~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
スポンサーサイト 
--/--/-- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
TRACKBACK --  |  COMMENT --  | 編集
NTM 
2009/07/11 Sat 10:32
CATEGORY【診療】
以前結核のエントリーをあげました。

肺結核
続・肺結核
続・続・肺結核

肺結核による入院は全身状態以外に、他人への感染の危険性があるかどうかによっても入院治療をするかどうかが決まります。

他人への感染の危険性とは簡単に言うとタン(喀痰)の中から結核菌が検出されるかどうかです。

結核を疑う影が認められてタンの検査をするときにすぐに結果が返ってくるのは塗抹検査です。

これは、痰に染色液で色をつけて顕微鏡でのぞいてそれらしい菌がいるかどうかを見る方法で、だいたい1時間から2時間程度でわかります。

ただし、抗酸菌をみてるわけで結核菌以外の菌をみている場合もあります。

この結核菌以外の菌を総称して非定型抗酸菌症と言います。

ちなみに、結核は定型抗酸菌と言うこともあります。

非定型抗酸菌症のことをNTM(Non Mycobacterium Tuberculosis)と言います。

どんな菌があるかですが、多いのはM.avium complex(=M.intracellulare+M.avium)
次いでM.kansasiiと言う菌種です。

M.avium complex(=M.intracellulareイントラセルラーレ+M.aviumアビィウム)とは、
MAC症(マック症)とも言われておりイントラセルラーレとアビィウムと非常によく似ているためにまとめて扱われることがほとんどです。

ちなみに、NTMの中の80%以上を占めていると言われてます。

その次に多いM.kansasiiカンサシーで頻度は10%以下と言われておりMAC症の多さが際だっています。

ですので、NTMとMAC症と同じ意味として話をすることが多いのです。

NTMと肺結核の一番大きな違いは他人への感染の危険性が歩かないかと言うことでしょう。

だから、タンからNTMが検出されても隔離する必要は特にありません。

土壤や水中からも検出される菌だからです。

土壤や水の中にいる菌ですので、タンから一回だけ検出されてもNTMだと診断することはできません。

気管支鏡検査(肺カメラ)や複数回のタンの検査で検出して初めて診断できます。

また、はっきりとした理由はわかっていませんが、罹る人と罹らない人がいるようです。

MAC症は、いろいろ話したいことがありますので、次回に詳しくしたいと思います。

『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。

ちなみに、M.kansasiiカンサシーは、画像的にも非常に肺結核と似ています。

ですので、肺結核を強く疑うけど、遺伝子を増幅する検査でもなかなか診断がつかないとき培養の結果(2から4週間程度時間がかかる)でM.kansasiiカンサシーと判明することが多いのです。

M.kansasiiカンサシーは、結核治療薬がよく効いて1年から2年弱の治療期間で治癒することが多いです。

では、次MAC症の話題を。


症状の事を忘れていましたが咳とかタンとかです。

血痰を伴うこともあり症状的には結核と区別がつきません。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

コメント
この記事へのコメント
感染の危険性の有無
結核とよく似た症状を引き起こす菌の存在を初めて知りました。

以前のエントリーで、人間の皮膚だけで1000以上の菌が存在しているという事でしたがそれだけいるとすれば似たような特徴を持つ菌がいるのは不思議ではないような気がします。

多くの菌の中で、あるいは人間が人為的に作り出した薬剤やあるいは抗菌・除菌剤も含め、それぞれの菌が影響しあいながら変化していく部分もあるかもしれないですね。

薬剤に対する耐性菌もそうしたなかで変化した菌の一つと考えられるのでしょうか?
2009/07/11(土) 20:47:44
URL | あずき #-[ 編集 ]
結核と近い菌です。
呼吸器感染症なので、感染症なら似たような症状ですよ。

薬剤に対する耐性菌は、菌が自身を生き延びようとする自然の摂理だと思います。

偶然にそれが重なってうまい具合にいけているのでしょうね。
2009/07/12(日) 11:42:55
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
そういえば。
女芸人のハリセンボンのなんとかサン、どうしたんでしょうね。
マスコミも、その時は蜂の巣つついた騒ぎになり「ライブ行ったが大丈夫だろうか」と一般人も相当パニクってたようですが。

新インフルで、結核なんてすっかり忘れ去られちゃいましたね。
感染力は似たようなものでも、命を落とす可能性は結核のが高いと思うんですが。

結核ってどうしても「まさか自分が?」と考えてしまいがちです。
風邪かなー?とか、喘息気味かな?とか。
気がつかないだけでかかってたりするのかも。
他人にばらまきかねない病気だからこそ、気をつけないといけませんね。
ついつい、咳くらいで医者行くなんて…とか、風邪なんかじゃ休めないし、とか。
そんな程度の感覚でしかないでしょう。

遺伝的な要素はあるんですか?
父親の父は結核死なので、ビミョーに心配です。
つか、喘息持ちが結核になったらメチャクチャ苦しいんじゃないかな?
一度、定期通院の時に調べてもらったほうがいいでしょうか。
2009/07/14(火) 09:24:01
URL | 女王様 #-[ 編集 ]
>女芸人のハリセンボンのなんとかサン、どうしたんでしょうね。

退院したとのニュースありましたよ。

>感染力は似たようなものでも、命を落とす可能性は結核のが高いと思うんですが。

感染力はインフルエンザの方が圧倒的に強いです。
命を落とす可能性も今の情報では新型インフルエンザの方が高いようですよ。

>ついつい、咳くらいで医者行くなんて…とか、風邪なんかじゃ休めないし、とか。

ただ、長引くなら受診をしてください。

>遺伝的な要素はあるんですか?
結核はないでしょうがNTMに関しては罹る人と罹らない人がいるので遺伝的な要因もあるのかも。。。と言う方もいます。

>定期通院
定期的に通院しているなら年に1度はレントゲン取ってもらってくださいね。
2009/07/14(火) 13:13:12
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://tugagu.blog34.fc2.com/tb.php/432-990081a7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

copyright © 患者と医者をつなぐもの all rights reserved.


template by http://flaw.blog80.fc2.com
Powered by FC2ブログ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。