~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
スポンサーサイト 
--/--/-- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
TRACKBACK --  |  COMMENT --  | 編集
自己抜去 
2009/08/11 Tue 12:15
CATEGORY【診療】
患者さんがルート類を抜いてしまうことがあります。

特にせん妄状態の患者さんがしてしまうことが多いです。

ちなみに、せん妄とは『続・PEACEの中身 』にも少し書いてありますが簡単に言うと入院して治療をしているのに、混乱して入院していることや治療していることがわからなくなってしまうことです。

わからなくなると当然、

『なんだ、わしの体についてるこの管は?』

なんて思うので、当然抜こうとします。

せん妄になりそうなやばそうな状態であればそれなりの対応をとる場合もあるんですけど。

急にせん妄になったらどうしようもありません。

点滴の針を抜くだけならそんなに大事になることもないのですが。

まあ、せいぜいその辺が血まみれになるくらいで。。。

他の管は本当にいやですね。

例えば、CVルート(中心静脈ルート)といって管の先は心臓のそばの太い血管にあります。

抜けるときに菌がつくこともあれば、はさみでちょん切ってしまって先が血管の中にとどまっていることもあります。

おしっこを出す管は先が膀胱にまで入っているんですけど、抜けにくいように膀胱の中で風船をふくらませています。

ですので、自分で引っ張って抜いちゃうと尿管(おしっこの通り道)損傷を起こしたりして、泌尿器科の先生のお世話にならないといけなくなったりします。

わたしの患者さんもせん妄状態になりおしっこの管が入っているのにトイレに行ってそこでおしっこの管を自分で抜いて下半身血まみれになった方もいらっしゃいました。

他にも、胸水や腹水を抜く管なんかも抜いたりします。

また、抜き方にもいろいろありまして。

多くは、引っ張って抜くので管を皮膚に縫いつけている糸が引きちぎられるのですが、中にはハサミなどで管そのものをチョッキンと切る方も時々いらっしゃいます。

もちろん、せん妄状態ですので悪気はなくじゃまだから切りました。などと答えられます。

自己抜去は、医療者にとって非常に困ります。

もちろん、せっかく入れた管が抜かれたのも困りますが、管を抜くときに出血やどこかの損傷を伴ったりすることもあるし、管をチョッキンされた場合は身体の中に管の残りが入って容易にとれないこともあります。

また、管を通してばい菌が入り感染症を引き起こすこともあります。

あっ、忘れていましたが胃管(栄養などを直接胃に送り込む管)を抜こうとして全部抜けなくて再度押し込んだりしたときに気管(空気の通り道)に入ることがありそれに気がつかないで栄養などを胃管から入れると、、、、、

もちろん、肺の中に入り、肺炎を起こすことは間違いなく場合によっては命に関わる自体になります。

いやー、自己抜去ってこわいですね。

『人気ブログランキング』へ←ポチッとお願いします。

もちろん、本人が抜く気がないけどどっかに引っかかって抜けちゃったとかもあります。

知らずに寝返りをうったりするうちに少しずつ抜けていってそんでとうとう抜けちゃったとかね。

これは、事故抜去とか言うようです。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

コメント
この記事へのコメント
困るけど仕方ない?
勝手に抜いてしまうのも、自然に?抜けてしまうのも困るけど仕方ない、という現場のジレンマのようなものが伝わってきました。

私の点滴体験は、切迫早産で入院したときの、ウテメリンですが確かに、ずっと点滴してるとその部分がかゆくなるし。何よりうっとおしいのは、トイレ…

狭いトイレに点滴とともに入るのは大変でした。それでも抜こうとはかんがえなかったです。

余談ですが点滴の機械と一緒に転びそうになったり。確かにその時は「抜けなくて良かった」と思いました。
2009/08/11(火) 15:49:33
URL | あずき #-[ 編集 ]
inspire
よっしぃ先生のこの記事にインスパイアされました。

また引用を明記して(先生のblogタイトルとこちらの記事URL)拙blogで記事を書かせて戴いても宜しいでしょうか?
2009/08/12(水) 02:03:10
URL | エビ #XbnZBJT2[ 編集 ]
>あずきさん
>勝手に抜いてしまうのも、自然に?抜けてしまうのも困るけど仕方ない。

仕方ないわけではないんですけど。
正直起こって欲しくないし、困るんですけど。

でも、実際はたまに起こりますよね。

>エビさん
どうぞどうぞ、使ってくださいませ。
どんな記事が出来るのかエビワールドを楽しみにしております。
2009/08/12(水) 11:25:11
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
「抜けないように」
患者さんが、抜こうとしても「抜けないような」構造に出来ないものなのでしょうか…?とふと思いました。

例えば自動車。昔AT車がふえだした頃、AT車特有の事故も増えました。が、今はそれに対応する安全システムが装着されるようになり、事故の話は殆ど聞かなくなりました。

医療は車のようにはなかなかいかないでしょうけど…医療安全って大事なことだと思います。
2009/08/12(水) 13:17:03
URL | あずき #-[ 編集 ]
Much appreciated!
よっしぃ先生、ありがとうございました。

エビワールドを楽しみにというお言葉を励みに書いてみました。
ご笑覧下さいませ。

『よっしぃ先生blog「患者と医者をつなぐもの 」~inspired me』というタイトルで→http://m.ameba.jp/m/blogArticle.do?unm=ebi-vow&articleId=10319349905でございまちゅ。
2009/08/12(水) 16:48:59
URL | エビ #XbnZBJT2[ 編集 ]
導尿カテーテルって…
あれ、自力で抜くのはかなり痛いと思うんですが。

私は腎生検の時に使いましたが、入れた時に思った以上に痛かった。
痛かったし未体験の違和感があったし、正直コッソリ外したかったんですけどね。
ちょっと引っ張ってみましたが、膀胱ごと出てきそうで怖くて出来ませんでした。

せんもう状態だと、怖いとか痛いとかもないのでしょうか?
だとすれば、目が離せないから危ないですね。
そういえば「自己」はありませんが、「事故」はありました。
着替えようとしてもがいて、点滴が途中で外れて血がシーツにポタポタ。
何かのはずみで点滴液のパック(?)の口に亀裂が入ったらしく、液が雨の如く降ってきたこともありましたね。
ハンスポリンとかいう、二層式の抗生物質だったかな?

酸素の鼻チューブが、寝相が悪くて外れたり、それをなんとかしようとしてるうちに点滴管とこんがらがったり…。

何にせよ、日頃慣れない管だらけですから、せんもうじゃなくても動きにくくてパニクってしまいます。

ペットの首につけるエリザベスカラー(ラッパみたいの)を、人間用にうまく応用出来るといいかもしれませんね。
2009/08/13(木) 03:57:38
URL | 女王様 #-[ 編集 ]
>あずきさん
抜けないように皮膚に固定を強くし過ぎると皮膚が剥離したりして大変です。

やはり、生身の人間ですので、他の方法で抜けにくくしても不要になって抜くときにえらい大変になるでしょうね。きっと。

>エビさん
エビさんに褒め方、素晴らしいです。
思わず、調子に乗ってしまいます。
ありがとうございました。

>女王様
自力でなんて普通抜けませんよ。
怖くて、痛くて。

でもせん妄状態なら、おそらくそれしか気にならないんでしょうね。
本当に、スカッと抜いてくれます。

>ペットの首につけるエリザベスカラー(ラッパみたいの)を、人間用にうまく応用出来るといいかもしれませんね。
あまり、やり過ぎると人権侵害とか言われてしまいますよw
2009/08/13(木) 13:02:34
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
2011/11/16(水) 08:33:00
| #[ 編集 ]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://tugagu.blog34.fc2.com/tb.php/439-4870d7bb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

copyright © 患者と医者をつなぐもの all rights reserved.


template by http://flaw.blog80.fc2.com
Powered by FC2ブログ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。