかったりすることなんですよね。

また、『滅多なことではお目にかかれない』のも、治療をまた困難にさせているのでしょうね。

2009/02/07(土) 13:45:52
URL | azuki #-[ 編集 ]
初めてコメントさせていただきます。

レアながん・・と言われれば、昨年の夏他界した義母もそんな感じです。
原発巣は肺なのですが、がんの大きさと広がりによって分類される進行度がよく分からなかったのです。(術後の病理検査で3期のBだと分かりましたが) 

手術の後で抗がん剤治療もしました。カルボプラチン+パクリタキセルではアナフィラキシーショックを起こしたため即中止。
それでシスプラチン+ビノレルビンに変更したのですが副作用が強く出て、更に脳への遠隔転移によって意識がなくなりそのまま残念な結果になってしまいました。

亡くなった後の病理解剖の結果を聞くと、脳に転移した病巣から出血が見られ、髄膜にも種をばらまいた様ながん細胞があったそうです。
他にも肝臓・すい臓・原発巣とは反対側の肺・
腎臓にも転移していて、壊死性の強いがんだったとのことでした。

抗がん剤治療を始めてから2ヶ月も経たないうちに意識がなくなってしまった理由が知りたくて病理解剖をお願いしたのですが、主治医にとっても過去にあまり例の無い患者だったみたいです。

2009/02/07(土) 15:00:48
URL | ダイヤモンドダスト #-[ 編集 ]
azukiさん
そうですね。
頻度は低いし、どこからのがんかがわからないからですね。

ダイヤモンドダストさん

術後3Bとわかれば再発のリスクはかなり高いです。
ですので抗がん剤治療をしたのでしょう。
残念ながら効果がないばかりか命を縮めてしまった可能性もあるのですね。
この様なことはたまにあり患者さんやご家族の方はもちろんのこと主治医も相当へこみます。

あとから考えれば抗がん剤をしなかった方がよかったのでしょうね。
ただ、抗がん剤を始める前はそれがよりよい選択だったのでしょう。

しかも、病理解剖の結果から考えると進行の極めて早いタイプだったのですね。

壊死性が強い=腫瘍の増殖が速くて腫瘍の内部へ栄養が届けられず内部が腐っている状態です。

ご冥福をお祈り致します。

2009/02/08(日) 09:49:35
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
癌の種類?
兄も原発巣がどこか分からないと言われました。
私はてっきり、ある癌が進行、転移が進み過ぎて原発が分からないと言う
意味だと思っていました。
こういう種類の癌と言う事なのですか?

大学病院から病理解剖の依頼がありましたが、病人の身体に死後もメスを
入れる事に抵抗があり、お断りしました。15年以上前の話です。
2009/02/08(日) 17:46:48
URL | ガーネット #0ll.HrS2[ 編集 ]
転移がたくさんあっても原発巣がわかる場合がほとんどです。

採ってきた組織(細胞)を病理の先生が顕微鏡で見るとどこから来たがんなのかの見当がつくことが多く、わからなくても画像検査などから原発巣の見当がだいたいつきます。

ただ、そんな検査をしてもどこが原発かが全く見当つかないことがありそれを原発不明がんといいます。

病理解剖してもわからないことも多いのですがね。

多分お兄様は、原発不明がんであったと推測されます。
2009/02/08(日) 22:29:49
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
そうだったんだ
こんなに経ってから分かるなんて・・・
よっしぃ先生の架けた橋、渡りました。笑。
これからも「こんな事も分からないの!」的な基本中の基本、学べたらと思います。
ありがとうございました。<m(__)m>
2009/02/10(火) 16:44:13
URL | ガーネット #0ll.HrS2[ 編集 ]
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