~よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
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2008/02/27 Wed 12:49
もう、2年になりますでエントリーにあげましたが、『福島大野病院事件』の内容を子供でもわかるように書いてあるブログを見つけたので紹介します。


slummy先生の『やんばる病理医ブログ』のエントリーです。

タイトルは、『一般向け:子供に語る、福島大野病院事件』です。以下引用です。





あるところにね、お腹の大きいお母さんがいたの。

そのお母さんには一人、もう子供がいてね、二人目の子がお腹の中に入ってたの。
一人目の子供はね、お母さんのお腹を切って、お医者さんにとりあげてもらったんだって。

で、そのお母さんはね、次の子を産む時も、同じようにお腹を切って、赤ちゃんをとりあげてもらったの。
赤ちゃんは元気に産まれてきて、良かった!おめでとう!ってなったんだけど、そのあと、お母さんのお腹から血が出て、止まらなくなっちゃったの。
シャワーみたいにすごい勢いで血が吹き出して、大変なことになったんだって。

それで、なかなか血が止まらなくて、とうとう、そのお母さんは死んでしまったの。

そしたら、そのお腹を切ったお医者さんは警察に逮捕されたんだよ。

そのお母さんが死んだのは、そのお医者さんのせいだ、お医者さんがそのお母さんを殺した、って。

そのお医者さんはね、頑張って血を止めようとしたんだって。
でも、止まらなかった。止められなかった。

そういう時に血を止めるにはね「子宮」っていう、赤ちゃんが入ってた袋を全部、取ってしまうのが一番いいんだよ。

だけど、そのお医者さんは、その前に、そのお母さんと話をしてたんだって。

「あともう一人、子供を産みたいです」ってそのお母さんは言ってたんだって。

お腹を切ったお医者さんは、そのことをおぼえてたんだって。

そのお母さんはね、3人の子供が欲しかったんだろうね。
3人子供がいる、5人家族になりたかったんだろうね。

でも、子宮を取っちゃったら、もう子供を産めなくなっちゃう。

赤ちゃんをとりあげたあと、お腹から血が止まらなくなったとき、すぐに子宮を取れば、血が止まる。
でも子宮を取ったら、3人目はもう絶対、産めない。
だからお医者さんはギリギリまで子宮を取らないで、なんとか血を止めようと頑張ったんだって。

でも、血がどんどん出てくるのを止められなくて、とうとう最後には子宮を取ったんだけど、遅すぎて、そのお母さんは死んじゃった。

警察は、もっと早く子宮を取ってればそのお母さんを助けられたのに、子宮をなかなか取らなかったお医者さんが悪い、って言って、お医者さんを逮捕して牢屋に入れたんだよ。
警察はね、別のお医者さんに聞いたんだって。

「こんなことがありました。どうしたら、このお母さんを助けられたと思いますか」って。

きかれたお医者さんは「もっと早く子宮を取っていれば、助けられたと思います」って答えて、紙にもそう書いて、警察にあげたんだって。

でもね。

その、別のお医者さんは、そのお母さんとお話、してないからね。
そのお母さんが「もう一人、赤ちゃんを産みたいです」って言ってたの、知らなかったのかも。

だけど、警察はその紙をもらって、そのお母さんが死んだのは早く子宮をとらなかっ
たお医者さんのせいだ、って逮捕しちゃった。

死んじゃったお母さん、かわいそうだね。
生まれたばかりの赤ちゃんと、もう一人の子供を残して、死にたくなかっただろうね。
お母さんが死んじゃって、子供たちもかわいそう。

だけど、そのお母さんが死んだのは、ぜんぶお医者さんのせいだ、っていうのは、まちがってる。

どんなお医者さんでも、ぜんぶの人を助けられるとは限らない。

悲しいことだけど、お医者さんがどんなに頑張っても、助けられない命が、あるんだよ。

今、日本中で、赤ちゃんをとりあげるお医者さんが少なくなってきてるの。
お腹の大きいお母さんから、赤ちゃんをとりあげる時に、大変なことはいっぱいあって、みんながみんな、無事に産まれるとは限らないし、産んだあとも無事とは限らないの。

でも、それは、全部、お医者さんのせいだってわけじゃないんだよ。

お医者さんが一生懸命に頑張っても、助けられないこともあるんだよ。

お母さんか赤ちゃんかが死んだ時に、そのとりあげたお医者さんが逮捕されて牢屋に入れられちゃうんだったら、赤ちゃんをとりあげるお医者さんがもうとりあげるのをやめたり、赤ちゃんをとりあげるお医者さんになる人が、いなくなったりするんだよ。

でもそれで困るのは次に「赤ちゃんを産みたい」っていう人なのにね。

お医者さんが、わざと殺したんじゃないんだから、逮捕して牢屋になんか入れないで欲しいよ。

赤ちゃんをとりあげる仕事って大事で、それをするお医者さんがいないのって、とっても困るのにね。






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何度も言いますが、医学とは、機械でないひとりひとり全く同じでない人間を扱う、不確かな学問です。

同じ病気の人に、同じ医療行為を行っても、まったく同じ経過をたどることはありません。
多くは、似た経過をたどることが多いのですが、中には全く異なる経過をたどることがあります。

これは、誰が悪いのではないのです。
強いて言うならば、医学が不確かだから、人間の体が機械でないからと言うしかありません。

だから、医者は、あらゆる事を考えてその時考え得るベストな選択をします。

その時ベストであったとしても、2時間後の状況でベストかどうかはわかりません。

なぜなら、状況は、時々刻々とかわっているからであり、新たな情報も加わってくるからです。

それでも、この産科医が逮捕されなければならないのでしょうか?


だから、情報が全部そろった状況での裁判は『後出しじゃんけん』と言われるのです。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

コメント
この記事へのコメント
 被告となった産婦人科医は、妊婦さんも新生児も、そして彼女の未来の子供をも何とか救おうとギリギリまで頑張ったんじゃないかと、この話を読むと想像します。
 この話からは、関係者それぞれ意思、考え方、そして心情の中に答えがあるように見えます。
 裁判は人の心情に考慮しないものだと、ある弁護士が言いました。それでは原告・被告と、公平に考慮しないべきだと思いますねえ。。。
2008/02/28(木) 14:16:23
URL | christmas@私は元気です #-[ 編集 ]
christmasさん
取り上げて頂きありがとうございます。
もとのブログもどんどん広めて欲しいそうなので広めましょう。
元気で何よりです。
ブログ始めてたんですね。
2008/02/28(木) 19:58:26
URL | よっしぃ #-[ 編集 ]
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