~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
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2009/04/14 Tue 12:35
今までは、仕事があるから頑張れると仕事を任そうとしなかったのですが、

『そろそろ任せていかないといけないなぁ。』

とつぶやいています。

しかし、どうも会社の重要な部分を他の人に任せることはなかなかできなかったようです。

しばらくして、再び息切れが出てきました。

Mさん自身もだんだんとしんどいと感じていて自身でもそろそろ危ないかもと感じられたのかもしれません。

あるとき

『先生、長くないよな。』

『正直、Mさんに残された時間がどれだけあるのかわかりません。
Mさん、なぜそんなことを?』

『そろそろ、あぶないんやったら仕事を真剣に考えなあかんからなぁ。』

『わかりました。正確な時間はわかりません、ただ、今までの経過を見ると長くはないような気がします。』

『わかったわ、ありがとう。』

考え方の切り替えは非常に早い方でした。

会社の経営をすべて任せてMさんは、Mさん自身のために残りの時間を使おうと考えたようです。

『先生、したらあかんことはある?』

『Mさんがしんどいと感じなければ特にないですよ。』

『ハワイに行きたいけどなぁ。』

『Mさん、今の呼吸状態で不可能ではないけど難しいんじゃないですか。飛行機の上は酸素濃度低いし。』

『無理かな?』

『どうしても、行きたいなら止めないですけど、いつどうなるかわからないのがこの病気だから紹介状は絶対に持って行ってもらいます。
あと、最悪の場合を想定しての話ですけど、むこうで入院して日本に帰って来れないかもしれない覚悟はありますか?』

『・・・・・、少し考えるわ。』

そう言い残してMさんは帰りました。

次にきたとき、

『やっぱ、ハワイは無理やな。やめとくわ。
そのかわり、めいっぱいワガママになるわ。』

『・・・?』

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『残された時間は短いやろ。
めいっぱい好きなことするって意味や。』

それから、Mさんは、旅行を楽しんだようです。

旅行から帰っては次の行き先を探して、何かことあるごとに

『時間がないんや。
今、行かんかったら、もう二度と行かれへん。
今、せえへんかったら、もう二度とでけへん。』

と口癖のように家族にワガママを言ったようです。

また、家族や友人もMさんのワガママに最大限に応えたそうです。

Mさんが、ワガママになってから2ヶ月もたたないある日。

自宅で永眠されたと連絡が入りました。


テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

コメント
この記事へのコメント
社長さんともなれば、そりゃ責任もあるし、なかなか仕事を放り出せないのではないでしょうか。

>めいっぱい好きなことする
上手に気持ちを切り替えられる人なんですね。
すごいなぁ。
自分なら、そんな風に気持ちを切り替えられるかな?って考えちゃいました。
2009/04/14(火) 20:54:23
URL | kei☆ #tHX44QXM[ 編集 ]
やっぱり…
何事も、まっしぐらで一直線な人なんでしょうねMさんは。悪く言えば融通の利かないタイプ。

同じ遺族の立場から、ご家族にお疲れ様って気持ちです。
看病+翻弄は、本当に参りますよ心身共に。
うちのワガママは、「あれもこれもしたい」Mさんとは真逆で、「全てどうでもいい、病院も行かない」でしたけど。
病人だから仕方ないと頭ではわかってるんですが、正直付き合いきれない思いもありました。

面倒みる母も高齢だし、家族中が疲弊して怒りっぽくなってしまいました。
患者本人が一番つらいんでしょうけど、家族も精神的にキツいんです。

…ところで。
「末期」の尺度ってどのくらいなんでしょうか?
たまたま見たドキュメンタリーで「余命数年の末期癌と宣告された」と話してて、「末期で数年もあるのか?」って疑問に思ったので。
肺には、素人目にもわかる白い影がいくつもあり、足にも転移して腫れ上がり切断を検討している。
どう見ても、申し訳ないけど「年単位」とは思えなかったんですよね。
指針みたいなものがあるんですか?
良かったら教えてください。
2009/04/15(水) 03:26:42
URL | 女王様 #-[ 編集 ]
kei☆さん

>上手に気持ちを切り替えられる人なんですね。
そうですね。
ここまで切り替えが早いから仕事を引っ張れたのでしょうね。

女王様
>面倒みる母も高齢だし、家族中が疲弊して怒りっぽくなってしまいました。
>患者本人が一番つらいんでしょうけど、家族も精神的にキツいんです。
わかります、わかります。
こういうときに、カウンセラーとか本来の医療関係者とは少し違う職種が活躍すれば少しは解消されるかと思うのですけど。

>「末期」の尺度ってどのくらいなんでしょうか?
難しいですね。
こんど、ブログのネタにします。
しばらく、お待ちくださいませ。
2009/04/15(水) 12:41:33
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
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