〜よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
人工呼吸器どんなん? 
2009/06/10 Wed 11:49
例えば、事故などで急に身体の状態が悪くなった場合、人工呼吸器を使用しなければ救命できないことがあります。

実際に、人工呼吸器をつけるとどうなるのでしょう?

最初は、口から指くらいの太さの管をのどの奥の方へ向かって入れます。

参考までに
http://ja.wikipedia.org/wiki/気管挿管
口をあけてもらわないと出来ないので、意識がない場合はいいのですが、意識がある場合は難しいことが多く鎮静剤などを使い意識を落としてからでないと出来ないことも多いです。

口が何らかの障害で開かない場合は、気管支鏡(肺カメラ)などを使って鼻から管を入れることもあります。

そして、口からでた管を人工呼吸器につなぎ強制的に酸素を出し入れするようにして呼吸を行います。

よくなって、さっと管が抜ける状態になれば万々歳ですが、なかなかうまくいかないこともあります。

ある程度落ち着いて、意識が回復してきたら、のどの奥に管が入っている事実や違和感に気がつきます。

もちろん、気管に管が入っているため声は出せません。

筆談や身振り、うなずきなどでしかコミュニケーションがとれない状態です。

人工呼吸器の呼吸と自分の呼吸があわずにケンカをして苦しくなることもあります。

管がつまらないように時々タンを引かなければなりません。

その行為は、咳が出たりして苦しい事がほとんどです。

この状態は長くなると患者さん自身もつらいし、介護する家族もつらいと思われます。

もちろん、この状態が長く続かなければいいのですが。。。。

また、ここまで回復しなかった場合は、人工呼吸器がつけられたまま患者さんの意識はないまま(つまりコミュニケーションはとれないまま)タンを吸引するときに苦しそうな表情を見せたりとかだけも場合も多いです。

もちろん、自分で栄養がとれないので点滴などで栄養をいれます。

褥瘡(床ずれ)ができないように、体の向きを変えたり、タンの吸引をしたり最初は一生懸命な家族もだんだんと疲れてくることがほとんどです。

悪い面ばかりを書きましたが、救急の現場で人工呼吸器を使用して急激に改善してすたすた歩いて帰れるようになったこともあります。

人工呼吸器に関しては、使う使わないの判断を急に行わないと行けない場合がありますので、いろいろな情報を知って欲しくて思い今日のエントリーとしました。

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上記のような現実があるので、がんの末期などの場合は、人工呼吸器などの延命処置は基本的には行わない方がよいと考えます。(私見ですが)

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

コメント
この記事へのコメント
去年の今頃ですね
肺ガン治療中の義母の容態が急激に悪化し、ICUに運ばれて ↑まさにそういう状態でした。
変化があまりにも急だったために、救命の必要から人工呼吸器を使うことになったわけです。(万が一の場合は気管挿管しますと言われていました)

結局は意識が戻らないまま、途中からは気管を切開して管を繋ぎました。本当に痛々しい姿でした・・・

今は、義母を人工呼吸器から離脱させるのと、ギアチェンジについての説明をするタイミングが相当難しかったのではないかなぁ・・お世話になった先生も大変な役割を強いられていたんだな・・と思えるようになりました。

2009/06/10(水) 16:25:44
URL | ダイヤモンドダスト #-[ 編集 ]
単なる延命処置なら
人工呼吸器は積極的に使いたくないですが…こうした場合は家族に判断が委ねられることが多いでしょうから本来なら、普段の生活の中で最期について話す機会を持っておくといいかも知れません。
2009/06/10(水) 18:49:16
URL | あずき #-[ 編集 ]
よっしぃ先生こんばんは
人工呼吸器のお話・・・とっても分かりやすかったです。

がんの末期で、「呼吸器をつけて欲しい」・・・と延命治療を希望する方は結構いらっしゃるんですか?
2009/06/10(水) 21:54:45
URL | ゆう #-[ 編集 ]
>ダイヤモンドダストさん
いろいろな経験をされていますね。

ギアチェンジの説明は一番難しいと思います。
治らない病気はどれも大変だと思うのですがね。

>あずきさん
>普段の生活の中で最期について話す機会を持っておくといいかも知れません。
そうです。
いつも、そうしてもらえるようにブログを書いています。

>ゆうさん
わかりやすくて、よかったです。
がんの末期でつけることは、ほとんどありません。
50人に一人ぐらいの割合でしょうかね。
2009/06/10(水) 23:41:05
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
呼内で看護師をしてます。LKやCOPDターミナルなど、延命処置の是非を確認するときは医師の説明の仕方はとても大切ですよね。 言葉の使い方など。 ある意味 その人の命の長さを決めてしまうわけですし。
私もムンテラに同席するなど、出来る限りの支援をしたいと思っています。
2009/06/11(木) 02:27:31
URL | ゆき #-[ 編集 ]
最期について話すこと
医学が発達した今はとても大切なことですが反面タブー視されることもありで…難しいところもありますね。まずは自分の生き方というか人生観を話すことからスタートかな?
2009/06/11(木) 07:36:29
URL | あずき #-[ 編集 ]
>ゆきさん
>延命処置の是非を確認するときは医師の説明の仕方はとても大切ですよね。
そうですね。相手の反応を見ながら言葉を換えながらやっています。

ナースが入ることによってあとのフォローがしやすくなりますので入ってもらうとありがたいです。

>あずきさん
そうそう、最期について誰もが身内と意見交換できるような環境を作ることがこのブログの目標のひとつです。

2009/06/11(木) 12:52:07
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
挿管って
そんなに大変なことだったんですね。

私が喘息の重篤発作を起こした時、既にサチュエーションが60しかなく。
来るのがあと10分遅かったら、挿管しなきゃならなかった・30分遅かったら呼吸不全で命に関わるとこだった、と言われました。
チアノーゼが出て、手足が冷たかったんだそうです。

いろんな救急処置をして、とりあえずサチュエーションは78に戻り、酸素チューブで入院と相成りましたが。

挿管や人工呼吸器の意味や重みを知らないんで、「へ〜」としか思ってませんでした。
ただ、朦朧としてた私に説明されても、理解出来なかったでしょうが。

喘息のように追々外せるならいいけど、やはり肺ガンともなるとそのままですよね?
よく考えると、確かにしゃべれない。
当然経口食事もできないわけで。

そこまでの説明も、周りの覚悟も必要ですね。
呼吸器つけたらラクになる、としか思わない人がほとんどでしょうから。
やっと最近、そこまでせずに自宅で逝った父を、幸せに感じられるようになりました。
前日まで「ポカリ飲みたい」と言い、ストローで吸えたんですから。

にしても。
挿管は比較的初歩の手技なのでしょうけど、なかなか大変な技術なんですね。
子供なんかだと、指噛まれそう。
気をつけて下さいね。
2009/06/11(木) 18:03:29
URL | 女王様 #-[ 編集 ]
最期について考える時
話が出来ないこと、それによってコミュニケーションが取りにくくなるのは本人も家族も辛いでしょう。生きているとはどういう事なのか…一人一人が考えてみる必要ありですね。
2009/06/11(木) 20:32:26
URL | あずき #-[ 編集 ]
>女王様
喘息でなら、人工呼吸器付けるべきでしょう。治るから。
肺がんでつけたら、取り除くことはまず無理でしょうね。
お父様は、今までの話を総合するといい生き様だったと思います。
もちろん、家族の方に不満が残ったのは事実でしょうけど。

>挿管は比較的初歩の手技なのでしょうけど、なかなか大変な技術なんですね。
いやいや、簡単とは言い難いですよ。
ベテランでも手こずることありますからね。
手をかまれそうになるのはよくあることですよ。

>あずきさん
そうですね。
今までも何度かそのあたりの話は、ブログで書いてますよ。
2009/06/11(木) 22:52:22
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
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