~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
スポンサーサイト 
--/--/-- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
TRACKBACK --  |  COMMENT --  | 編集
2009/08/06 Thu 12:41
もう、ずいぶん前のことです。

Bさんは、肺がんをわずらっていました。

今まで何度も抗がん剤治療を行ってきましたが、だんだんと効果も薄れてきて、副作用もきつくなってきて抗がん剤治療を行うのは厳しい状況になってきました。

ほどなく、抗がん剤治療を中止して症状をとるような治療に専念するようになりました。

そんなBさんには、献身的な介護をする奥さんがいらっしゃいました。

外来にも必ずついてきます。

入院しても毎日やってきます。

しばらくすると、Bさんの調子がだんだんと悪くなってきました。

息苦しさが強くなり入院することになりました。

右肺がつぶれています。

肺門部に腫瘍があるため閉塞を来して無気肺になったものと思われます。

大量の酸素を吸わないと苦しいようです。

食事もだんだんととれなくなってきました。

奥さんは、Bさんにがんばって食べて欲しいようです。

『がんばって食べて、元気になって。』とBさんに語りかけています。

しかも時々、ゼロゼロとむせています。

誤嚥している可能性が高いです。

そんなある日、Bさんの奥さんと話をしました。

『残念ながら、Bさんは、がんばったからといって食べれるわけではなく、がんばって食べることが負担になっている可能性があります。

しかも、むせもありますので、無理に食べてもらうようにするのはやめましょう。』

Bさんの奥さんは黙って聞いていましたがどうも不満な様子でした。

そして、一言つぶやきました。

『私、あの人に食べさせるのが生き甲斐なんです。』

まあ、確かにBさんが今後むせずに食べるようになる可能性は低く絶食までする必要性はないと考えました。

『たくさんは、食べないようにしてくださいね。』

その翌日、Bさんに尋ねました。

『Bさん、ご飯食べられる?』

『食べられないけど、妻が食べろというからがんばって食べます。

でも、正直、食べるのがつらいです。

先生、このことは妻には言わんといてください。

わたしがご飯を食べると喜ぶんです。』


『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。

つづく

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

コメント
この記事へのコメント
待ってました!
おおお、うまいところで切りましたね。v-425
先が読めない! 続きが楽しみだわんっv-351
2009/08/06(木) 13:27:28
URL | christmas #-[ 編集 ]
・゚・(ノД`;)・゚・ Bさん、なんて妻思いの優しい人なんでしょう!
2009/08/06(木) 13:32:43
URL | ダイヤモンドダスト★ #-[ 編集 ]
ひとりよがりでわがままな?
これも、ひとつの愛のかたちと考えるなら、時に愛は「ひとりよがりでわがまま」と、言えるかもしれません。

まあ屈折した愛情とも言えるのかもしれませんが、相手の状況や立場を考えることができてこそ真実の愛情だとは思うんですけど…ねぇ…。

時に愛は心に目隠しする…なんて歌もありますから…。
2009/08/06(木) 20:55:02
URL | あずき #-[ 編集 ]
>christmasさん
何か、ほめられると嬉しいですね。
続きは明日か明後日。

>ダイヤモンドダストさん
優しいですよ。
たまにわがままですけど。

>あずきさん
ひとりよがりでわがままで自己陶酔なんでしょうね。

続きをご期待ください。
2009/08/07(金) 12:31:19
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
…じらしますね~(笑)
どんな大どんでん返しがあるか気になって。

この方は、嚥下にも障害が出たんですか?
誤咽は意外と怖いから、むせるようならやめたほうがいいですよねぇ。

ちょっとタイプは違いますが、うちの母も無理やり父に食べさせてました。
食べないと持たないって思い込んでるんですよね。
なんとかして栄養を!とか。

後から考えたら亡くなる4日前ですが、食べれないと言うんでレトルト離乳食をいくつか持っていきました。
最近の離乳食はよく出来てるし、大人でも案外おいしく食べれると聞いたので。
今思えば、あと4日の人間に食べろというのが酷ですが、野菜煮物も卵粥もスープも半分くらい口にしました。

が、それで母はブチキレまして。
「どうせ私の作ったものはマズくて食べたくないんでしょっ」とかなんとかイヤミの連発。
看病疲れで気持ちが荒れてたんでしょうが、こっちもキレそうでした。

翌日「食べないとうるさいから」とカボチャの煮付けをほんの少し口にしましたが、なんだかかわいそうでした。
好物のコーヒーは欲しがったので、余計ワガママに思ったんでしょう。

慣れない介護は皆の気持ちがささくれ立ってしまいますね。
やさしくなれなくなるというか。

…それにしても。
つづきが気になりますねー。
橋田壽賀子ドラマみたいです(笑)。
2009/08/08(土) 06:33:40
URL | 女王様 #-[ 編集 ]
いずれにしても、患者さんが納得したり満足したりしてくれたら、いいんですけどね。

この方の場合は、納得はしていたのでしょうけど、満足はしていなさそうですからね。

>つづきが気になりますねー。
ねらいどおりですv
2009/08/08(土) 10:15:30
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://tugagu.blog34.fc2.com/tb.php/434-11b81519
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

copyright © 患者と医者をつなぐもの all rights reserved.


template by http://flaw.blog80.fc2.com
Powered by FC2ブログ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。