~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
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抗がん剤が漏れたら 
2009/04/18 Sat 09:56
抗がん剤が漏れたらどうなるか知ってますか?

その前に、一般的な抗がん剤(=分子標的薬でないいわゆる殺細胞性抗がん剤のこと)の多くは点滴で投与されます。

抗がん剤よくわからない方は、過去記事参照ください。→『抗がん剤について』

多くの場合は、腕の血管の中に柔らかい針を3から5センチほど入れてその針を通して点滴します。

ですので普通にしていればまず、漏れることはありません。

ただ、トイレに行ったときに点滴が入っているのを忘れて引っ張ったりしたら漏れるかもしれません。

あとは、血管が細い人が抗がん剤によって血管の内側が炎症を起こしてしまって漏れたりすることもあるようです。

漏れたら周囲の組織に炎症を引き起こします。

炎症が軽ければあまり問題ないのですが。
(軽い発赤・腫れ・痛みの皮膚症状程度ですぐによるなる。)

薬剤の種類によっては数時間~数日後にその症状が増悪し、水泡→潰瘍→壊死形成へと移行する場合があり、場合によっては外科的な処置が必要となることもあります。
(直後は何もないことがあるので注意が必要です。)

特に気をつけなければならないものとして、壊死性抗がん剤と呼ばれるものがあります。

皮膚毒性が強いものです。

ドキソルビシン(アドリアシン)、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、イダルビシン(イダマイシン)、エピルビシン(ファルモルビシン)、アムルビシン(カルセド)、マイトマイシンC(マイトマイシン)、ミトキサントロン(ノバントロン)、ビンクリスチン(オンコビン)、ビンデシン(フィルデシン)、ビノレルビン(ナベルビン)などが挙げられます。

パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル(タキソテール)も含まれていますが皮膚毒性は上記の薬剤と比べると軽いといわれています。

もし、漏れたことがわかったらどうするか?

まず、点滴を止めます。

そして、陰圧をかけながら(つまり薬剤を少しでも体の外に吸い出し)ながら針を抜きます。

もちろん、医療従事者を呼んでくださいね。

基本は、冷やします。

リバノールシップなどがよく使われます。

また、ステロイドの塗り薬やステロイドの皮下注射を行うこともあります。

ある種の薬剤(ビンカアルカロイド系=ビンクリスチン(オンコビン)、ビンデシン(フィルデシン)、ビノレルビン(ナベルビン)など)では、冷やすよりも温めた方がいいとの説もあります。

しかし、動物実験の結果でありこと、43度から45度の火傷をしかねない温度での報告であること、また温めた方がよくなかったとの報告もあり基本は冷やす方針でいいかと思いますよ。

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実際どうなるか写真とかもみたい方はこちらをクリック

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

コメント
この記事へのコメント
質問があります
点滴での抗がん剤投与は経験していないので、勉強になりました。
ところで、ちょっと確認したい事があるのですが、抗がん剤投与で注射針を刺す時と抜く時に、生理食塩水を流し血管を守るという方法でやってる方がいたのですが、これは有効だと考えられますか?
2009/04/18(土) 10:50:54
URL | ガーネット #0ll.HrS2[ 編集 ]
こんにちは☆
去年ビノレルビンの点滴をしている時、知り合いの人もビノレルビンをしていたのですが、その人が点滴が始まってすぐに、漏れている事に気づき、後から大変なことになっていてビックリしました。

最初は赤くて少し痛みがあるだけだったのですが、後、爛れていて皮膚がでていました・・。
怖すぎでした!
酷いと骨が見えることもあると聞きました。

私は痛みが出た事があるくらいなんですが、抗癌剤って怖いですね・・。
これからも漏れない事を祈るばかりです(^^;)
2009/04/18(土) 11:53:15
URL | MIKA☆ #-[ 編集 ]
ガーネットさん
抗がん剤の投与前後で抗がん剤でない点滴をするのはごくごく一般的なことだと思います。
入れるときと抜くときが漏れる可能性があるので、抗がん剤でない点滴を使うことが多いです。

答えになってますよね。

MIKA☆さん
ビノレルビンはやばいと思います。
漏れないように、患者さん自身も気をつけていただけたらと思います。
よろしくお願いします。
2009/04/19(日) 00:18:17
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
あ!
オンコビンは、愛犬も悪性リンパ腫で使いました。
「漏れると厄介なので」って言われましたっけ。

とはいえ、犬が全く動かないワケもなく。
KOされたボクサーの顔みたいな色になったのは、そのせいだったんですね。

私自身は、まだ抗ガン剤は未経験ですが。
いわゆるルート点滴が漏れやすいタチです。
腕に全く血管が見えないので、手の甲とか手首とかに刺されちゃいます。←やたら痛い!

動かす部位の上に細く漏れやすい。しかも何故か、刺そうとするとツルっと逃げる(?)ので、やりにくいナース泣かせの患者なんだとか。
タコ部屋で後回しにされたり、「無理だから後で先生に頼んでおくネ」と逃げられたり…。

抗ガン剤に比べたら、ステロイドも抗生剤も大した影響はないんでしょうが、それでもあの痕はイヤなものです。
今度点滴したら、ぜひ湿布試してみます(笑)。
2009/04/19(日) 03:36:36
URL | 女王様 #-[ 編集 ]
イヌにも抗がん剤治療するんですね。
抗がん剤保険効かないから高いでしょう。

漏れやすいんだったら、中心静脈ポートを埋め込んでからの方が安全に出来そうですね。
2009/04/19(日) 18:48:49
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
漏れたことあります。
CEFのepirubicin中でした。
針の向きが不安定で、落ちにくくなってるなと思ってたら、漏れてました。

腕は打撲した後のように真っ青になり、半年以上、消えなかったです。

冷やしたりはしなかったです。ただでさえ、落ちにくく、ホカロンで温めていたくらいなので、そのときも針を刺しなおして続行でした。
抗がん剤が効いて腫瘍が小さくなったからいいものの、これで効果無しだったら、クレーマーになる気持ちも少しはわかります。。。
2009/04/20(月) 10:31:26
URL | マカロン #bWZdFEcQ[ 編集 ]
マカロンさん
大変でしたね。
点滴が落ちなくなった経験はありますが、明らかに漏れた経験はないので、実際どれほどになったかは知りません。

やはり、大変そうですね。
2009/04/20(月) 12:44:13
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
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