~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
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2009/07/23 Thu 13:21
少し前の話題ですが、今年のASCO(アメリカの腫瘍学会)でトピックとなる発表がなされました。

それは、『HER2陽性進行胃癌に対する1st-lineとしての標準化学療法+トラスツズマブ併用の第III相試験:ToGA試験』という演題でありToGA試験と呼ばれています。

簡単にまとめるとHER2と呼ばれるタンパクがたくさんがん細胞の表面にある胃がんの初回治療で標準的な治療とそれにトラスツズマブ(ハーセプチン)を加えて治療したらどうなるかを比べてみた試験です。

結果としてハーセプチンを加えた治療の方が成績がよかったんです。(生存期間を延長させた)

何が凄いかというと胃がんでもハーセプチンが効果があったということです。

ハーセプチンは分子標的薬であり、乳がん治療薬として使われています。

細かく言うと抗体薬です。(大分子化合物ですね。)

『分子標的薬の分類』
でおさらいしてください。

乳がんの中でもHER2が陽性の患者さん以外はほとんど効果がありません。

そんな薬が胃がんでも効果がありました。

やはり、HER2が陽性の胃がん患者さんです。

ハーセプチンの作用を考えると当然とも考えられるのですけどね。

何が凄いかわかりましたね。

わかりませんか?

他にも卵巣がんなどがHER2が陽性のタイプがあるようです。

HER2が陽性の卵巣がんにも効果がありそうですよね。

もしそうだとしたら。。。。

今までは、乳がんは乳がんの治療

胃がんは胃がんの治療

肺がんは肺がんの治療

大腸がんは大腸がんの治療

…………

だったわけですが、胃がんでも乳がんでも肺がんでも腎がんでも

HER2陽性はHER2陽性の治療

○○陽性は○○陽性の治療

☆☆陽性は☆☆陽性の治療

となる時代が来るかも知れません。

その幕開けとなる発表なのかも知れません。

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本当にそんな時代になったら、臨床腫瘍医が治療を行うべきべき時代なのでしょうね。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

コメント
この記事へのコメント
治療の選択肢の一つとして
患者さんにとっては治療の選択肢が増える可能性がありそうで、まずはそこに期待してしまいます。

がんについて、だんだんと多くのことがわかってきた証拠ですね。

それでもまだまだ解明されてないこともありますが…。
2009/07/23(木) 20:43:37
URL | あずき #-[ 編集 ]
>患者さんにとっては治療の選択肢が増える可能性がありそうで、まずはそこに期待してしまいます。

もちろん、いいことなのですがだんだんと細分化し、複雑になりすぎて一般の方には何が何だかわからなくなってくるような気もします。

それをいかにフォローできるかが問題ですね。
2009/07/24(金) 13:06:57
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
>何がなんだかわからなくなる恐れ

そうですね…
抗がん剤治療も多様化しつつあるようですし。患者さんが治療を選択しやすいように、わかりやすい説明が重要になってきそうです。
2009/07/24(金) 13:24:05
URL | あずき #-[ 編集 ]
すご~いです。
胃がんでもHER2タンパクがあるんですね。
びっくりです。
乳ガン特有のがん細胞と思っていたので、、、
このように、胃がん、肺がん、大腸がん等・・・など、原発部位に決まった抗がん剤でなく、細胞レベル、もしくは遺伝子レベルで、いろいろな抗がん剤が使えるようになってほしいです。
大腸がんで承認済みのアバスチンも乳がんではまだ無認可。
効果アリと言う現実なのに、、、、、。

将来的に、タイプに応じた抗がん剤の使用が可能なことに期待します。
2009/07/24(金) 17:38:05
URL | 撫子 #-[ 編集 ]
>細胞レベル、もしくは遺伝子レベルで、いろいろな抗がん剤が使えるようになってほしいです。

今後はこのような方向でどんどん進んでいくでしょう。

>大腸がんで承認済みのアバスチンも乳がんではまだ無認可。
肺がんでも効果あるのにまだですよ。
たぶん、今年中に肺がんは認可されるようですが。。。
乳がんは、、、詳しく知りませんm(_ _)m

2009/07/25(土) 14:37:40
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
へ~。
どんどん難しくなりますねぇ。

ちょうど金曜日、朝日新聞の「わたしのがん対策」で、遺伝子を調べて薬選び・抗ガン剤の個別治療 というのがありました。
KRASという遺伝子に変異があるとセツキシマブも効果がないとか、イリノテカンで副作用が出やすい遺伝子かどうかを調べるとか。

あまりに難解で噛み砕いて理解はできなかったんですが、まさに医学&薬学VSガン細胞という感じですね。

「効果が見込める人を探す」とか「見込めない人を探す」とか、検査目的も薬によって違うのも初耳でした。
ただ、すごく画期的に見えますが、「期待できないから使いません」って切られてしまうのは如何なものかと。
患者は、1%の可能性でも信じて、藁にもすがる思いで使いたい人もいるでしょう。
ハナから否定されて使ってもらえないのは、酷な気もします。

あと、金額でしょうね。
ただでさえ安くはない抗ガン剤治療に、さらに高い検査費がかかるのは大変なことです。

金銭面の問題と、どこの総合病院でも出来るようになること。
…まだまだ先でしょうが。

それにしても。
こんなに難解だと、患者さんは説明聞いてもさっぱりわからないんじゃないでしょうか。
「わかんないからおまかせします」では良くないですが、わからないものはわからない。
高齢者や、全く自分の病に興味のない方には無理な話です。
私なんかでも、たかだか歯科や皮膚科の帰り道に、ふと疑問がわいてきたり、「そういえば聞きそびれた」と頭抱えたりするくらいですから。

説明するお医者様も一段と大変になりますね。
内科医に必要なのは、知識と根気だったりしそうです。
2009/07/26(日) 00:31:27
URL | 女王様 #-[ 編集 ]
>女王様
>ハナから否定されて使ってもらえないのは、酷な気もします。

酷といえば酷でしょうが、効かないものを使うのもまた罪ではないでしょうか?
使う前から効かないことがわかるのですから他の選択を考えることができるのです。

>こんなに難解だと、患者さんは説明聞いてもさっぱりわからないんじゃないでしょうか。

そうですね。
わからんでしょうね。
それをわかりやすく説明するのも内科医の腕だと思います。
難しいんですけどね。
2009/07/26(日) 14:52:33
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
わかりやすい説明
・・・って、難しいですよね。

簡略しすぎると、言葉足らずになって誤解を招くし。
逆に詳しくしようとすると、わかりずらくなったりで。

そこらへん、確かに「腕」・・・なんでしょうけど。
2009/07/26(日) 15:12:43
URL | あずき #-[ 編集 ]
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