~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
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ギャップ 解剖 
2009/02/24 Tue 12:10
CATEGORY【診療】
以前、病理解剖についての話しをしました。

ただ、質問に対するお返事みたいな感じでした。

やっぱり、解剖中の事は生々しくて医療関係者以外の人に話するのはよくないと感じたからです。

ただ、リアルな病理解剖ではない話しをしたいと思います。

病理解剖の目的としていろいろあると思いますが主には以下にまとめられると思います。

①診断が正しかったかどうか?

②治療の効果はどうだったのか?

③死因と考えていたものは正しかったのか?

④続発症、合併症、偶発病変などはなかったのか?


①は、いいですよね。

②は、もっとよい治療方法があったかなどを検討するため必要です。

③は、①と似たようなものですね。

別の原因がなかったかどうかが興味ありますね。

④は、主治医としてはあまり予想していなかったものが見つかることが多いのです。


例えば、ごく初期の前立腺がんが見つかったりとか、非常に強い動脈硬化があったりとか。

こんな経験もあります。

肺がんの治療でイレッサを使用した患者さんがいました。

イレッサを始めて2週間ほど経って、肺がんのない方の肺に淡い影が出てきた。

医者ならまず、イレッサによる薬剤性の肺炎、感染症による肺炎、がんの増悪による陰影などを考えます。

そして、抗生剤なども効果がなく、そのまま命を落とされたならば一番疑うのは、イレッサによる肺炎です。(もちろん、実際は他にもいろいろ吟味しますけど。)

イレッサによる肺炎が強く疑われて、お亡くなりになられ、ご家族の方の承諾が得られたので病理解剖を行いました。

すると、イレッサにより肺炎が起こったと考えていた影の部分、実は肺がんだったことがあります。

がん性リンパ管症といって肺の中のリンパ管にがん細胞がつまってできた影だったのです。

病理解剖しなければ、薬剤性の肺炎と考えていたわけですから。

画像技術がいくら発達しても、顕微鏡で組織をみないとわからないこともたくさんあるのです。

本当に、病理解剖は勉強になります。

大腸ポリープがあったとか胆石が偶然見つかったみたいな細かい発見もありますけど。

今日は、病理解剖は非常に大切なものであることは当然なのですが本題はこれからです。

でも、長くなってきたし、本題は次回にしましょうかね。

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医者として、病理解剖をするためには、ご遺族にお願いしなければなりません。

タイトルからもわかるようにそのギャップについての話しです。

あるドクター(D医師)が知人と偶然出会い、どういう経緯かわかりませんが解剖の話しになったそうです。

そこで、D医師は一般の方との間に大きな隔たりを感じたとのことです。

それで、このエントリーをあげてみようかなと思った次第です。


病理解剖がいいよって内容ですけど、AI(チームバチスタの栄光で有名になった)もいいと思いますよ。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

コメント
この記事へのコメント
複雑な気持ち
半年前、治療の甲斐なく肺ガンで亡くなった義母の病理解剖をお願いしました。
抗がん剤治療を2クルー終了してすぐに容態が悪化し、またたく間に植物状態になってしまったことが納得できずにいたからです。

解剖の結果、生きていたときに分からなかった転移病巣のこと、抗がん剤がほとんど効かなかったことも分かりました。でも、知りたかった転移した時期については分かりませんでした。

義母の遺影に向かって「こうだったんだって・・」と報告しても、義母にとって解剖したことが本当に良かったのか、時間が経過するほど分からなくなっています。
それは、家族としての感情的な部分を大きく占めているからなのでしょうね。

2009/02/24(火) 15:49:46
URL | ダイヤモンドダスト #-[ 編集 ]
ダイヤモンドダストさん

イヤなことを思い出さしてしまったようですみません。
抗がん剤は、たまに治療しなければよかったと思うことがあります。

>知りたかった転移した時期については分かりませんでした。

これは、解剖してもわかることはほとんどないと思います。

>義母の遺影に向かって「こうだったんだって・・」と報告しても、義母にとって解剖したことが本当に良かったのか、時間が経過するほど分からなくなっています。
それは、家族としての感情的な部分を大きく占めているからなのでしょうね。

ご遺族の方の感情は、ご本人さんとの関係や病気の進行の早さによっても異なると思います。

誰しも、身内に対して感情が大きくなりすぎて冷静な判断が出来なくなることが多いです。

ですので、結果論ですがしないよりもしたことによって多くのことがわかって良かったんだ。と考えていいと思うのです。

しなくても、しておけば良かったと思うことは間違いないでしょうし。

こうやって、思い出すだけできっと喜んでくれていると思いますよ。

2009/02/24(火) 22:04:28
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
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