〜よっしぃの独り言                   医者として10年程仕事をしてきました。 医療関係者と一般の方々の間に大きな隔たりがある事も実感しました。 これは、お互いにとって不幸なことです。 このすきまに橋を架けれたらと思いブログを始めました。
アスベストと肺がん 
2008/11/09 Sun 13:48
アスベストと悪性胸膜中皮腫という病気の関連は非常に強いことがわかっています。

ですので、悪性胸膜中皮腫であると組織学的(顕微鏡で見て)に診断がつくと労災が認められます。

以前は、それだけではダメだったんですけど。

しかし、アスベストと肺がんの関連は言われていますが、そんなに(中皮腫ほどは)強くはありません。

もちろん、関係ないわけではありません。

報告にもよりますが石綿肺の中で肺がんを合併する割合は10-20%と言われています。

石綿肺とは、アスベストにより肺が線維化を引き起こし(肺がガチガチに硬くなる状態)た病気です。

ひどくなると息苦しくなったりします。

特発性間質性肺炎という病気と似ています。

ちなみに、特発性間質性肺炎も肺がんを合併する割合も10-30%との報告があります。

また、面白い報告もあります。

A:アスベスト歴なし、喫煙歴なし
B:アスベスト歴あり、喫煙歴なし
C:アスベスト歴なし、喫煙歴あり
D:アスベスト歴あり、喫煙歴あり

この4を群観察していってで肺がんでの死亡率の割合はどうかというと。

A:B:C:D=1:5:10:50だそうです。

アスベストも肺がんの死亡を5倍にしますが、喫煙は10倍にしています。

両方あるとかけ算になってますね。

また、別の報告では、環境曝露程度(普通に生活している程度)では肺がんを引き起こすことはないとも言われています。

つまり、石綿肺にならない程度のアスベスト曝露では肺がんの発生頻度は高くならないと。

ですので、アスベストの職業歴がある方が肺がんになっても全員が労災を認められるわけではないんですね。

難しいところです。

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2008/11/08 Sat 12:09
もう、ずいぶん前のことです。

小柄なかわいらしいLさんは、我慢強い女性でした。

Lさんの病気は、稀なタイプの肺がんでした。
一般的に言って抗がん剤が効きにくいタイプです。

それでも、Lさんは、頑張って治療をしてきましたがだんだんと抗がん剤の効果もなくなってきました。

徐々にと緩和医療が治療の中心となってきました。

幸い、Lさんに痛みはなく主な訴えは『しんどい。』と言うものでした。

いろんな薬を試してみます。
ステロイドだったり、抗不安薬であったりを。。。

新しい薬を試した次の日はいつも
『ちょっと、調子いいかな。』と言ってくれます。

本当に調子がいいのか、気を使ってそう言うのかはわかりません。

いろいろな方法でLさんのしんどさを取り除けないかと頑張っていたある日

『先生、もうなんもせんでもいいで。先生、一生懸命考えてくれてるのはありがたい。
でも、かわらんし、点滴するのももうイヤや。
飲み薬が増えるのももうイヤや。』

『……、わかりました。じゃあ、なるべくLさんの希望のそうようにしますね。
できるだけ、点滴はしないように、飲み薬も必要最低限にしますね。』

Lさんは、こくりとうなずきました。

我慢強いLさんでしたが、しばらくしてLさんのしんどさは、限界に達しそうになってきました。

しんどさ、だるさ、身のおきどころのなさを取るためには鎮静(セデーション)しかないと言う話しをしました。

息子さんは、できるだけそのような方法は取りたくないようです。
母にしんどい思いはさせたくないけど、コミュニケーションがとれなくなるのがつらいようです。

何日か経って息子さんからセデーションを今すぐ始めて欲しいと連絡がありました。

夜、付き添っていた息子さんに『しんどい、楽になりたい。』と言ったそうです。

今まで、息子さんの前では決して弱音をはかない強い母だった。
子供の頃から、そして、大人になってからも息子さんは母の弱音を初めて聞いた。
と涙ながらに話されました。

セデーションを開始して数日後、

周りには、旦那さん、息子さんをはじめ、家族が10名ほど集まっていました。

Lさんは、1分ほど呼吸しなくなっています。

『あと1人孫が来ます。もうすぐ、来ます。』

息子さんが言うと同時に最後のお孫さんが入ってきました。

孫を待っていたかのようにLさんは、最期に大きな息をし、息を引き取られました。


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Lさんは、旦那さんにだけしんどい、つらいといった事を言っていたようです。
どんなに高齢になっても息子の前では母であろうとしたんですね。

Lさんの担当になれて本当によかったと思います。


鎮静のガイドラインPDFは、ここをクリックしてください。

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タグ : 緩和

お見送り 
2008/11/07 Fri 13:01
お見送りって言葉聞いたことがありますか?

医療関係者ならまず知ってる言葉なんですけど。

お亡くなりになった患者さんが病院から帰るときに見送ることです。

お亡くなりになったあと、多くは家族が葬儀屋さんに連絡を取ります。

そして、お迎えの車が病院に来ます。

葬儀屋さんの職員が寝台車まで患者さんを運びます。

その時、寝台車に乗せ病院の入り口から見えなくなるまで見送ります。

その行為を『お見送り』といいます。(地域、病院により違う面もあるかと思いますが。)

もちろん、都合により主治医によるお見送りが出来ない場合もあります。

そんなときでも、少なくとも看護師によるお見送りは行われています。

悪性腫瘍を多く見ていると、お見送りすることは、その患者さんが病気から解放されたとも考えることができます。

昔は、お見送りする時に家族の方になんと声をかけていいかわかりませんでした。

諸先輩からは『お役に立てませんで。』とか『力が及びませんでした。』などと言うのがよいと言われたのですが、悪性腫瘍の患者さんが亡くなる時というのは多くはもう余命幾ばくもないのが、本人も家族もわかっていることが多いのです。

そんな状況の中でお亡くなりになったあとに言う言葉としてはあまりにも白々しいような、実感がこもっていないような言葉のように思えます。

もちろん、心筋梗塞でやってきて頑張って、頑張って治療してお亡くなりになった時は心からその様な言葉が出てくるのでしょうけど。

最近、『○○さん、そんなに苦しい時間がほとんどなくてよかったですね。』とかが自然と出てくるようになりました。

昔から、『がんから解放されて楽になったかな。よかったんやな。』と心の中で思ったりはしました。

当時は、亡くなった患者さんの家族に、しかも、亡くなってまだ時間がほとんど経ってないときに『よかった』というフレーズを含んだ言葉を発することができなかったのです。

今でも、主治医が『よかった』と言ってはいけないのかな。と考えることもあります。

どうなんでしょうかね。

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どろなわ 
2008/11/06 Thu 12:04
医学部定員増なるニュースが駆けめぐっています。

比較的ページを割いているのがAshahi.comです。

来年度の医学部の定員を700人ほど増やしてみるそうです。

> 06年末の日本の医師数は27万8千人。提言では、日本の医師数は人口千人あたり2.1人(06年)と、米国の2.4人より少なく、これを経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の3.1人まで、引き上げる必要があるとした。

そんな背景があるようです。

ただ、日本の医師数には、70歳になって引退している医師の数や医師免許を持ってるけど専業主婦の数もいれてもなお、少ないですからね。

それをわかるように報道して欲しいです。

また、今のタイミングでの報道は、東京の産科医療がボロボロなのが知れ渡った直後なので(知ってる人は知ってましたけど。)なんかまさに『泥棒をみて縄をなう』がぴったりあてはまりました。

ただ、そんだけのエントリーですが、何か?

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小ネタですいません。

次は小ネタでないものを用意していますから。

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2008/11/05 Wed 12:01
m3のブログに去年の8月26日にエントリーした記事です。




もう、ずいぶん前のことです。

Sさんが紹介されてきたのは、Sさんは、咳が続いたために近くの医院を受診し、胸部レントゲンで異常陰影を指摘されました。

検査の結果、脳、骨、肝に転移のある肺がんでした。
本人、家族に説明しようとしたのですが、家族と20年会っていない。
連絡先も知らない。別に今さら言わなくてもいい。どんな病気でもすべて自分で聞く。今まで好き勝手生きてきたから。との事。

Sさんに、無治療であれば平均余命3ヵ月から6ヵ月であること。
治療しても、再発する可能性が高く、1年前後であることが多い事。
効果、副作用、治療関連死の可能性など説明した上で治療を行いました。

そして、腫瘍の大きさはずいぶんと小さくなり退院を考える時期となりました。
そして、退院前にSさんとゆっくり話しをしました。

『Sさん、治療はうまくいって今がん自体は非常に小さくなった。このまま、再発しないかも知れないけれど、するかも知れない。
今はわからない。
再発して治療してもあんまり効果がなくなってしまって、残念ながらSさんの命をがんがおびやかすときがくるかも知れない。そのとき、Sさんの命を少しでも延ばそうとすると、口から管を入れて、人工呼吸器という器械をとりつけて、その器械から強制的に酸素を肺に送り込んだりとか、心臓マッサージをしたりとかしないとSさんの命がもたないときがくるかも知れない。』

Sさんは、真剣に話しを聞いてくれました。

『その時の、人工呼吸器とか、心臓マッサージは延命にしかならない可能性が高い。なぜなら、その時というのは肺がんが悪くなって今の医学ではコントロールできない状態だから。
Sさんのしんどい時間を延ばすだけの治療になる可能性が高い。』

Sさんは、しばらく黙っていました。そして、
『今は、調子ええんやけどな。いつか、そんなときはくるんやな。治らへんのやったらしんどい治療はいらんわ。』


それから、1年後Sさんは積極的な治療が出来ない状態となって入院してきました。

『Sさん、1年前退院する直前に話ししたこと覚えてる?』

『……うん。』

『1年前と気持ちは変わってない?』

『……そやな。』

しばらくして、Sさんはひとりで売店に行く元気もなくなってきました。

そして、私に聞いてきました。

『先生、もうあかんのか?死ぬんか?』

『Sさん、Sさんが本当の事を聞きたい?Sさんが本当に聞きたいんやったら、本当の事を言うわ。
でもな、Sさんにとって厳しいこと言わなあかんかも知れへんねん。』

『………ええわ。』

口には出しませんでしたが、Sさんは自分の残された時間が短いことを悟ったようです。

それから、2週間ほどしてSさんは苦しむことなくひっそりと息を引き取りました。



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身寄りのない方の対応はいつも考えされます。何がベストな対応だろうと。



Sさん、あの対応でよかったよね。
Sさんのご冥福をお祈り申し上げます。

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2008/11/04 Tue 12:58

皆さんもよくご存じのブログ『ななのつぶやき』が終了したのは、もうずいぶん前のように感じます。

m3のブログでも大人気だったのですが『犠牲』のエントリー以降人気はさらに上昇して、いつしか、アクセスランキング1位をキープしていました。

終了してからもう2ヵ月ちかくなります。

なな先生ファンに朗報です。

新しいネタではないですけど、一部がリニューアルしてます。

といってもm3の中ではないんですけどね。

しかも、マンガです。

christmasさんが『乳がん患者のサロン2 - ノエル編』の中で描いています。

はじまりはここからです。

『メモリアル漫画ななのつぶやき』

christmasさんは、ここのコメンテーターで非常に医療に造形が深い方です。

しかも、勉強熱心。

ご自身が病気と闘いながら、なな先生のブログに深い感銘をうけて漫画化されました。

ブログで読むのとはひと味違った、感じが伝わってきます。

大野病院の件が無罪となり、『ななのつぶやき』の役目を終えたと考えて閉じたブログですが、アクセストップになっただけあり多くの方々に影響を与えたようです。

私も、思わず何度も読み返してしまいました。

続編はあるのでしょうか?

 

 

そう言えばブラックジャックが狂言の作品となるらしいですね。

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2008/11/03 Mon 12:34
m3のブログに去年の6月10日にエントリーした記事です。




もう、ずいぶん前のことです。

Aさんは、近くの診療所から紹介された患者さんです。
検査の結果は、4期の肺癌でした。

『検査結果がそろったので、説明をしたい。家族を呼んでください。』
と病状説明の約束をしました。

その日がやってきました。

『肺癌の可能性があります。きっちり、しらべましょう。』と入院時に話をしていたのでAさんは、なんとなくわかっていたようです。

告知ってにあるようにAさん、Aさんの家族の気持ちを考えながら持っている知識を総動員し、行います。こちらも真剣です。1時間以上かかることもざらです。

病状説明は抗癌剤治療そのものよりも大事だと思えるぐらい重要なものです。

Aさんは、病状説明を真剣に聞き入っていました。

ときどき、Aさんに尋ねます。『ここまでの話は理解できましたか?ここまでで何か質問はありませんか?』
Aさんはうなずきながら、『わかりました。』と答えます。

本当は、Aさんに今までの内容を自身の言葉で説明してもらうのが理想である。と言われてますが、現実にはなかなかそこまで行う余裕がありません。

約1時間かけてすべての話が終わりました。
特に、Aさん、Aさんのご家族ともに取り乱すことなく『わかりました。これから、よろしくお願いします。』と頭を下げられました。

席を立とうとしたとき、Aさんは奥さんに言いました。『おい、写真とって。』

正直、初めての経験でしたのでびっくりしました。

『今、どんな顔してるか記録しておくんや。これから、闘病日記を書いていくから。』とおっしゃられたとたん、Aさんの目から涙がこぼれました。

もらいそうになりました。

そのとき、『先生も一緒にとってください。笑っててくださいね。』

最高の笑顔で写真に写ったつもりです。

宝物の写真です。

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今でも、写真は机にあります。
少し、色あせてきつつありますけど。
看護師副院長 
2008/11/02 Sun 14:16
看護師が副院長の病院が増えてきているそうです。

ドクターズマガジンという雑誌があるのですがその中で『看護師副院長に聞く』というような特集が始まりました。

>よい医療とは、よい医師だけで達成できるものではない。
病院全体のチームワーク、特に看護師集団と医師の信頼関係があって初めて達成される。

>看護部長は看護部を代表するに過ぎないが、副院長は経営陣の一員であり、院長の職務を代行することもできる重要なポジションである。

などとあります。

実際、副院長が看護師である病院数は2004年51病院であったのが2008年246病院と増えてきています。

ただ、私が研修していた大学病院のナースの仕事をしない能力、かつ医師(研修医)に仕事を押しつけてくる能力を身にしみて感じていたので、積極的に副院長に看護師がなるのは恐いな。との印象も持ちます。

ただ、看護師達の意見のまとめ上げる以外にも病院全体のことを考えてくれるようになるならありだと思います。

と思いながら記事を読んでいたら。

病院の種類別に看護師副院長の病院数が載っていました。

国立病院機構  3病院
自治体病院  71病院
公的病院   17病院
大学病院   41病院

となっていました。

数で見るより割合が欲しいと思い調べてみました。

すると、国立病院機構に属する病院は146病院だそうです。
大学病院は、160病院ほどです。

自治体病院なんかいくつあるかわかんないですよね。
公的病院も不明です。

メチャメチャたくさんあるのでしょう。

国立病院機構の病院は、約2%の病院が看護師副院長です。

それに比べて大学病院は、25%もの病院がそうみたいです。

こんなに病院によって違うとは驚きでした。

と同時に、研修医時代の大学病院の働かないナース達がよみがえってきました。

もともと、力が強いから要職につきやすいんだなぁ。なんて思いました。

今後、普及していくのでしょうかね。

どうなんでしょう。

まだ、看護師副院長の具体的なイメージと今後が沸いてきません。

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あまり、まとまりのない話しでしたね。

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タグ : ナース 仕事

2008年10月 
2008/11/01 Sat 12:22
CATEGORY【目次】
ようやく、寒くなってきました。

だって、もう11月ですからね。

これから、紅葉の季節です。綺麗ですよね。

そう言えば、今年はまだ土瓶蒸し食べてないですね。

早く食べないと季節が終わりそうです。

では、10月の目次をどうぞ。

『がんが引き起こすこと 4』   10月1日
『がんを治療しないと』   10月2日
『薬の名前』   10月3日
『MRさん』   10月5日
『腫瘍マーカーの話し』   10月6日
『高齢者の抗がん剤』   10月7日
『ギアチェンジ』   10月8日
『同じ非小細胞肺がんでも』   10月9日
『チームオンコロジー』   10月10日
『人生いろいろ(遠くて遠い1)』   10月11日
『臨床試験の現実』   10月12日
『人生いろいろ(遠くて遠い2)』   10月13日
『臨床試験の裏側』   10月14日
『人生いろいろ(遠くて遠い3)』   10月15日
『抗がん剤の曝露』   10月16日
『トリアージについての私見』   10月17日
『よくある質問』   10月18日
『ビタミンC』   10月19日
『悪性腫瘍遺伝子検査』   10月20日
『新聞報道に問題あり』   10月21日
『言葉をわかりやすくする提案』   10月22日
『東京でも』   10月23日
『画像診断の限界』   10月24日
『保険でできないの?』   10月25日
『口腔ケアの重要性』   10月26日
『モンスター対策』   10月27日
『センモンヨウゴ』   10月28日
『だんなさんの言葉』   10月29日
『人生いろいろ(家族のために)』   10月30日
『感度と特異度』   10月31日

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何とか、今月もほぼ毎日更新できました。

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感度と特異度 
2008/10/31 Fri 12:26
CATEGORY【診療】
感度と特異度ってあんまり聞いたことないですよね。

感度と特異度は医療を行う上では非常に重要なものです。

医療を行うならば常に感度と特異度を考えなければなりません。

簡単いうと

感度とは、病気であるときに検査が陽性と出る確率

特異度とは、病気でないときに検査が陰性と出る確率

まだ、難しいですか。

つまり、感度が100%ならば病気であるときに検査は100%陽性(+)です。

また、特異度が100%ならば病気でないとき検査は100%陰性(ー)です。

ですので、感度と特異度が療法100%の検査があれば非常に役に立ちます。

なぜか、わかりますよね。

その検査をすれば、病気か病気でないかがすぐわかるんです。

他を考えなくてもその病気であるかどうかがはっきりわかるんです。

感覚的にいえば感度、特異度ともに90%を超えていたら『すごく役立つ検査だ。』という感覚があります。

でも、ここまで感度と特異度ともに良好な検査は少なくてどっちかは、90%だけど、反対は70%程度とかが多いのです。

だから、ひとつの検査結果が陽性に出ても確実にその病気だとは決めにくいし、陰性に出てもその病気でないとは決められないのです。

医者は、診察所見、画像所見、検査結果、今までの病気の状況などを総合的に判断してどんな病気かを推測して治療を行います。

もちろん、99%間違いないと自信を持って治療をしているときもあれば、あんまり自信がなくて治療をしていくこともあります。
(診断的治療とも言います。)

ちなみに、感度がよいといわれているPSAという前立腺がんの腫瘍マーカをみてみましょう。

だいたい、1.1ng/mL以上を陽性とすると感度は83%、特異度は40% 弱です。

この値を4.1ng/mLとすると感度は21%、特異度は94%となります。

感度、特異度ともに高い検査なんてそうそうないことわかりますよね。

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