抗がん剤について
昔からある、いわゆる抗がん剤の話です。
この種の抗がん剤を開発するときは、試験管の中でがん細胞と薬を混ぜて抗がん作用がみとめられたら(この段階では星の数ほどあります。)次に、マウスやラットなど動物に使ってみます。
その時点(生体に投与した時点)で多くのものは抗がん作用がなくなっています。
もしくは、副作用が強すぎて使えない場合もあります。
そのうち、非常に有望なものが人間にも応用されているのです。
ですので、下手な鉄砲も数打ちゃ当たる。みたいにて開発が行われていました。
分子標的薬とは
それに比べて分子標的薬は、腫瘍内の転移、増殖、浸潤などのシグナルを止めるためにはどんな形をした分子なら止められるかを考えてそれに近い形になる薬剤を創薬していきます。
ですので、あらかじめターゲットがあってそれに合うように作っているのが分子標的薬でいままでの抗がん剤(殺細胞性抗がん剤)とはその意味においてもことなります。
新しい抗がん剤の誕生
そして、臨床試験を経て抗がん剤として認可されています。
ですので、最近は分子標的薬花盛りで殺細胞性抗がん剤の開発はかなり下火です。
2000年以降FDA(アメリカ)で認可されている薬剤の半分以上が分子標的薬です。
近い将来、4分の3が分子標的薬となるそうです。
特に、新規の殺細胞性抗がん剤はそうです。
新規でない殺細胞性の抗がん剤って何?と思われるでしょうけど今から説明します。
今認可されている殺細胞性抗がん剤の副作用を抑えたりとか薬物の腫瘍内濃度を上げたりといったような方向で新たな開発がすすめられています。
すでに認可されているものではTS−1やカペシタビンが挙げられます。
これらは、5FUという薬剤の副作用を軽減してかつ長時間効果が持続するように工夫された薬剤です。(分解を阻害剤を配合したりしている)
最近では、リポソーム化することにより腫瘍内の薬物濃度を上げ、腫瘍以外の濃度を下げて副作用が少なくなるような工夫しているものがあります。
薬がない〜ドラッグラグで紹介し卵巣癌でも認可されたドキシルが代表です。
アルブミンとくっつけて水に溶けやすくすることでアレルギー反応を起こりにくくしたりしています。
代表はアブラキサンといいよく使用されるパクリタキセル(タキソール)のアルブミン化製剤です。
アレルギー、骨髄抑制(白血球などが減少すること)の頻度は減ったのですが、末梢神経障害(しびれ)は増加したそうです。
さらにミセル化することによって水に溶けにくい薬剤を溶けやすくしたりしています。
ミセル化の利点の例をあげます。
たとえば、パクリタキセル(タキソール)なる抗がん剤があります。
多くのがん種で使用されています。
この薬剤の使いにくい点は、水に溶けにくくひまし油の一種であるCELという油に溶かして点滴で使用します。
この油に対してアレルギー反応が起こることがおおく、アレルギーを予防するためにアレルギー予防の薬を点滴してかつ、3時間かけて投与する方法が一般的です。
ミセル化することによりアレルギー予防薬なしで1時間の点滴時間でもアレルギーはほとんど起こらないようです。
点滴時間が短くなると患者さんは非常に楽です。
また、イリノテカンという抗がん剤は、体内でSN38という物質にかわりこれが抗がん作用を持っており効果を発揮します。
ですので、SN38を直接投与した方がよいのですが水に溶けないのでイリノテカンという形で投与していました。
SN38をミセル化することで水に溶かすことができ投与可能になるのです。
ほかにも、シスプラチンという昔から使われている腎毒性が強い抗がん剤があります。
腎毒性が強く腎保護(腎を守る)のために水負荷といって2000ml程度の点滴を抗がん剤以外に行うことが多いです。
ミセル化したシスプラチンでは水負荷なしでの臨床試験が行われています。
このように、既存の抗がん剤になんらかの工夫を加えることにより、既存の抗がん剤以上のメリットを得ようというような流れになっています。
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また、分子標的薬の中の抗体薬(大分子化合物ですね。)にもポテリジェント抗体という技術があり、それを用いることにより100倍の効果が得られるようです。
つまり、100分の1の量で同じ効果が得られるみたいですよ。




